蛇腔総合病院
その病院には秘密がある。
院内にある霊安室に隠された秘密の通路のその先…公には出来ない研究室。
モニターや機械類の点滅灯で照らされた薄暗い室内、床には足の踏み場もない程のケーブルやチューブで埋め尽くされている。
そして部屋の大半を占める透明な円筒形…脳無を収容する為のカプセルが所狭しと建ち並ぶ。
諸悪の根源ともいえる一室で二人の人物がストレッチャーに寝かされている王子を診察している。
「どうかなドクター?彼の症状は」
「体内に埋め込んだセンサーから分かっておったが、所謂熱射病と言った所かの。子供がなりやすい症状ではあるが…」
ため息混じりに聴診器を外し、適切な処置を施していく。
「AFOよ、
「ドクター、彼はまだまだ成長期だよ?僕らが勝手に成長させるよりもっと良くなるかも知れないじゃないか」
寝ている王子の頭を撫でながら瞳のない顔で彼を見る。
「エンデヴァーの個性…外的要因でやられてしまったのなら、そこはコスチュームで補ってあげよう」
「こやつを
処置を終えたドクターが王子のカルテにいくつか書き足していく。
「好きとか愛だとかそんなふわふわとしたもんが個性に反映されるとはのう…科学の敗北じゃよ全く」
「なら彼の個性は科学にも勝てるって事さ。それに今回の彼の働きで少しだけ個性の使い方…固めるやり方を学べたよ」
「ワシには愛なんて自分の研究ぐらいじゃ…しかし、そんなにこの個性に固執するとはのう?」
AFOが後進を育てると決めてからと言うもの、全ては
「弔は覇道を歩む事になるが…覇道というものは障害が多く、また険しいものだからね。彼の個性でその道を整地して貰えたらなと思ってるだけだよ」
大きな障害になるであろうオールマイト…あれが固まった時の時の事を思い出して不敵に笑うAFO。
「王子の個性"
「もっと利便性のある個性のが良いと思うんじゃが…AFOが必要と決めたのならやるまでじゃ」
颯爽と王子の体組織を採取して行動に移すドクター。
ドクターが居なくなり、二人きりとなったAFOは未だ眠り続けている王子へと優しく問いかける。
「初めて出会った時に言っていたね"星"にしたいと…でも君の個性ではそれが出来ないのになんでそう思ったんだい?」
エンデヴァーを前にして戦うではなく逃げる事を選び、星にしようとして―失敗した。
「僕でさえ…自分でさえ知らない力がまだ君にはあるのかな?」
◇◇◇
大通りから一つ路地に入り、いくつもある雑居ビルの地下にそれはある。
表向きは隠れ家的なBARの装いだが看板は出ていない…その店の名前は"敵連合"
その小さな店内でいつもなら煩く騒ぎ立ててる王子だが、保須市から戻ってきてからと言うもの元気がない。
あの襲撃で王子や脳無は多大な被害を出したが、新聞の一面は全てステインに取られてしまった。
あの
じゃあ一体何を―
「弔、王子、昼食が出来ましたよ」
カウンターに居る黒霧が出来たてのプッタネスカをフライパンから取り分けてカウンターに置く。
「またパスタか…」
そう愚痴りながらフォークを突き立て食べ進める。
「弔が何でも食べて頂けるのでしたら色々とご用意致しますが」
この話を続けると食事中ずっとお小言になりそうだ、と思い顔を伏せる。
俯いた事で床で寝転んでいた王子がのそのそとカウンター席に座ってくるのが見えた。
「ありがと黒霧さん。いただきまーす」
いつもの様な覇気はないが食欲だけはあるようだ。
今までは特に気にした事もなかった弔だが、話を変える目的で聞く事にした。
「おいクソガキ、なんで俺は呼び捨てで黒霧は
口いっぱいにパスタを詰めていた王子が弔を見てきょとんとしている。
「黒霧さんは何処だって連れて行ってくれるし、ご飯も美味しいからね。弔はお酒を飲んでたり、お部屋でゲームやってたりでダメダメじゃない」
当然と言った口調で弔に言い放つ…それを聞いて沸々とした怒りが湧いてくる。
「…その程度の事で俺を呼び捨てにしていたのか?」
未だ本調子とは言えない王子にここで罵倒しても仕方ないだろう…一つ提案する。
「なら俺も何処か連れてってやる。そうしたら俺もさん付けにしろ」
「へー!何処何処?お土産買えるか拾えるところがいいな!」
「まだ決めてねぇし、すぐに行くとも言ってないだろうが」
王子の予想以上の食いつきに少し仰け反る。
「何処がいいかな!黒霧さんじゃなくて弔だからね、遠い場所とか無理しないくていいよ?」
食事も終わり、今にも出掛けんばかりの様子に失言だったか…と弔が静観してると不意にBARのドアがノックされ、迎え入れる声を掛けるにドアが開かれる。
ラフなジャケット姿の上から特徴的なマフラーを首に巻き、髭をアンカースタイルに整えた丸サングラスの胡散臭い男―義欄。
裏の世界では名を馳せた大物ブローカー…そんな男が訪問してきた。
「おっと、これからお出かけでしたかね?入れ違いにならなくて良かったぜ」
タバコを吹かしながら中に入り、外に居る者に入る様に促す。
「こっちじゃ連日あんたらの話で持ちきりだぜ、何かでけえ事が始まるんじゃねえかって」
暗がりから店内に見知らぬ人物が二人入ってくる…
一人は男。
短くない髪を纏める事もなく散らかし、服装は上下ともダメージ加工でもされているのかボロボロで…何より目立つのは口元や目元などの皮膚の継ぎ接ぎ。
ポケットに突っ込まれた腕からも継ぎ接ぎが見て取れる。
「生で見ると…喜色悪ィなァ…それとあのガキが例の保須市の…」
一人は女。
前髪を眉毛の位置で切りそろえ、後ろは乱雑に纏められており至る所からほつれが出ている。
学生服の上から大きめのサマーセーターを羽織り、スカートはマイクロミニの位置…全体的にラフな格好だ。
笑顔で愛らしい顔立ちだが瞳孔は開いており、目元の隈はそういう化粧ではなくナチュラル。
「うわぁ手の人と男の子!ステ様の仲間だよねえ!?ねえ!?私も入れてよ!敵連合!」
「………黒霧こいつらトバせ。俺の大嫌いなもんが更に増えるなんて耐えられない」
やってきた二人を見る事すらなく黒霧に命令を出す。
「餓鬼と礼儀知らず…どっちも兼ね揃えたのが既に居るのに」
「まぁまぁ…せっかくご足労頂いたのですからお話だけでも伺いましょう死柄木弔…それにあの大物ブローカーからの紹介、戦力的に間違いはない筈です」
王子の事だろうと察した黒霧は弔を宥め、義欄に話の続きを促す様に視線を向ける。
「紹介だけでも聞いときなよ…まずこちらの可愛い女子高生、名も顔もメディアが守ってくれちゃってるが連続失血死事件の容疑者として追われている」
「トガです!トガヒミコ!生きにくいです!生きやすい世の中になって欲しいものです!ステ様になりたいです!ステ様を殺したい!だから入れてよ弔くん!」
終始笑顔で元気に答えるトガヒミコに対して訝しんだ目を向ける弔。
「意味がわからん、破綻者かよ…既に一人居るからこれ以上はいらない」
「なんでー?元気だし仲良くなりたいなー!僕は王子って言うの!よろしくねヒミコお姉ちゃん!」
「プリンスくんですか!かぁいい名前ですね!えへへーヒミコお姉ちゃん…良い響きです!」
両手を繋ぎブンブンと振り回しながら握手をする二人を横目に義欄が続ける。
「まあこうして会話は一応成り立つ、きっと役に立つよ…次にこちらの彼、目立った罪は犯してないがヒーロー殺しの思想にえらく固執してる」
そう言って義欄がもう一人の方の背中を押して会話を促す。
「不安だな…こんなガキも居るし、この組織本当に大義はあるのか?まさかこのイカレ女入れるんじゃねえよな?」
弔の方を見ずに隣で踊るように握手を続ける王子とトガヒミコを見下しながら語りだす男。
「おいおい…その破綻JKですら出来る事がお前は出来てない、まず名乗れ大人だろう」
周りの自分勝手な行動や言動に苛立ちが募る弔…言葉尻が少しづつ荒くなる。
「今は荼毘で通してる」
「通すな本名だ」
「出すべき時になったら出すさ…とにかくヒーロー殺しの意思は俺が全うする」
その台詞を聞き、堪え兼ねた弔がゆらりと席を立つ。
「聞いてない事は言わないでいいんだ…どいつもこいつもステインステインと…良くないな…気分が良くない」
「っ!いけません弔!」
次の行動を察した黒霧が個性を発動させる。
弔の、荼毘の、そしていつの間に踊りを止めてナイフを持ったトガの手がワープゲートによって散らされ、交差する。
「落ち着いて下さい、貴方の望むままを行うのなら組織の拡大は必須。奇しくも注目されてる今がその拡大のチャンス…排斥ではなく受容を、死柄木弔」
黒霧が姿を崩し霧となり弔の周囲を取り囲み耳打ちをする。
「利用しなければ全て…彼の遺した思想も全て…」
弔とて、その事は分かっていた…しかしまだ納得出来ていなかった。
「…うるさい」
苛立ちを隠そうともせずに店から出ていこうとする弔に道を譲る義欄。
「そういえばお出かけ前でしたね、何処へ?」
「うるさい!」
怒気を孕んだ声で威圧し足早に去っていく弔、追いかける王子。
「待ってよ弔!みんな置いてっちゃうの?行ってきます黒霧さん!」
◇◇◇
(くそぉ青山くんめ!別にそういうんと違うのに…!多分!)
みんなと一緒に木椰区ショッピングモール着いて行動の早いクラスメイトに置いていかれ―
麗日お茶子は緑谷出久と二人きりになってしまった時、ふと試験の時に言われた言葉を思い出してしまった。
「ムムム…動揺してつい全速力出してしまった」
(デクくんわけわからんだろなぁ…悪い事しちゃったな…うん…戻らんと…いや違うけど戻って謝るだけやし)
顔が熱くなってるのが分かる。走ったせいか、それとも私は本当に…
(うん…うんそう別に一緒にお買い物とかそういうんと違うもん…そもそも別に同じヒーロー志望としてスッゴイなってだけやしうん戻ろういや本当全然アレ違うし青山くんホンマちゃんちゃらおかしいわさーて戻る戻るぞ本当もう変な事言うんだから青山くん普段からの言動もおかしいからアレが素なんかな?)
踵を返しデクくんの居た方へ歩きだした時に…人通りの多い道の真ん中で右往左往して誰かを探してる子供が居た。
早く戻らんと…とも思うが迷子なら見過ごせない、ヒーローが困ってる子供を捨て置くなんて出来ない。
(デクくんもここに居たら助けてあげると思うし…ってちゃうねんちゃうねん)
脳内でツッコミを入れてくる青山を掻き消す様に顔の前で手をパタパタさせる。
(そんなんしとる場合ちゃう!はよ話しかけてあげないと…)
「どうしたのかな僕?迷子になっちゃった?」
キョロキョロと辺りを見回していた子供がその声の方に振り向く。
その子供は奇しくも今待たせているデクくんとよく似た癖っ毛で長さも似た感じだった。
(よう似とるなぁ…ちょっと色味薄めかな?デクくんも子供ん時はこんなんやったんやろな)
そんな事を考えてると頬が緩み、笑みがこぼれてしまう。
「お姉ちゃん誰?僕が迷子なんじゃなくて迷子を探してるんだ」
意地っ張りな発言をしてくる子供にすこし苦笑が交じる。
「そっかそっか、じゃあ一緒に探してあげようか?」
「いいの?ありがとー!あーでも知らない人にはついて行くなって言ってたよーな?」
腕を組んで悩んでる子供見て、しっかりしとるお子さんやな。と思いお茶子は身分を明かす事にした。
「おねーちゃんはね、麗日お茶子って言うんよ。雄英高校のヒーロー科なんよ」
子供の目線に合わすようにしゃがみこみ真正面からその子供を見据える。
雄英高校と聞いて俄然興味が湧いたのか、向日葵の種の様な瞳が輝きだした。
「雄英!?前テレビでやってたね!僕見てたよ!お姉ちゃん出てたの?大玉転がしした?」
予想以上の食いつきで掴みはOK、と内心グッと拳を握る。
「大玉転がしはしてないよ。お姉ちゃんは走ったり戦ったりしとったよ…あとチアとか」
チアコスチュームで踊ってたのも放送されとるんやった…と恥ずかしくなってハハハと空笑いしながら視線を外す。
「あー!石いっぱい浮かせて負けた人!」
近くで顔を見たおかげか、トーナメントを思い出してくれた様だが…苦い思い出の一つだ。
「そ、そやね…覚えていてくれて嬉しいわ…ははは」
さっきとは違った意味で空笑いが出てしまうが、そんな事をお構いなしに子供が急接近してくる。
「お姉ちゃん凄い!良い個性だよね!どーやって浮かせてたの?どんな大きさでも飛ばせるの?重くても大丈夫?何処まで飛ばせるの?」
「待って待って!めっちゃ興味持ってくれんのは嬉しいけど!まずは迷子さん探さないと、ね?」
あまりの食いつきに当初の目的を忘れていそうだなと思い、諌めるお茶子。
ハッと思い出してからすぐに陰りのある顔になる。
「そいやそーだった…でももう無視しちゃってお茶子お姉ちゃんとお話してた方がいいかなーなんて思い始めてるよ」
その言葉や顔に何かあったんかな…と思い、柔らかそうな髪を撫でる。
「まぁまぁそう言わんと一緒に探してあげるから、ね?」
立ち上がって手を出すとすんなり握ってきてくれた。
(まずはインフォメーションに行ってアナウンス流して貰った方がええね)
そんな事を思いながら歩きだすお茶子だが、子供は不貞腐れた様に口を尖らせる。
「今日だってさ、何処か連れて行ってやるとか言っておいて一人でどっか行っちゃうんだよ?普段だってお酒飲んで自分も空き瓶とか片付けないのに僕が遊んでると片付けろーとかグチグチうるさいし…」
手を引かれながらずっと文句を垂れている…お茶子はその発言を聞いてステレオタイプの駄目なお父さん像が思い浮かび、乾いた笑いが出てしまう。
「あー…酷いパパさんなんやね?」
「弔はパパじゃないよ?黒霧さんのがパパだよ…ママかも?弔はヒモだよ」
「ヒモて!何でそんな言葉知っとるん!」
最近のお子さんはマセてんな!とついツッコミを入れてしまったが…さっきの発言を反芻する。
「…今、弔とか黒霧って言わなかった?」
「言ったよ?それでね、今日だって新しい人が来てくれたのに気に食わないーとか言ってここに来たんだ。酷いよね!せっかく来てくれたのに歓迎会もしないんだよ」
弔に対して文句を続けているこの子供はもしかして…
「そ、そういえばまだ君の名前知らないかな?」
少し硬い笑顔になってしまった…何とか取り繕はねば。
そんなお茶子の胸中に知らずに元気に返事をしてくれた。
「そーだっけ?忘れてたのならごめんなさい!僕は星野王子!よろしくねお茶子お姉ちゃん」
屈託の無い笑顔を向けてくる王子だが…お茶子の心情は計り知れない程の衝撃を受ける。
あの時のUSJ襲撃事件…実行犯達がお互いに呼び合っていた名前。
死柄木弔。
黒霧。
そして―
敵連合の王子といえば球体の個性の持ち主で…オールマイトを行動不能にしたとクラスメイトから聞いていた。
つまりこの子は、こんな幼くしてヒーローを相手取る敵なのか。
気がつくと足は止まり、王子に向けた硬い笑顔のままで固まっていた。
不思議そうにこっちを上目遣いで覗き込んでくる王子。
(何か思惑があって近づいてきた?ううん、この出会いは偶然だし何より私から話しかけた)
お茶子は考えを巡らす…この子が敵連合の一人ならここで捕まえるべきだ、と。
(このままヒーローを呼んで…あかん!そんな事したら今でもこっち見とるしバレてまう…せや、クラスの誰かと会って私が相手してる間に連絡して貰おう)
心の内でそんな決意を固めていたお茶子だが…そんな葛藤などつゆ知らず王子はお茶子に具合が悪くなったの?と心配して声を掛けてくる。
「大丈夫大丈夫!ごめんね止まっちゃって?さ、行こうか」
(しかしこの子は私に対して警戒心が薄いんかな?今も私を心配してくれとるし…体育祭で負けたから弱く見られてる?いや、もしかして敵連合に騙されているだけなのでは?)
新聞やニュースはステインの事ばかりで保須市で起こった敵連合の行動はろくに報道されておらず、お茶子は目の前の子供が大量殺人犯だとは思いもよらなかった。
どちらにしろここで確保しないと、そう考えていたら王子が急に走り出した。
「ちょっ!?人の多い所で急に走り出したらあかんよ!」
そう言いつつもお茶子も走り出す、繋いだ手は離さない。
(敵連合の手掛かりを見逃す訳には…ッ!)
不意に王子が止まった…ショッピングモールの一階にいくつも配置されているベンチの一つに見慣れた緑髪の癖っ毛、緑谷出久が居た。
そういえば一人きりにさせてしまっていた事を思い出し、申し訳ない気持ちになるお茶子。
(それは後で謝ろっ!それよりデクくんと会えてよかったわ、デクくんならすぐに察してくれ―)
「やあっと見つけたよ弔ー!勝手にふらふらしたと思ったらこんな所で座り込んじゃってさ!」
王子の澄んだ声がお茶子の耳に入る…よく見るとデクくんの隣に見知らぬ人が座っている。
その人物は馴れ馴れしく肩を組んで首辺りを鷲掴みにしている…王子が言ったのが本当なら座っているのは死柄木弔であり、彼の個性は―
「麗日さん!大丈夫だから!」
気丈にも冷や汗を流しながらお茶子を近寄らせまいとするデク。
「それはこっちの台詞だぞ…勝手に走り出したのはそっちだろうが」
ため息混じりに悪態をつく弔…既に隣の人物は眼中に無いようだ。
「じゃあ行くわ…追ったりしてきたら分かるよな?」
そう言い捨てて歩きだす弔。
首を拘束され続けてまともに声が出ないデクがそれでも呼び止める。
「待て…死柄木…AFOは何が目的なんだ」
「…知らないな。それより気を付けとけな…次会う時は殺すと決めた時だろうから」
雑踏に紛れながら振り返りもせずに返事をする弔。
「あれ?もう帰るの?まだお土産買ってないよ?」
「手に入れた…いや、最初から持ってたんだ…帰るぞ…
止まる事なく雑踏へと消えていく弔、そんな後ろ姿を目を丸くして見つめる。
「あれ?今名前で呼んだ?なんだやっと覚えたのかー!物覚え悪いんだからもー!」
そんな事を言いながら破顔する王子。
弔に追いつこうと走り出し―振り返って大きく腕を振る。
「バイバイお茶子お姉ちゃん!そうだ!今度大きな塊用意するからさ!お姉ちゃんの個性使ってよ!約束だよ!」
ハーメルンの機能が少しづつ分かってきました。
誤字報告一覧から適応すると変更されるんですね…
今まで報告して頂いた皆々様、ありがとうございます。
だいぶお礼が遅れてしまいました…申し訳ございません。