転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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100 見せる冒険者の意地! 解呪か破壊か選択の時!!

ギリスとリルア扮するキュアグラトニーはかつて 魔人族を統べていた魔王だった。

しかし厄災 ヴェルダーズに力を奪われ 衰えた現在では数を積んだ軍勢に翻弄される始末である。

 

二人にとってそれは到底 認められない事態だった。

 

「………………!!!!

こ、こんなヤツらなんかに負けてたまるか!!!!」

「!! グラトニー!!!」

 

究極贈物(アルティメットギフト) 増幅之神(サタナエル)が発動しました。』

 

グラトニーの目の前に魔力が球体となって蓄積される。

 

「ラァッ!!!!!」

「!!!!?」

 

魔力の球体が炸裂し、グラトニーを拘束していたゴブリンのチョーマジンがまとめて吹き飛ばされた。

グラトニーは次にハジョウ目掛けて突進する。

 

「ギリス!!! 今助けるぞ!!!!」

「…………甘いね。」

 

ハジョウがそう小声で呟いたのを聞き逃さなかった。

 

「!!!

止せグラトニー!!! 止まれ!!!!」

 

グラトニーは全速力でハジョウに突進した。

その速度は反応など出来ない筈だった。

 

 

フンっ 「!!!??」

 

グラトニーの身体がハジョウに直撃する寸前、ハジョウが払った手によって振り飛ばされた。

そのまま勢い余って大木に激突する。

 

「グ、グラトニー!!!」

 

「な、何故だ…………!?

何故 反応された…………!!!」

 

グラトニーが大木に打ち付けた身体を抑えながら自身に問いかけた。

「さぁ なんでだろうね?

足らない頭使って考えれば?」

 

(……………!!!?

ま、まさか…………!!!)

 

ギリスはハジョウの周りに埃のような《粉》が舞っていることに気がついた。

 

(まさか 自分の身体から粉を発してレーダーのように反応したのか…………!!?)

 

「グラトニー!!!!」

「「?!」」

 

「俺には構うな!! こいつは俺が相手をする!!! お前はあいつらを()()!!!!」

「!!?」

 

「あいつら全員に使える程の解呪(ヒーリング)は無い!!!

あいつらは《遺体》から生まれたチョーマジンだ!!! 解呪(ヒーリング)を使わずに片付けろ!!!!」

「………………!!!!」

「なるほど 理にかなった作戦だね。

やっぱり《遺体》で間に合わせるべきじゃなかったかな?」

 

ギリスの思考は全て限られた戦力での勝利に向けられていた。 しかし、グラトニーは躊躇っている。

 

「何をしている!!! 早くあいつらを()()!!!!!」

「…………で、できない そんなこと…………!!!」

「何だと貴様!!!! このまま死にたいのか!!!?」

 

「あのオーク達はミーアが頑張って狩ってきた《記念》だぞ!

それを()()なんて出来るわけが…………!!!」

「馬鹿か!!! 時と場合を考えろ!!!!

本当に二人とも死ぬぞ!!!!」

 

「あのさ、僕を挟んで揉めないでくれるかな?」

「………………!!!」

「しかし残念だね。

いい作戦だったのに平和ボケしたお仲間は乗り気じゃなくて。 それじゃ いつまでもこうしててもしょうが無いし、君から片付けちゃおうか。」

 

ギリスを押さえつけた体勢から片腕を挙げ、そこにエネルギーを溜め込む。

 

「ギ、ギリス!!!」

「俺に構うな!!! 早くあいつらを始末しろ!!!!」

「!!!」

 

「じゃあね 魔王サマ」

「!!!!」

 

ハジョウの手の中のエネルギーがギリスに炸裂する━━━━━━━━━━━

 

 

グサッ!!!

「!!!!? ハ?」

 

ハジョウの手に()が突き刺さった。

そこから空気が抜けた風船のようにエネルギーの塊も萎んでいく。

 

「「ミ、ミーア!!!!!」」

 

ギリスとグラトニーの視線の先にミーアが立っていた。

 

「お前、何故戻ってきた!!!!」

「…………そうだよ。この人の言う通りだよ

どういうつもりかな? ここで死にたいの?」

「!!!」

 

ギリスの視線が捉えたハジョウの表情は明らかに引きつっていた。 怒りを押さえ込んではいるもののそれがありありと滲み出ている。

 

「じ、自分は冒険者になるために村を出てきたんス。 今日まで【勇気】ある冒険者になりたくて頑張って来たんスよ。

だから、ここで逃げるくらいなら【冒険者】として戦ってやるッスよ!!!!!」

「「!!!!! ミーア、お前…………!!!!」」

 

初対面の時の楽観的な物の言い方は払拭され、【勇気】を持つ冒険者の少女の姿がそこに確かにあった。

 

「………あっそ。

だったらその安っぽいプライドに従って死ねば?」

 

ハジョウの合図でオークとゴブリン達 計11体のチョーマジンがミーアに突進した。

 

「「!!!! ミーア!!!!!」」

 

ハジョウに押され込まれたギリスと激突したダメージを受けたグラトニーには彼女の名を叫ぶしか出来ることが無かった。


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