転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「《
確かにそう叫んでレオーナは指笛を高らかに鳴らした。
「ア、
「ま、まさかそれって…………!!!」
グラトニーもハジョウもその単語に聞き覚えがあった。 それこそ 今自分が命のやり取りをしている戦場に立っている事すら忘れてしまう程に動揺していた。
そんな2人を動揺から呼び戻すかのようにざわざわ と木々の葉が揺れる。
「!!! こ、これは……!!」
「この現象、 やっぱり
その現象はレオーナの
***
ギリスは依然としてオークと拮抗した攻防を繰り広げていた。
(……………!!!
なんて事だ!! まだこんな下等な魔物にも遅れをとる程 鈍っているとは………!!!)
蛍やリルア達
かつて 魔界のあらゆる強者たちを束ねて統べた魔王としての誇りが【慢心】となって自分に仇なしているのだ。
その時、ギリスの耳にざわざわ と木々の葉が揺れる音が入った。
最初は気を取られてはならない と聞き流したが、それでもその音は大きくなって近づいてくる。
流石に不審に思って 隙をついて音の正体を確かめようとした。
そして次の瞬間、 信じられない光景を目にする。
バサバサバサバサバサバサバサバサッ!!!!!
「!!!??」
木々の間から大量の鳥が群れを生してギリス目掛けて突っ込んで来た。
耳何百もの鳴き声が塊となって鼓膜を劈く。
(コカトリス!!? いや、それよりは小さい!!
群れがこの騒ぎを嗅ぎつけて突っ込んできたのか!!!)
ギリスは咄嗟にガードを固めた。
小鳥のくちばしでも大量にあり、なおかつ急所に直撃すれば無視できないダメージを被ることになると予想しての事だ。
「………………?!!!」
しかし、小鳥の大群はギリスを素通りし、オークへと向かっていき、その身体を啄み始めた。
無論 それが決定打とは到底 言えないが、それでも前進を寸断できるだけの威力はあった。
一体何だ と呆気に取られていると、今度は草村の一つがガサガサと音を立てた。
そこから現れたのは二足歩行の茶色の牛
ミノタウロスの幼体種 【タウロス】だった。
そのタウロスもオークへと果敢に向かっていく。
動きを止められて隙だらけになったオークに攻撃する事も忘れてギリスは目の前で起きている事の真実を考える事に集中していた。
それは間違いなく生物と契約を結び 使役する 【テイム】という技術だった。
冒険者にとってそれはあまり役に立たないものと思われがちだが、ギリスの見解は異なる。
使役した生物と確かな信頼関係を築き、その上で高度な連携を取る事が出来たなら それは個人個人の力を足しただけでは得られることの出来ない強大な戦力へと繋がる。
ギリスはそれを身をもって経験している。
しかしそれでも 目の前の光景を説明はできなかった。
通常 テイムは一人につき1匹 鍛錬してもせいぜい5,6匹が限界と相場は決まっている。
そしてこの目の前で起きている異様な光景を説明する結論が一つだけあった。
(そうだ。 こんなことが出来るのは1人しか、こんなことが出来る
ギリスは考えるより早く そこにいるであろうレオーナに視線を送った。
思った通り レオーナはギリスに向けて得意げな表情を送っている。
「ギリスマスター!
微力ながら 助太刀させていただくっス!!!
驚きました? これ、女神って人が言ってたんスけど、
「知っている。 それから答えてくれ。」
「?」
「お前の ミーア・レオアプスの
「? ああ。
何か言われてたッスね。
自分の本名 【ミーア・クロムウェル(?)・レオアプス】って言うらしいっス。」
「……………………!!!」
やっぱりか とギリスは納得した。
その名前に聞き覚えがあったからだ。
そしてはっきりと思い出した。
打倒 ヴェルダーズという使命感によって記憶の片隅に封じ込められた とうの昔に死んでしまったであろうその名前
【レイン・クロムウェル】の名前を。