転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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105 魔王とビーストテイマーの運命! 戦ウ乙女(プリキュア)達の反撃開始!!

《テイム》

 

生物との間に契約を結び、信頼関係を築くことで使役することを可能とする 魔力を利用した技術

 

しかし、これには致命的な欠陥が存在する。そしてそれによってテイムは冒険者達に軽視されがちな不遇な扱いを受けてきた。

 

それは、テイムできるのは一人につき1匹程度が限界だということである。

鍛錬によって上限を伸ばすことはできるものの、それも5,6匹が限界である。

 

そのために《テイム》の才を持ち 冒険者を志す者も そのほとんどが途中で挫折し、生物と協力した狩猟や産業によって生計を立てる道を選ぶ。

 

 

しかし、その弱点にも例外は存在する。

 

自身の魔力が続く限り いくらでも生物をテイム出来る テイムにおいて最高峰の贈物(ギフト)が存在するのだ。

 

 

 

***

 

 

 

「ギリスマスター 見てくれたッスか?

これが キュアレオーナのもう1つの力

従属之神(アルテミス)》ッス!!!!!」

 

従属之神(アルテミス)

ギリシャ神系 究極贈物(アルティメットギフト)

能力:自身の魔力が続く限り 生物を何体でもテイム出来る

 

 

 

「……………!!!

従属之神(アルテミス)》に《クロムウェル》だって……………!!!!」

 

ハジョウは動揺を隠せなかった。

その2つとも 勇者ルベドの関係者としてヴェルダーズから聞かされていた言葉だったからだ。

 

しかし レイン・クロムウェルが人間であると言う事と、ルベドの活動時期が何年も前の話であるという事から レインはとうの昔に死んでおり、取り立てて警戒することでも無いだろう と ハジョウだけでなくヴェルダーズの配下 全員がそう思っていた。

 

その【クロムウェルの血】を引く者が居るなどと、ましてやついさっき誕生した戦ウ乙女(プリキュア)に与えられているなどとは夢にも思わなかった。

 

ハジョウは心の中で己の不幸を呪った。

しかしそれでもレオーナが要請(テイム)した援軍はとどまることを知らない。

 

 

草むらからタウロスだけでなく 狼や豚の姿をしたモンスター達が一斉に押し寄せる。

 

 

「さぁ どうするっスか 厄災のお仲間さん?

もちろん文句は言えないっスよね?

『数を積んで勝とうとした』のはあんたも一緒なんスから。」

「……………………!!!!」

 

小鳥 タウロス 狼 そして豚の大群

少なく見積ってもハジョウの召喚したオークやゴブリンの集団を遥かに頭数で圧倒していた。

 

 

「……………………フッ」

「?!!」

 

「バカだね!!! こんなにも()()を用意してくれてさ!!!!」

 

「!!!」 「しまった!!!!」

 

グラトニーとギリスは目の前で()()()()()()()()光景を目にしていた。

ハジョウが両手の指に魔物召喚(サクリファイス)の魔法陣を展開していた。 狙いはレオーナのテイムした生物たちだ。

 

 

グサグサッ!!!!

「!!!!?」

 

ハジョウが魔法陣を投げようとした瞬間、その両手に矢が突き刺さった。

 

「〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!

こ、これは………………!!!」

 

両手の平に 刺されたものとは違う焼けるような痛みが走った。

 

「なるほどこれが解呪(ヒーリング)っつーやつなんスね。

あんたらこれが効くんでしょ?

それじゃしばらくその魔物を作る魔法陣 使えないっすね。」

「………………………!!!!!

キュアレオーナ……………!!!!!」

 

 

「おい、どこを見てるんだ?」

「!!!」

 

グラトニーの声に気付いた時には遅かった。

粉で反応する暇もなく蹴りが顔面を襲い、ハジョウは吹き飛ばされた。

 

「レオーナ!!! あいつを追え!!!」

「!!! 分かったっス!!!

 

みんなに告ぐっス!! ギリスマスターとキュアグラトニーを全力で援護するッスよ!!!」

 

レオーナの一声でやたらに攻撃していた生物達がギリスとグラトニーを囲うように陣を作った。

 

レオーナがテイムした生物の数は少なく見積っても100匹を越えている。

数でこちらが明らかに圧倒していた。

 

「…………なぁギリス

こういうのってなんて言うと思う?」

「それは【運命】としか言いようがないだろ。 レインの血が受け継がれて、何の因果かそれが俺達の力になってくれた。

 

これを運命と言わずに何を運命と言うんだ?」

「そうだな!」

 

そう談笑している間にもハジョウの召喚したチョーマジン達は陣形を取っている。

 

「それから あいつ、勝つと思うか?」

「思うも何も 俺達が信じてやるしかないだろ? あいつはもう勇気デ戦ウ乙女達(俺たち)の仲間なんだから」

 

その言葉に頷く代わりにグラトニーは笑い返した。

反撃の のろしは既に昇っているのだ。


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