転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「ギリス 聞いておきたいんだが、
「完全に思い出したぞ。 全く情けない話だ。 大義名分を守る事に必死になって友達(の友達)の名前を忘れるとはな。」
「無理もないさ。
レインは人間で、私もとっくに死んでいたものだと(実際死んでたわけだが)思ってたんだから。」
ギリスとグラトニーの背後にはレオーナがテイムした生物達が陣形を取っている。
数でも実力でもこちらが遥かに圧倒していた。
「グラトニー、力は後 どれくらい残っている?」
「後
「そうか。 なら俺が指示を送る。
時が来たらお前が決めろ。」
「分かった!!」
2人の魔王が作戦を立てている間もオークやゴブリン達は気圧されて動けずにいた。
「一瞬で終わらせるぞ グラトニー。
その後でレオーナの援護に向かう!!」
「任せろ!!!」
「総員に告ぐ!!! 両側から攻撃を仕掛けろ!!!!」
ギリスの一喝でレオーナにテイムされた小鳥の大群やタウロス達が弧を描いて向かっていく。
それに合わせてチョーマジンは前方に向かって走ってくる。知能の低いチョーマジン達にも挟み撃ちの作戦だと分かった。
「………そう来ると思ったぞ。」
『!!!?』
向かった先ではギリスが手を構えていた。
その指には魔法陣が宿っている。
その手から魔法 《
「今だ!!!!」
ギリスの一喝で両側に陣取っていた生物達が一斉に襲いかかった。
嘴が 爪が 牙が 一斉にチョーマジン達の身体を蹂躙する。
「グラトニー!!! 決めろ!!!!!」
「よっしゃ!! 準備バッチリだ!!!!」
チョーマジン達が怯んで動きを止めた一瞬、グラトニーは既に【ブレイブ フェデスタル付きの魔法陣】を構えていた。
「《
グラトニーの魔法陣に魔力が蓄積されていく。 出し惜しみは一切無い。
目の前にいる10体を確実に
《プリキュア・グラトニーイレイザー》!!!!!
グラトニーの魔法陣から
それは大きく束となってチョーマジン達に襲いかかり、そして包み込んだ。
(……………!!
これで決まれ…………………!!!)
止めの技が当たっても安心は出来なかった。
体力を使い果たした攻撃が失敗したらどれほど過酷な状況に立たされるかは既に身をもって学んでいた。
「「!!」」
爆発によって舞い上がった土煙が晴れていく。
そこに
「や、やった 勝った……………………!!!!」
そこまで言ってグラトニーは膝を着き、元のリルア・ナヴァストラの姿に戻った。
リルアが安堵していたのはただ勝てたからではなく、 ミーアが初めて自分で取った魔物の素材 を無事に回収出来たからだ。
「よくやってくれたな。
ギリスもリルアの肩に手を乗せて同じように安堵の表情を浮かべた。
自身の《誰も死なずに敵を倒す》という思いとリルアの《ミーアが手にした素材を無事に回収する》という思いを同時に達成することが出来たからだ。
「リルア さっきは興奮して配慮に欠けた言い方をしてしまった。 すまない。」
「こっちも悪かった。 私のわがままに付き合わせてしまって。」
2人の魔王はそのまま少しの間 歓談した。
ハジョウの召喚した魔物は完全に退治することが出来たのだ。
***
「………………!!!」
「一人ぼっちになっちゃったッスね 厄災のお仲間さん。
分かってるでしょうけど ギリスマスターとグラトニーならとっくにあんたの出した魔物なんか退治しちゃってるッスよ。」
ハジョウとレオーナが森の奥深くで対峙していた。
「自分は厄災とか
ここでやっつけさせて貰うっスよ!!!」
ハジョウはレオーナの自信満々の啖呵にも臆することなく精神を落ち着かせた。
突然 現れた3人目の
引き継がれていたクロムウェルの血筋と
数の有利をひっくり返す大量の生物
それらの予想外の要素を全て心の隅に追いやってハジョウは闘志を奮い立たせる。
レオーナは 彼がまだ奥の手を隠し持っていることに気がついていなかった。