転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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108 贈物(ギフト)の作戦で上を行け! 逆境のビーストテイマー!!

「さぁ 君から仕掛けた第2ラウンドだよ。

せいぜい 逃げ回ってみせてよ。」

「………!!!」

 

レオーナは呼吸器をハジョウの粉に侵され、まともに動けない状態にあった。

しかしそんな泣き言を言ったところで助けなどあるはずが無い。

 

これこそがミーアが望んだ冒険者の現実

たとえどんな問題が起こったとしても救いなどどこにも無いのだ。

 

(…………ギリスマスターが言ってた『身の丈に合った依頼を選べ』って こういうことだったんすね……………!!!)

 

レオーナは改めてギリスが戦ウ乙女(プリキュア)としてではなく一人の冒険者として助言してくれていたのだと再確認した。

 

「ほら、早く逃げなよ?」

「!!!」

 

襲ってきたチョーマジンの攻撃を横に飛んで躱す。

 

「まだまだ行くよ? ほら」

「?!!」

 

ハジョウはレオーナの前方に【火がついた魔法陣】を投げた。

 

(!!!! 【粉】と【火】って まさか!!!!!)

「何度も言わせないでよ。

贈物(ギフト)は使いようなんだよ。」

 

 

ドガァン!!!!!

「!!!!!」

 

ハジョウの投げた火の魔法を中心に辺りに大爆発が起こった。

 

粉塵爆発

それがハジョウの使った攻撃だ。

 

一定濃度の()()が大気中に舞った状態で火をつける事で 周囲の粉に連鎖的に引火して大爆発が起こる。

 

ハジョウの贈物(ギフト)によって出る粉もその例外では無かった。

 

「………………お!」

「……………………………!!!

あんた、搦め手ばっかり使ってくるんスね………………!!!」

 

レオーナは咄嗟に魔法陣を展開して爆風を防いだ。

 

(……驚いたな。

身体はもうとっくに侵されて、それにさっきまで魔法なんてろくに使えなかった筈なのに

 

抜けているようでこいつ かなり腕が立つな。 やっぱりここで消しておかなきゃな!)

 

「さぁ 次はどう出る?」

「……………!!!」

 

 

ビリっ! 「?!」

 

レオーナは袖の布を強引に引きちぎり、それを口元に巻いた。

呼吸限を確保する目的だ。

 

(……なるほど 順当だね。)

 

そして後ろに跳んで間を作る。

そのまま矢を構えてハジョウとチョーマジン達目掛けて矢を放つ。

 

しかし ハジョウが前に出てその矢を全て弾き落とした。

 

「!!!」

(粉が届かない場所まで離れてそこから矢で牽制して体力回復まで持久戦か!!

良いんだけど━━━━━━━━━━━━)

 

「月並みだね。」

「!!?」

 

レオーナはハジョウの不審な言葉に咄嗟に後ろを振り返ると、そこには既にチョーマジンが数体 レオーナの背後を陣取っていた。

 

「ッ!!!」

 

気がつくとハジョウとレオーナを中心に何体ものチョーマジンが取り囲んでいた。

 

「君と違って自分の贈物(ギフト)で出来ることや弱点はよーく分かってるさ。

だけどごめんね。 ホントはギリスとリルアに使うはずだったのに こんな大人気ない作戦を君なんかに使っちゃって。」

「…………………!!!」

 

誠意の感じられない謝罪の言葉はレオーナの神経を逆撫でする。

しかし、今のレオーナの状況とハジョウの実力はそれを肯定せんとする程の物を持っていた。

 

 

「レオーナ!!!!!」

「「!!!!」」

 

2人しかいない森の奥でギリスの声が響いた。

 

「ギリスマスター!!!!」

「……………向こうから来たか。」

 

「お前の討ち取った素材は無事に回収した!!! リルアはもう戦えないが俺が 」

 

「マスター!!! 来たらダメっス!!!!」

「?!!」

 

「ここら一帯 コイツが粉を振りまいて 近づいたらまともに動けなくなるっス!!!

それに狙いはマスターなんス!

 

こいつは自分が相手をするからマスターは離れてくださいっス!!!!」

「………()()()………!!!」

 

「これは自分が求めて入った運命()なんス。 だから冒険者として、自分にやらせてくださいっス!!!」

 

レオーナの言葉は戦ウ乙女(プリキュア) 以前に一人の冒険者として依頼をこなす責任を背負っていた。

 

「それに見つけたんすよ。

こいつの贈物(ギフト)の弱点を!!!」

「「!!?」」

 

「ギリスマスター 見ててくださいっス。

勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウル プリキュア) の一員としてキュアレオーナが初勝利を飾るその瞬間を!!!!!」

 

自分が逆境に立たされているとは思えないほどの口調で レオーナはそう宣言した。


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