転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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123 故郷を巣立つ時が来る! 龍の里の大宴会!!!

祖父(リュウ)がかつて勇者パーティーに所属していた事は何度も聞かされていて、リナだけでなく龍の里に生きる者全員が知っている事だ。

しかし、その勇者が目の前に立っている男だとは思ってもいなかった。

 

「………そいつァどういうこったよ。

ジジィがパーティーにいたのは何百年も前の話だぞ?人間が生きてられる時間じゃねぇだろ!」

「……なるほど。尤もな疑問だね。」

 

ルベドはリナに改めて自分がギリスの復活を待ち続けて転生を繰り返していた事や星聖騎士団(クルセイダーズ)を設立した経緯を順を追って説明した。

 

「………それでだ、君はこれから戦ウ乙女(プリキュア)として長い戦いに身を投じるわけだ。今から里に戻って挨拶くらいしてきたら良いんじゃないか?」

「!!」

 

ルベドの言葉で気付かされた。

自分は兄の命を奪った魔物に再び襲われている里を守りたい一心で戦ウ乙女(プリキュア)になったが、これからは龍の里だけでなく全世界を魔物の魔の手からすくう戦いが幕を開けるのだ。

 

「…………分かった。ちゃんと里のみんなにいってきますって言ってくるよ。」

「それがいいよ。 リュウにもよろしく伝えておいてね。」

「? あんたは行かないのか?」

「……会うのは全てが終わってからさ。」

 

ルベドは握りしめた拳を眺めながらその言葉を口にした。それだけで彼の覚悟がひしひしと伝わって来た。

 

「……そういうこったから ギリスマスター、一度里に戻らせてくれ。」

「もちろんだ。今頃あっちも大慌てだろうからな。」

 

ギリスがメンバー達に目をやると、全員が首を縦に振った。蛍も既にリュウや武道会で優勝を争った選手達の顔が恋しくなっていた。

 

 

 

***

 

 

星聖騎士団(クルセイダーズ)の本部を抜け、魔王城の門をくぐり再び里の土を踏んだ。本来列車を乗り継いで一日以上かかる距離を移動したせいか、数時間も経っていないのに数日ぶりに帰ってきた気分になる。

 

「!」

 

魔王城を出てきたメンバー達をリュウが出迎えた。

 

「ジ、ジジィ…………」

「皆まで言う必要は無いぞ。リナよ。

カイや蛍君から全て聞いた。お前が里を守ってくれた事をな。

それになったという事は、決心がついたのじゃな?」

「━━━━━━━━━━━━━おう!!

俺はこの力を里だけじゃなくて世界中を守るために使いてぇ!!!兄貴が俺を守ってくれたみてぇに俺も大切なもんを守りてぇんだ!!!!」

「左様か。それを聞いてラドも喜んでいることじゃろう。

それじゃあ行こうか。みんな首を長くして待っておるぞ?」

『?』

 

リュウが指差した方向は彼の屋敷だった。

 

「お前が里を守ってくれたと聞いたら、あいつらみんな礼がしたいと張り切って準備しておったわ。」

「えっ!? ジジィ それって……………!!」

「そうじゃ これから始めるんじゃよ。

お前の門出を祝う宴をな。」

 

戦ウ乙女(プリキュア)になった者は厄災 ヴェルダーズと戦う運命に身を投じる。その事を知っていたリュウは彼女を全力で送り出す準備を進めていたのだ。

 

メンバーは全員リュウに連れられてつい先程集合した屋敷に入っていく。龍の里と同じように屋敷も懐かしく感じた。

 

 

 

***

 

 

リュウ・シャオレンの屋敷の大広間 リナの門出を祝う宴はそこで行われた。元々 龍神武道会の後夜祭で振る舞う予定だった料理が所狭しと並べられ、連戦続きだった蛍達の食欲を刺激する。

 

会場には龍の里の面々はもちろんの事、蛍が戦ったシーホースとその師匠のゲルドフ、そしてソラやウツなどの選手達、そして出場していた選手全員が足を運んでいた。

 

そんな面々が揃う中、リュウは酒の入った盃を片手に壇上に上がった。その後に蛍とリナが続く。

 

「諸君!! 今日この日、この龍の里が怪物の襲撃を受けながらも無事にこの宴を行うことが出来るのは偏にこのホタル君 そして我が孫娘 リナが怪物たちと戦う業を背負ってくれたからに他ならない!!!

そしてリナはこれからこの龍の里を出て過酷な戦いに身を投じる!!!その門出を我々で祝おうではないか!!!!!」

 

リュウが高らかに盃を掲げると、会場全体から大歓声が巻き起こった。本来 地元愛が強く滅多に里の外で働かない龍の里の人々にとってリナがこれから身を投じる戦いはさらに重要な意味を持つ。

そんな過酷な業を一身に背負い、そして里を守ってくれた彼女に会場中が感謝の拍手を送った。

 

そんな空気とは裏腹にリナの頬は赤く染まる。

 

「………おいジジィ………… 流石にやりすぎだろ…………… 恥ずかしいっての………………」

「何を言うとる。お前のお陰で死人が一人も出んかったのじゃぞ。これでも足りないくらいじゃよ。」

「そうだよ!今日は目一杯楽しもうよ!」

「ホタル…………………

分かったよ!全力で楽しんでやるよ!!!」

 

元々滅多に人前に出た事の無いリナは慣れない空気感に苦手意識を示した。

しかし蛍の言葉で この龍の里で過ごす最後の時間を全力で楽しむと決め、会場に向かって盃を掲げた。

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