転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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124 迷いを断ち切って進め!! 戦ウ乙女(プリキュア)リナの旅立ち!!!

宴は夜中まで続いた。未成年の蛍はお酒は飲まなかったがそれでも周囲の雰囲気に任せて大いに盛り上がった。

ギリスも久しぶりにリュウに会えた喜びで羽目を外してかなり多くのお酒を呷った。

 

そして当のリナも最初は居心地が悪そうにしていたが周囲が盛り上がり出すとそれに合わせて大笑いした。まるでそれはこれから離れる龍の里を噛み締めているようにも見えた。

 

そして日付が変わった頃に会はお開きとなった。武道会に出場した面々、そして蛍達は全員 リュウの屋敷で一夜を過ごすことになった。

 

 

 

***

 

 

 

「……………………………………ん?」

 

夜 といってもかなり時間が経って東の空に光が刺してきた頃に蛍はふと目を覚ました。

武道会の連戦とオオガイ率いる数え切れないほどの敵襲を対処した身体はとうに限界を迎え、布団に入るとそれこそ死んだように眠りについた。

 

「………あー まだこんな時間か………。

微妙に早く起きちゃったな…………………

 

ん?」

 

一度 目を覚ますと目が冴えてしまうのでまた寝れるかどうか悩むより先に窓の外に人影を見た。

 

「リナちゃん!何してるのこんな時間に!」

「お、おー ホタル。

悪ぃ。起こしちまったか?」

 

部屋数の都合上、蛍とリナは一緒の部屋で寝ることになった。

 

「リナちゃん 寝れないの?」

「いや、寝るには寝たんだがなんか起きちまって、それで外の空気でも吸おうと思ってよ…………。」

 

リナは部屋のベランダに出て里の風景を眺めていた。そこに街灯のような灯りは無かったが、それでも月明かりで十分に見ることが出来た。チョーマジンが暴れて所々荒れてはいるが確も綺麗な風景かそこにはあった。

 

「……………綺麗だね。」

「お、分かるか? ここは俺達 龍人族がずっと守り続けてきたんだぜ。」

「…………そうなんだ………。」

 

まだ龍の里に来て一週間程度しか経っていないのにまるで産まれてから今日までずっとここで生きてきたかのような感慨深さがそこにはあった。

 

「なぁ蛍、一つ聞いていいか?」

「ん? 何?」

「お前はさ、何で その戦ウ乙女(プリキュア)っつーやつになろうと思ったんだ?」

「! ………………………。」

 

少しの間 俯いて頭の中で思考をめぐらせ、そして口を開く。

 

「……私ね、異世界からこの世界にやってきたの。」

「それはジジィに聞いたぜ。 それで?」

「それでね、私が死ぬ所だったのを助けてくれた女神様がいたんだよ。」

(女神? ジジィが話してたギリスマスターと一緒に居たっつー あいつか……………?)

 

「その後で私、チョーマジンが暴れてるのを見たんだよ。それで分かったの。

私が戦ウ乙女(プリキュア)になってそうやって苦しんでる動物や人達を助けなくちゃいけないって。」

「………………!」

 

 

『龍の里をチョーマジンから守る』という大義名分を背負って戦ウ乙女(プリキュア)になった自分と違って目の前にいる彼女は自分の利益など度外視しただ『助けたい』というその思い一つでこれまで戦っていたのだ。

『故郷を守りたい』という思いを譲る気は無かったが、それでも蛍は自分以上に強い思いを背負っているのだ。

 

「………なぁ 蛍よ。」

「ん? どうしたの?」

「一つ 約束してくれねぇか?

あのヴェルダーズってやつをぶっ飛ばしたらよ、龍神武道会の決着、ちゃんとつけてくれよ。あのダルーバってやつは大会を棄権したからよ。」

「! ………………………分かった!約束だよ!」

 

蛍とリナは互いの拳を合わせ、いつの日か武道会の続きをやることを誓ったのだ。

 

 

 

***

 

 

次の日は龍の里の復興を手伝い、そして翌日 出発の時がやってきた。

 

ハッシュとリナとヴェルド

リルアとミーアとカイとマキ

ギリスと蛍とフェリオとエミレとタロス

 

ギルドはこの3組に分かれた。

 

「これより三組に分かれて作戦を開始する!!総員 無事に戻ってこい!!!!」

『おぉぉお!!!!!』

 

ギリスの気合を入れる言葉に全員が拳を揚げた。この三日間を共にしたことでギルドの士気は一つになっていた。

 

そしてリナは出発する前にリュウ そして龍の里全員に最後の挨拶をする。

 

「それじゃあジジィ ちょっくら行ってくるぜ!!!」

「うむ。お前が選んだ未来()じゃ。

失敗してもいい。絶対に悔いは残すで無いぞ。」

「おう!!!!」

 

最後の挨拶としてはあまりに短かったが、家族の間に交わされるのはそれだけで十分だった。

 

「ギリスよ わしの孫の力 存分に使ってくれ給えよ。それにいざとなればわしらもここにいる選手達も喜んで力になってくれるわ。」

「おう。その時は頼らせて貰うぞ。」

 

名残惜しさはあるがリナは早く出発したかった。そう出ないと流さないと決めていた涙が零れてしまいそうだからだ。

 

「………それじゃリナちゃん 行こうか。」

「おう!!!!」

 

涙を押し込めて笑顔で己を鼓舞し、龍の里を後にする。その歩みには最早 微塵の迷いも無かった。

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