転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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138 裏切り者の証拠を掴め! キュアフォースの大疾走!!

「………リナ隊員? どうされたんですか?

それにその格好は一体……………?」

 

サディンが肩を掴んで問い掛けるもフォースは反応できなかった。彼女の頭の中では様々な思考が渦巻いていた。

 

キリュウはハッシュと協力してアルカロックで発生したチョーマジンを退治した。

勇者の影魔人(カゲマジン)はキリュウを殺すつもりで斬りかかった。

そしてサディンはこれからチョーマジン退治に加勢すると言っている。

 

そこからフォースの頭の中で導き出される答えは確証こそ無いが一つしかない。

 

(………そういう事かよ チクショー!!!

まだ何一つ証拠は無ぇが とにかく行くっきゃねぇ!!!!)

 

「サディンさん 悪ぃが退いてくれ!!」

「えっ!!?」

 

失礼を承知の上でフォースは半ば強引にサディンを引き剥がして下の階の方向に走り出す。その間に通話結晶を取り出してハッシュ達に連絡を図る。

 

(………あのパチモン共と戦いながら出てくれるとは思えねぇが出てくれねぇか!!)

 

 

 

***

 

 

 

ハッシュとヴェルドはフォースの帰りを待ちながら二人の影魔人(カゲマジン)の猛攻から監獄を守っていた。

 

『!』

 

ハッシュの懐の通話結晶が光った。咄嗟に後ろに飛んで影魔人(カゲマジン)との距離を取り通話できるだけの時間を稼ぐ。

 

『おお! 出てくれたかハッシュ!!

俺だ フォースだ!!!』

「フォース!! 今どこにいる!? こっちに戻れそう!?」

 

『……ハッシュ 悪いがそっちには戻れねぇ。それよりも重要な事ができた。』 「?」

『そっちも時間がねぇだろ?だからケツから簡潔に言わせてもらうぜ。

裏切りモンの正体が分かった。』

「!!!!? 本当に!!? 誰なの!!!?」

『ああ。 裏切りモンは署長だ!!

あのマーズってやつがそっちのパチモンやボンボンをバケモンに変えてやがったんだよ!!!』

「!!!!」

 

アルカロックという市民を守る砦の長があろうことか世界を脅かす敵と通じていた。

その事実はハッシュに軍人として衝撃を与えた。

 

「………その推理、信じていいんだね?」

『まだ証拠が何一つねぇからこれからそれを掴みに行く。だが確実に俺の考えは正しいって胸張って言えるぜ。

だからお前らにそっちのバケモンを任せてぇ!!

頼めるか!!?』

「分かった!」

 

そう伝えてフォースは通話を切った。

 

「ハッシュ!! フォースはあとどれ位で戻ってこれる!?」

「………ヴェルド フォースは戻って来れないって言っていたよ。」 「!?」

「フォースが裏切り者の正体に気付いた!」

「何!? そりゃ誰だ!!?」

 

「フォースはマーズ署長だと考えてる!! 今 署長室に向かって走ってるんだ!!!

ヴェルド ここは僕達二人で食い止めるよ!!!」

「そうか!! そういう事ならやるっきゃねぇな!!!」

 

三対二で辛うじてチョーマジンを超えた影魔人(カゲマジン)達に善戦できていた。それが二体二になって戦況は悪化した。

しかしそれでもフォースは勝利に向かって走っている。

 

その条件はこの二体の影魔人(カゲマジン)を食い止める事なのだ。

 

 

 

***

 

 

 

「…………ここが4階で………………

次の階段は………………あっちか!」

 

フォースは依然としてアルカロックの中を走り回っていた。複雑に絡み合った階段に戸惑いつつも少しずつ署長室に近づいている。

 

「……しっかし何だって人っ子一人居ねぇんだ…………?!」

 

既に地下2階 そして3階と進んできたがアルカロックの中に五万といるはずの刑務官の姿が一人も見えないのが不審に感じられた。

それでもフォースに出来る事は署長室に向かって歩を進めるだけだ。

 

(………今になって考えたらやっぱ裏切りモンはあのショチョーしか考えらんねぇな。 もしキリュウさんやサディンさんが裏切りモンならとっくに背中から殺られてるハズだぜ。)

 

「!」

 

再び 獄内の牢屋がある通路に差し掛かった。

元々この通路が暗くてよく見えないのと、中の囚人が疲弊しきっているためか刑務官と思って戦ウ乙女(プリキュア)の姿のリナには目もくれない。

 

「……………?」

 

次にフォースの耳に入ってきたのは沢山の足音がこちらに向かっている音だった。

1階に影魔人(更に強力な魔物)が現れた事で刑務官達が加勢しに来たのかと思った。

 

 

しかしそれは間違いだった。

 

「…………………………………………

!!!!?」

 

フォースは自分の目を心から疑った。

通路奥の闇から走ってきたのは通路を覆い尽くす程の大量のチョーマジンだったのだ。


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