転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
フォースは全力で通路の中を走っていた。その最中にも頭の中で思考を巡らせる。
(署長室があったのが7階でそこからよじ登って来たからここは6階だよな………。
必死で逃げる事ばっか考えてたからつい走っちまったけどあのまま上の穴まで跳んでった方が楽だったな 失敗したぜ…………。)
今更引き返す訳にはいかないので今のフォースに必要な事は地下5階への階段を探す事、そしてチョーマジンを堰き止めている土の壁がある通路とは別の道を探す事だ。
「……随分と余裕をこいているな?」 「!!」
後ろを見るとマーズの前方の巨大な紫色の腕がフォースに向かって伸びて来る。
「貴様には端から逃げ場などない!!!!」
「!!!」
フォースの身体を覆い尽くす程の大きさの掌が眼前へと迫って来た。
***
暗く物静かな筈のアルカロック 地下6階を襲った巨大な紫色の拳
あまりにも奇妙なその一件について アルカロック 地下6階の受刑者の一人がこう証言している。
受刑者 デイモンド・アキナス (38)
罪状:強盗 公務執行妨害
刑期:懲役 11年
「ゲルです。
バカデカいゲルが通路を覆い尽くしたんですわ。
はい。最初は小さな足音でした。檻ん中でうとうとしてたら聞こえてきたんですよ。
最初は刑務官が誰かを追ってるんだと思いました。それで檻の外を覗いたら 私はね、自分の目を疑いましたよ。
だって奇抜な格好した姉ちゃんが必死こいて走ってたんですよ。信じられます?この監獄の中をですよ?
その直後でした。 その姉ちゃんのすぐ後ろから大量のゲルが流れ込んできたんです。まるで津波かと思っちゃいましたよ。 で そのゲルがね、ぶち込んで来たんですよ。俺がいた向かいの檻にね。
そこがどうなったかですって?
それは暗くて良く分からなかったですけど酷かったですよ?
格子は溶けるは 腐い匂いは立ち込めるは 中にいた奴らは泣き叫ぶはでもうめちゃくちゃだったんですから。」
***
「………………!!!!!」
猛毒の拳をかろうじて躱したフォースだったが、頭の中に衝撃が走っていた。
(一発で鉄格子をドロドロに溶かしやがった!!!
しかも中にいた奴らもろとも攻撃しやがるなんて…………!!!)
「…………うぅ…………!!!」 「!!!」
溶かされた鉄格子の奥から出てきたのは全身を猛毒で犯されて苦しみ悶える囚人達だった。
地面を這いながら声にもならない声を上げて何も無い空中に手を伸ばす。
「………猛毒に犯されて苦しみ悶えるとは 正しく
「テメェ……………!!!!」
囚人に気を取られて足を止めたフォースの元へマーズが悠々と近付いてくる。
「さっきまで逃げ惑っていたというのに まさか会ったことも無い人間に情が移ったのか?」
「目の前でこんなに苦しまれたら嫌でも情くらい移るわ ボケが!!」
マーズは依然として全身から大量の毒を分泌している。それだけで彼は最凶の兵器へとその身体を変える。
「ハッシュの所まで逃げるつもりでいたが気が変わったぜ。 ここでテメェをぶっ倒してやる!!!」
「威勢がいい事だ。自分の里を守る程度の覚悟しか持ち合わせていない貴様に 我々を敵に回す事がどういう事かを教えてやろう。」
「………ハッ。 イキってんじゃねーよ このクソオヤジが。」 「?」
「テメェはその毒にかまけてるだけのただの雑魚じゃねぇか!!!そいつさえ対策できりゃテメェなんざ俺の敵じゃねぇんだよ!!!!」
フォースの怒声をマーズは涼しい顔で聞き流している。
「……そう思うのか。 ならば」
「…………………!!!?」
マーズの全身から毒が引いていく。
「毒無しで貴様を打ち倒してやろう。」
「……………!!!
舐め腐ってんじゃねぇぞ。 負けた時の言い訳が出来んのはルールに守られた試合だけなんだよ!!!」
「言い訳? そんな事をする必要は無い。
何故なら、」 「!!?」
マーズの両手に紫色の魔法陣が発生した。
「毒以外は全て駆使して戦うからだ。」
《
次の瞬間、両側の通路の檻から大量のチョーマジンが檻を破って出てきた。
「……野郎………………!!!
端からそれが狙いだったのかよ…………!!!」
「私は今までこのアルカロックからチョーマジンを生み出すのを控えめにやっていた。何故かわかるか?
今日この日
マーズの周囲には大量の人型のチョーマジンが現れ、陣形を取ってフォースを狙っている。
「ちなみに言っておくと、貴様が地下4階で堰き止めたチョーマジン達も たった今こっちに向かっている。」 「!!!!」
「もう完全に逃げ場は封じた。
今度こそ貴様は袋小路に嵌ったのだ!!!!」