転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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16 ハッシュの解呪(ヒーリング)! 星聖騎士団(クルセイダーズ)の目的!!

「……任せる……?」

ハッシュはブレーブにそう言ったのだ。

 

「そうだよ。君の解呪(ヒーリング)の力を僕が使うから。」

『そんなの無茶ファ!!解呪(ヒーリング)戦ウ乙女(プリキュア)しか使うことの出来ない固有贈物(ユニークギフト)なんだファ!!!

それに今のブレーブには少しの解呪(ヒーリング)しか使えないのに、それで何が出来るっていうんだファ!!!』

 

 

「……"体内に撃ち込める"としたら?

体の中にその少しの力を効率良く流し入れられるとしたらどう?」

『そんなことできるわけが……!!』

「いいからぼくに任せて。」

 

そう言ってハッシュはブレーブを下ろした。

戦ウ乙女(プリキュア)、僕の手を握ってそこに解呪(ヒーリング)の力を!」

「……わかった!」

 

 

解呪(ヒーリング)!!!!

 

ブレーブは自分の力がハッシュに伝わっていくのを実感した。

しかし、本当に彼が解呪(ヒーリング)を使えるのか、そして体内に撃ち込めるのか と半信半疑ではあった。

 

「……よし。 ありがとう。

やつもそろそろ起きてくる。」

 

チョーマジンは意識を取り戻し、ハッシュに狙いを定めた。くちばしでハッシュの心臓を撃つつもりなのだ。

 

チョーマジンのくちばしによる突進攻撃をハッシュは屈んで躱した。

そしてがら空きになった腹にたった今ブレーブから受け取った解呪(ヒーリング)を乗せた掌底突きをカウンターで食らわせた。

 

少しの間そのままだったが、すぐに変化は訪れた。

まずチョーマジンの口や目からピンク色の光が溢れ出た。そしてチョーマジンの表情が苦しそうな表情から昨日と同じようにやすらいだ表情になり、いつの間にかそこには普通の鳥しかいなかった。

 

ブレーブもフェリオもその一部始終を半ば呆然と見ていた。彼は今あのごく少ない解呪(ヒーリング)の力でチョーマジンを浄化して見せたのだ。明らかに自分より戦ウ乙女(プリキュア)の力を使いこなしている。まるで予め知っていたかのように。

 

「…どう?これがチョーマジンのちゃんとした対処の仕方でしょ?

さしずめ名前をつけるなら、

 

《プリキュア・ヘラクレスインパクト》

 

ってところかな?」

 

ハッシュは口にうっすらと笑みを浮かべて得意げにそう言った。

 

「おい、チョーマジンは終わったのか?

だったら答えて貰うぞ。貴様は誰の差し金だ!!?」

「差し金だなんて人聞きの悪い。さっきも言ったでしょう?僕はあなたがたに接触を命じられて来ただけだと。」

 

「だから何で俺の正体や戦ウ乙女(プリキュア)のことを知ってるのかと聞いているんだ!!百歩譲って俺の正体はいいにしても蛍はまだ戦ウ乙女(プリキュア)になって間もないし、人前で変身もしていないはずだぞ!!!

それなのになんでお前が知っているんだ!!!」

「ちょっとギリス 落ち着こうよ!」

 

「総隊長は自分の名前を貴方に教えたらそれで全て分かってくれると言っていました。

詳しい話は都市に戻ってからにしましょうよ。今頃ギルドは困惑しているはずですよ。」

「あぁ!そうだった!早く戻らなくちゃ!!」

 

蛍はそう言ってギリスを半ば強引に都市へと引っ張って行った。

 

 

***

 

 

「……にわかには信じられんな。突然発生した魔物を君らが早急に対処したなんて。」

 

蛍達はギルドの署長に突然離れたことをわび、その理由を1から10まで説明した。

 

「しかしこの【映像結晶】にはちゃんと記録されている。」

 

その結晶の映像はギリスによって改ざんされ、蛍は変身せず青年姿のギリスがチョーマジンを退治したという内容に書き換えられた。蛍が戦ウ乙女(プリキュア)だとばれたらどうなるかわからないからである。

 

「…これはまた報酬を払わねばならんな。」

「それは向こうでやる。」

 

「それで、もう行くのかね?」

署長が寂しい感情を押し殺して蛍達に聞いた。

「いえ。こんなドタバタした状況なので明日にしようと思っています。」

これは蛍とギリスが話し合って決めておいたことだ。

 

「じゃあそろそろ失礼するぞ。人を待たせているんでな。」

「そうか。この町を出る時は一言声をかけてくれ給えよ。」

「わかっている。」

 

そう言って蛍とギリスは署長室を出た。

 

***

 

「終わったの?」

扉の前でハッシュが待っていた。

 

「…じゃあ話はどっかに座ってやろうか?」

「わかった。」

 

 

蛍とギリス、そしてハッシュは机にそれぞれ座った。

 

「でも変じゃない?ハッシュって有名な軍隊の隊長なんでしょ?それにしてはみんなまるで知らないみたいな反応だったけど」

「僕は世間に顔を出していないんだ。

現に僕があのレストランでボランティアとして働いていても誰も何も言わなかったでしょ?」

 

「いい加減答えて貰うぞ。

一体俺たちになんの用があるというんだ?」

 

「そうだった。

僕は君たち【勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)】と僕達の【星聖騎士団(クルセイダーズ)】との対等な協力関係を結ぶための交渉人として来たんだ。」

「協力関係!!?」

 

「…分からないな。俺たちはヴェルダーズを倒すために動いているんだぞ。そんな俺たちと協力してお前らになんの得があるっていうんだ?」

「それは僕達 星聖騎士団(クルセイダーズ)もヴェルダーズやチョーマジンと相手をしているからなんだ。」

 

「…それから、なんでお前たちが俺の正体や戦ウ乙女(プリキュア)のことを知っているんだ?そんなこと、あのラジェルと昔の俺を知ってでもいないと説明がつかないぞ。」

 

「じゃあこれから総隊長の名前を言うよ。あまり大きな声では言えないから良く聞いて欲しい。」

 

 

 

「【ルベド・ウル・アーサー】

 

それが僕達星聖騎士団(クルセイダーズ) 総隊長の名前だ。」


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