転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「………………!!!」
ハルネンは依然としてフォースとマーズの激闘を見ている事しか出来なかった。ポーションを渡すという当初の目的は達成出来たものの、出だしが出来ない自分を嫌でも恥じてしまう。
「!」
不意に自分の懐の通話結晶が光ったのを目の端で捉え、マーズの目を盗んで応答する。
「こちら、ハルネン・バングルナイフ!!」
『ハルネン副署長ですか!!?
こちら、アルカロック地下1階です!! 報告します、ハッシュ・シルヴァーン隊長が怪物にされていたユージン 並びにエドギアを撃破!!
現在、下層に向かっています!!』
「!? あの二人を!!?
そいつらは今どうなっている!?」
『気を失っていますが念の為に鎖で拘束しています!! ですが現在地下1階には怪物の襲撃は無く、獄外への脱走者は一人もいません!!』
「そ、そうか!
私は今屋上でリナ氏の援護を試みている!!
君たちはそのまま地下1階の警護に
ッッ!!!?」
通話の途中でハルネンの背中を衝撃が襲った。
倒れる勢いで手から水晶がこぼれる。
「……うぐっ……………?!
!!? リ、リナ氏!!? 大丈夫ですか!!?」
「…うす………!! 大丈夫ッス……!!
けど、」 「!!」
ほっとしたのも束の間、ハルネンの目に入って来たのは悠々と近付いてくるマーズの姿だった。 その両の拳は濃い紫色で染まっている。
「……思っていた以上にしぶといな。
私の猛毒を前にしてここまで粘ったのは貴様が初めてだぞ。」
「……しぶといのはテメェのその毒も同じだろうがよ!! そんなにドバドバ出してんのによ!!!」
「そのドバドバ出ている毒に触れておきながら全く効いていないようだが?貴様のその
「………ヘッ! そいつァどうも。褒め言葉として受け取っとくぜ。(今俺の中にある一人半 分の
思考を巡らせる最中、マーズが一気に距離を詰めて二人に襲いかかった。ハルネンを危険にさらさない為に横方向に飛んでマーズを誘い込む。
「どうした!? そんな悠長な事で大丈夫なのか!!?
貴様の
「……………ッッ!!!
(クソが!! あの5分くらいしかねぇってのにあと一歩が攻めきれねぇ!!!)」
飛んでくるマーズの猛毒を纏った拳は
そして何よりフォースの心を乱したのはマーズの表情が余裕の笑みを浮かべていた事だ。
(クソが!! クソが!!! クソが!!!!
どうすりゃ良いってんだ!!!!)
***
戦闘の最中 フォースの頭の中に浮かんだのは龍の里でリュウに言われた事だった。
「………『立体的に使え?』
どういうこったよ そりゃあ。」
「そのままの意味じゃよ。
武道会 そして戦場でも使える方法じゃ。平面的でなく立体的に物事を見るのじゃ。
さすれば暗がりにも道が開ける。」
「???」
***
(…………!!!
ジ、ジジイ もしかしてそういう事なのか!?
この場を立体的に見ろって事なのか!?)
「!!!」
その瞬間、フォースの頭に一筋の光が走った。
この状況を打開する作戦が頭に浮かんだのだ。
そしてハルネンはマーズの目を盗んで再び水晶を拾い上げ、そして通話に出ていた。
「こちらハルネン!! 何があった!?」
『こ、こちらアルカロック地下1階!!
たった今 獄内の壁から毒液が染み出し、ヒビが入っています!!!』
「何!!!?」
ハルネンの驚く声を聞いたマーズが悠々と口を開く。
「……そうか。ようやく
地下1階は間もなく崩壊するのだ!!!」
「そ、そんな………!!!」
ハルネンの表情が絶望に染っていく度にマーズの表情は対照的に嘲るように歪んでいく。
「どうせ今 貴様は心の中で私を『卑怯』とでも罵っているのだろうが、冥土の土産に教えておいてやろう。
『卑怯』なんて物が試合の外に出る事は決して有り得ないのだ!!!」
「…………ハッ。」 『!?』
「なぁに今更な事言ってやがんだ。
俺ァ一度だってテメェを『卑怯』だなんて思ってねぇよ。」
「………………?!」
フォースは勝ち誇ったような笑みを浮かべてマーズの前に立っていた。
「副署長さん。 地下1階の心配は要りませんぜ。
そこがぶっ壊れる前にカタをつけますから!!!!」
「!!!!?」
***
アルカロック 崩壊まで後 4分30秒
アルカロック 地下1階 崩壊まで後 1分30秒