転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「な、何をするんだよ テメェは!!!!」
フォースはマーズの手を蹴り飛ばし、心臓に毒が完全に注入される事を防いだ。
「………グッ…………!!!
即死は許してくれないか。 やはり
「テメェ……………!!!!」
「……貴様の本心は分かっているぞ。
私とギンズを魔王ギリスの前に突き出して殿下達の情報を引き出そうとした。 違うか?
あの殿下が恐れる程の男だ。私が口を閉ざそうとも頭の中から引き出される位の事はやってのけるだろう。」
口から言葉を発する度にマーズの口から血が吹き出る。既に手遅れである事は火を見るより明らかだ。
「………
「手前の命を投げ捨ててまで そこまでして!!!
あのヴェルダーズって奴はそんなに大切な奴なのかよ!!!!」
「………フフフ。 貴様は根本から思い違いをしているようだな。私達は死ぬ事などこれ程も怖くは無い。それに何も後悔は無い。
「掟!!?」
「絶望を味わった事の無い貴様に説明した所で理解できないだろうが、私達の唯一絶対の掟があるのだ。
『決して人生に悔いは残すな』 とな。
ゴフッ!!!!」 「!!!!」
マーズの口から吹き出た血がフォースの顔を赤く染めた。
「クソが!!! このまま死なせてたまるか!!!
テメェのした事のツケを耳揃えて払わせてやらにゃあ!!!
!!!?」
フォースがマーズの身体を抱えようとした瞬間、吹き出した毒が壁になってフォースの行く手を阻んだ。
「…………『払わせてやらにゃあ』 何だ?
勝った事にはならない と言うのか?」 「!!!」
「………私は此処で死ぬが、この死は ヴェルダーズ殿下の 勝利への導になるだろう。
……キュアフォース、貴様は まだ何も分かってはいない。」
「何!!?」
「………貴様らの長の魔王ギリスの事も、この世界に今何が起こっているかも、何一つな。
産まれてから今まで 里で燻っていた貴様如きでは 乗り越えられぬ壁が これから待ち受けるだろう。」
「……………!!!」
分厚い毒の壁の向こうから途切れ途切れになったマーズの声が聞こえてくる。
それがフォースが聞いたマーズの最期の言葉になった。
しかしマーズの言葉は彼の心の中で続いていた。
(………済まない 同士達よ。
願わくば皆で肩を揃えて殿下の作り上げた世界を見たかった……………。
………私は先に逝っているぞ………………)
***
「!!」
フォースを阻んでいた毒の壁が崩壊した。マーズの[[rb:究極贈物>アルティメットギフト]]が消滅した証だ。
「……………!!!!
何だよテメェ
フォースがマーズに近づく事は無かった。彼が既に死んでいる事が分かりきっていたからだ。
マーズの表情は
そして彼の右手は頭の上にあった。彼は最期に
「………………………!!!!!
ちくしょう!!!! 何でだよ!!!!
何で 俺に負けたテメェが!!! そんな顔をして笑うんだよ!!!!!」
フォースの疑問に答える者は一人として居なかった。 彼女の『悔しい』という声は担当者を失った署長室にこだました。
***
マーズの死から10分ほどが経ち、フォースは彼の遺体を抱えて署長室から出た。その最中にもフォースは疑問に囚われていた。
(………生あったけぇ……………!! これが人が死ぬって事なのか………………。
あの時も、里にあのバケモンが攻めてきた時もこんな事が起きてたってのかよ!!
兄貴!!!)
「あっ………」
必死に廊下を歩いていたフォースはハッシュとヴェルドに気が付かなかった。
「フォース、その様子だと 勝ったんだね?」
「………ああ、
「ってかお前、まだ変身解いて無いのか?」
「ああ。でねぇとこいつを抱えられねぇからな。」 『!!』
フォースは抱えていた遺体を床に下ろした。
「……まんまと逃げられたよ。 この戦いで守れた物はあっても得た物は何も無かった。
それで、上はどうなったんだ?」
「囚人達は心配いらないよ。 フォースが蹴り落とした時に全員 元に戻った。
ただ………………」 「!!」
ハッシュの話では ギンズは
こうして アルカロックの署長 マーズ・ゼルノヴァと刑務官 ギンズ・ヴィクトリアーノ が謎の理由で殉職した という運びとなった。
アルカロックでは怪物から開放された囚人 として勝利した刑務官達が各々の立場も忘れてただ生き残った事を喜び合った。 そして対照的に三人の戦士達は行き場の無い悔しさに顔を歪ませた。