転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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164 戦士リナの迷い…… 戦場と化した監獄

アルカロックの地下一階にハルネン サキュン デスラルン キリュウの四人が集められ、彼らの前にマーズとギンズの遺体が置かれた。

 

「………何から言っていいかは分かりませんが、あなた方のお陰でアルカロックは守られました。本当にありがとうございました。」

 

ハルネンに続いて三人も頭を下げたがリナ達は自分達にはその礼を受ける資格が無い事が分かっていた。アルカロックは既に見る影もない程に破壊されてしまっているからだ。

 

「そんな、()()()なんてとんでもないっすよ。現にここはもうボロボロじゃないっスか。」

「……監獄の方は建て直す他無いでしょう。

それでも ()()() の毒で崩壊していた可能性に比べたら被害は遥かに抑えられました。それに この二人以外は死人は出ませんでしたから。」

「…………………」

 

リナはマーズとギンズの遺体に目を向けた。心のどこかで自分が彼を()()()しまったのではないかと考えてしまう。

 

返す言葉に困るリナの代わりにハッシュが口を開いた。

 

「ハルネン副署長、囚人の方はどうするおつもりですか?」

「囚人は、七階に収監しているような者は残っている檻に収監して、残りは他の監獄を頼って収監するしか無いでしょう。

問題は、沢山いる刑務官達の今後の方で…………」

「なら、彼等を一度 星聖騎士団(クルセイダーズ)で預かりましょう。」

「えっ!? 良いんですか!!?」

「こうなってしまったのは僕達が巻き込んでしまった部分もあると思っています。そのせいで沢山の人を路頭に迷わせる訳にはいきませんから。」

 

ハルネン達は目に涙を浮かべてハッシュを見つけていた。まだ二十歳にも満たない少年の肝は座っていた。

 

「ハッシュ隊長、それなら我々にも力添えをさせて下さい!!」「!?」

「彼らが、()()の裏に誰がいるのか、知りたい!! いや、今世界で何が起ころうとしているのか それを止める手伝いだけでもしなくてはアルカロックの職員として示しがつかないのです!!!」

 

「………………!!

その気持ちはありがたいですが、僕の一存では決められません。ルベド総隊長に相談をしなくては。」

「! そ、そうですよね。

取り乱してしまいました。」

 

ハッシュ そしてリナは仕方の無い事だとなだめた。自分が信じてやまなかった署長には裏切られ、更に監獄は半壊しこれからの見通しも立っていない彼の心中は察するに有り余る。

 

「………取り敢えずは総隊長に報告をします。

後日 アルカロック 再建のための応援を手配しますので。」

 

そう言ってハッシュは懐から結晶を取り出して星聖騎士団(クルセイダーズ)の本部に繋ぐ。

 

「こちら三番隊 隊長 ハッシュ・シルヴァーンです。」

『ハッシュか!! ルベドだ。』

「ご報告します。監獄 アルカロックの裏切り者を見つけ出す事に成功 並びに怪物に変えられた囚人達の安全を確保しました。死人は出ていません。

しかし裏切り者は自刃してしまい、情報を引き出すのは不可能と思います。」

『……そうか 分かった。

よくやってくれた。死人が出なかっただけでも儲けものだ。

一先ず帰還しろ。詳しい話は本部で聞く。

直ぐに迎えの船を送る。』

「助かります。 それで、他の皆は?」

『お前達がそっちに行ってまだ三時間も経っていないからな、どっちも出発していない。』

「分かりました。それでお願いがあるのですが、

彼女、 リナ・シャオレンは本部で休ませてはくれませんか?裏切り者との戦闘でかなり負傷していますので。」

『もちろん分かっている。』

 

ルベドとの通話はそこで切れた。

 

 

 

***

 

 

三十分が経ち、迎えの船がアルカロックの港に着いた。

 

「では、僕達はこれで失礼します。

裏切り者の捜索へのご協力 ありがとうございました。」

「とんでもないです。お礼を言うのは私達の方ですよ。今こうしてアルカロックがあるのも私達が生きているのもあなた方のお陰です。

ハッシュ隊長 リナ氏 ヴェルド氏

本当にありがとうございました。」

「……………………!!」

 

ハルネン達が純粋な気持ちで下げる頭にリナは内心で戸惑った。自分がそれを受けるに値するのか分からなかったからだ。

そして何も言わずに三人は踵を返し船へと歩を進める。

 

 

「………なぁハッシュ、一つだけ聞いていいか?」 「?」

「あの裏切りモン マーズはよ、死ぬ時に笑ってやがったんだ。なのに俺ァ勝ったってのにこんなにも後味悪い思いをしてる。里にいた時と試合でもこんな気持ちにゃならなかったってのによ。

アイツらがそこまでして命を賭ける理由 お前に分かるか?」

「………それは分からないけど 一つだけ言えるなら、《試合》と《戦闘》は似ているようで根本から違っている って事かな………。」

「……だろうな…………………。」

 

アルカロックの裏切り者は見つけ出し、死人も出さなかった。成果としては申し分無いはずなのに、『もう少し上手く出来たのではないか』という後ろめたさがリナの背中に染み付いて離れなかった。

 

 

 

***

 

 

リナ達が船に乗ったのと同時刻 ヴェルダーズの耳に一報が入った。

 

「………ヴェルダーズ陛下 ご報告します。

マーズ・ゼルノヴァ様 並びにギンズ・ヴィクトリアーノ様が殉職されました。」

『………もちろん分かっている。

セーラ、お前はこれをどう捕える?』

「……非常にまずい事態だと思います。」

『確かに素人目にはそう映るだろうな。 だが違う。これは契機だ。

すぐに皆を集める。 これより作戦を次なる段階に移す。』

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