転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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豪華客船 グランフェリエ 編
167 監獄争乱のその後! 再起を誓うリナ!!


リナ達を乗せた船は問題無く星聖騎士団(クルセイダーズ)の本部へと向かっている。その最中にもリナは頭の中で考えを巡らせていた。そして何よりも決意が簡単に揺らいでいる自分自身を大いに恥じた。

 

(…………ちくしょう!! 情けねぇ!!

ジジイや里のみんなにあんなに大見得切ったってのにこの体たらく!!!

それにあんなに簡単に人が死んじまうなんて!!

もう戦える気がしねぇよ……………!!!)

 

リナは船の甲板で一人 頭を抱えている。

そしてその様子をハッシュと小型に戻ったヴェルド そして護衛に来たハニが後ろから見つめている。

 

『………リナちゃん、船が出てからずっとあの調子だけど、そんなに悲惨な戦いだったの?

囚人や刑務官達から死人は出なかったんでしょ?』

『うん。だけど生け捕りにしようとした署長が自分の目の前で自害してしちゃって。それがかなり堪えてるんだと思う。

やっぱり訓練も受けてない女の子をいきなり戦場に送り込むのはまずかった。取り敢えず本部に着いたら僕が安全を確保して休ませるよ。それでどうにかなるとは考えにくいけど。』

 

ヴェルドは二人の会話を黙って聞いている事しか出来なかった。解呪(ヒーリング)を使えない自分の立場からすればリナの存在は必要不可欠だが、彼女の事を考えると一概に言い切れない。

その上でヴェルドはハニに新しい話題を振る。

 

『………なぁハニよ。この事は本部の奴らは知ってんのか?』

『もちろんだよ。それで総隊長が 『二人の遺体は魔力を通してヴェルダーズの情報が出てこないか調べた後で火葬する』って言って。

まぁ調べても何も分からないだろうけど。』

『そりゃそうだろ。それでしっぽが掴めるならとっくの昔に解決してる。』

 

マーズとギンズの遺体は船に乗せて本部に送られる。海を進む30分が行きよりも遥かに長く感じられた。

 

 

 

***

 

 

「ハッシュ・シルヴァーン隊長 リナ・シャオレン殿!!

ご無事で何よりです!!!」

 

港に着くと隊員の一人がリナ達を出迎えた。しかしリナはそれを素直に喜ぶ事が出来なかった。

 

「激戦でお疲れでしょう。

さぁ早く本部へ! 総隊長もお待ちしております!!」

 

三人は首を縦に振って本部へと歩を進める。

その時にリナがハッシュにしか聞こえない程の小声で呟いた。

 

『…………なぁハッシュ、』 『!』

『さっきの話、聞こえてたぜ。

心配しなくても俺はこの戦いから下りる気はねぇよ。出なきゃジジイや兄貴達に格好がつかねぇからな。

………だから一つだけ頼んでいいか?本部に着いたら里に繋いでくれねぇか?

ジジイの、みんなの声が聞きてぇ。』

『………………!!』

 

ハッシュはフォースの肩に手を回し、そしてヴェルドも彼女のそばに寄って『もちろん』という気持ちを伝えた。

 

 

***

 

 

 

「ハッシュ、そしてリナ。

まずは無事に帰還してくれた事を良かったと思おう。」

「ありがとうございます。」

 

ルベドの前でハッシュとハニが頭を下げ、それに合わせてリナも頭を下げる。

 

「特にリナ。君のおかげで裏切り者を見つけ出せただけでなく、アルカロックから死人が出る事を防げた。

心からお礼をさせて欲しい。」

「……………………!!」

 

リナは思わずルベドから目を背けてしまった。自分にはその礼を受ける資格が無いと心のどこかで思ってしまっている。

 

「………もしかして生け捕りに失敗した事に負い目を感じているのか?それなら問題は無い。

元々は僕達で調査に行く予定で、戦闘になれば少なくない犠牲は覚悟していた。

むしろ被害を抑えたんだ と胸を張ってくれて構わない。」

「…………」

 

リナはルベドの言葉を救いにしようと試みたが素直に受け取るにはどうしても時間が足りなかった。まだ頭の中にマーズの死 そしてその()()()な死に顔が焼き付いている。

 

「それでハッシュ、裏切り者は二人で間違いないのか?」

「はい。

二人の遺体は隊員にこっちに運んでもらっています。もうすぐこちらに着きますのでその時はよろしくお願いします。」

「調べた後に火葬する だったな?もちろん任せろ。

………で お前は二人の死をどう考える?」

「………奴らの頭数は減らす事が出来ましたが、士気までは下げられないと思います。

総隊長やギリスが手を焼くような奴が選び出した者達がこれくらいで精神的なダメージを受けるとは考えにくいと思います。」

 

ルベドは険しい表情で一度 頷いた。状況が好転しているようには考えられないからだ。

 

「ところで総隊長、一つお願いがあります。

彼女を、リナを少しだけ休ませてはくれませんか?

もちろん貴重な戦力である彼女を長期間休ませて欲しいとは言いません。ですがせめて 他のみんながここに戻って来るまではこの本部で治療や休息を取らせて欲しいんです。

お願いします。」

 

僭越を理解の上でハッシュは頭を下げた。

それは既にリナの事を労る感情が芽生えていた事も理由の一つである。

 

「……………頭を上げろ ハッシュ。」 「!」

「そんな事を僕が予測できないとでも思ったか?既に身体や精神治療の準備は整えてある。

考えてもみろ。 軍人の訓練をまともに受けてもない彼女が戦場から戻って来てまともでいられると思うのか。」

「……………! いいえ。」

 

ハッシュはリナの方を見た。その目は少しだけ救われたように見えた。

 

「リナ、他に何かして欲しい事は無いか?

君は僕達の為に命を掛けて働いてくれた。遠慮は要らない。」

「…………………。

じ、じゃあ龍の里に通信を繋いで下さい。一度ジジイの みんなの声がききたいんです。

それが済んだら俺はまたあんたらの為に戦えますから。」

「それで良いのか。 なら直ぐに用意出来る。

あそこには復興の為に十番隊を向かわせてあるからな。」

 

 

 

***

 

 

リナがハニに連れられて個室に行った後、ルベドとハッシュは会話を交わした。

 

「総隊長、他のみんなはもう出発したんですよね。」

「ああ。お前達と入れ違いでな。警戒するべきはグランフェリエだろうな。

あそこも動き安さを考えてだが手薄にしてしまったからな。」

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