転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
17 勇者からの招集! いざ星聖騎士団(クルセイダーズ)の本部へ!!
「……ルベド・……ウル・アーサー………?」
ガタッ!
「ひっ!?」
ギリスが机を叩いて立ち上がった。
「デタラメを言うな!!!
あいつはとっくの昔に死んでるはずだぞ!!!」
「……フェリオ、知ってる……?」
「いや、どこかで聞いたような気はするファけど……」
「ルベドは大昔、俺が魔王になりたての頃に競り合った世界最初の勇者なんだ!!」
「勇者? 人間ってこと……?」
「そうだ!!だからおかしいと言ってるんだ!!人間のあいつが今も生きてるはずがないだろ!!!」
「……『バカを言うな。いなくなった君をほったらたして死ねると思うのか?』」
「「?」」
「あなたが驚いたら、こう伝えろと総隊長から言われていた。」
ハッシュがそう言った後、フェリオが手を叩いて、
「あぁ!! 思い出したファ!!!
ラジェル様が昔言ってた自分とギリスの友達だったファ!!!」
「え? ラジェルって誰?」
「蛍が最初にあったあの女神様の名前ファ!」
「へー。 あの人そんな名前なんだ……。」
「それで、総隊長からこれを預かってるんだ。」
ハッシュは内ポケットから何かを取り出した。
「「……手紙?」か?」
「そう。僕も中は読んでない。」
ギリスと蛍はハッシュから受け取った手紙を開いた。
「…間違いない。あいつの字だ。」
「ねぇ、何て書いてあるの?」
親愛なる我が友 ギリス=オブリゴード=クリムゾンへ
まずは復活おめでとう。
まだまだ不自由なところはあるだろうがせいぜいがんばってくれ給え。
ラジェルちゃんから
ちなみに君と僕で作ろうとしていた魔人と人間が共存する世界は不完全とはいえ僕が実現させておいた。感謝し給え。
久しぶりに会えるのを楽しみにしているよ。
ルベド・ウル・アーサー より。
P.S.
お前起きるの遅すぎるんだよ!!!!!
人間年取れば取るほど朝が早くなるものなのに君は身も心もガキになってしまったというのk
グシャッッ
蛍がP.S.を読み終わる前にギリスが手紙を握りつぶしてしまった。
「ちょっと!!まだ全部読んでないんだけど!!」
「あいつめ 最後に本音を全部乗っけてきやがった……。」
ギリスが蛍の訴えを無視してそうボヤいた。
「それで、何か話したいって言ってなかった?友達と会いたいってことでいいの?」
「いや、あいつがそんな与太話で人を呼びつけるとは考えにくい。
考えられるとしたら、何か相談があるとかだろう。」
「ねぇ、ここからその本部までってどれくらいあるの?」
「そんなに遠くはないよ。僕が数時間走ってここに着いたくらいだから。」
「……多分 お前の数時間は俺達には当てにならないと思うぞ。」
彼は走る力も圧倒的だろうからだ。
「ねぇハッシュ、今すぐ出発した方がいい感じかな?」
「さぁ。その辺は詳しく聞いていない。でも僕なら本部行きの馬車をすぐに用意できるよ?」
「じゃあぼちぼち用意して!私達もすぐに支度するから!」
そう言って蛍はギリスの手を引いて走り出した。
「おい!どこに行くんだ!」
「署長室だよ!やらなきゃいけない事ができたじゃない!!」
***
「何!あの
「そうなんですよ〜私達もびっくりしました〜」
蛍は署長に笑ってごまかすかのような返事をした。
「うむ〜、ひょっとしたら君らを傘下に入れようとしとるのかもしれんな。
それなら応じるべきだ。もし彼らの力を得られたら、君らを疎ましく思うものをいなくなるだろう。」
「言われなくともそのつもりだ。」
「……で?用はそれだけかね?」
「いや違う。ランクアップをしたくて来たんだ。昨日は未熟だとか言ったが、そうも言っていられなくなりそうだからな。
俺達はもうランクアップの条件を満たしているんだろ?」
「そういうことなら今すぐ可能だ。
ちょっと待っていろ。」
署長が戻ってくると、その手にカードが握られていた。
【
ギルドランク:C
ギルドマスター:ギリス・クリム
ギルドメンバー
ホタル・ユメザキ
フェリオ
「どこか間違っているかね?」
「いや、問題ない。」
ギリス・クリムとは、ギリスが人間として生活するための偽名である。
「じゃあそろそろ行ってきます!」
「おう。気を付けてな。」
蛍達はギルドを後にし、ハッシュが用意してくれた馬車に乗った。
「…調べたら3時間くらいで着くみたいだ。それまで休んでていいよ。」
「うん、わかった。
ところでハッシュ、何で
「実は僕、物心着く前からずっと山奥で暮らしてたんだ。そこで家族に魔物に襲われてもいいように体を鍛えるように言われてた。
それを何年も続けた後、山を下りてそこに出た魔物を倒したら、
それが3年くらい前で今そこの隊長をやってる。」
驚異的な筋力と
「なるほどー。
でも隊長なのに随分アクティブに働くんだね。こういう仕事って兵士にもできそうだけど……」
「僕の三番隊のメンバーは僕だけなんだ。人の上に立てるほどできた人間とは言えないからね。でも1人でなおかつ世間に正体がバレてないからこそ昨日の潜入調査や仲介みたいな仕事が回ってくるのかもしれないけどね。」
「さあ、早く休んだ方がいい。君は
体はもうヘトヘトのはずだよ。」
「わかった。じゃあお言葉に甘えて………」
カーッ カーッ
蛍は目をつぶるとすぐに寝てしまった。
馬車は
その頃ギリスの頭の中はなぜルベドが自分たちを呼びつけるのか
という疑問でいっぱいになっていた。