転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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172 裏切りと陰謀のパーティー! 洋上の惨劇の序章!!

「我がダイフォート財閥も今年で60周年を迎える事が出来ました。これも偏に皆様のお力添えの賜物で御座います。

今宵はこの優雅なグランフェリエのパーティーを ご緩りとお楽しみ下さい。」

 

グランフェリエの中に設けられた広大な会場 その壇上に立ったジームズの開式の言葉の後には拍手喝采が巻き起こった。

それこそ これからヴェルダーズの魔の手が迫るかもしれないという危険性を跳ね除けんばかりのものだ。

 

それを尻目にカイ達四人は余所行きの格好に着替え、固まって小声で話している。

 

『………なぁカイ、今のところ 誰か怪しいヤツを見つけたか?』

『否、怪しい動きをしている人間はいない。

だが 先刻目星を付けた七人の居場所は把握した。』

 

この会場には九つのテーブルがあり、一つ一つに様々な料理が置かれている。

 

『見ろ、最初のカウェルという男は向こう奥の1番テーブル、ミーフェイとゴルゴンはその隣の2番テーブルで食事を取っている。

次にドルダは4番テーブル、リヴィとリギムは7番テーブル、

そしてドクタフは9番テーブルだ。

無論だがこの七人以外の乗客の容疑も晴れた訳では無い。くれぐれも目を離すなよ。』

『分かってる。』

 

カイ達を囲む乗客は皆 笑みを浮かべて料理を食べながら各々の話をしている。この中の()()()()()全員がこれから怪物騒ぎが起こる(かもしれない)という事など知る由もないのだ。

 

『ではこれより手筈通りに行くぞ。

私とリルア殿は今挙げた七人を中心に乗客の動きを見る。だからミーアとマキはジームズ殿とその家族に近づく輩が居ないか見張っていろ。』

『分かったッス!』 『了解!』

 

料理のテーブルを移すふりをしてミーアとマキは持ち場を移動する。ミーアはジームズの娘のレマ、マキは妻のルミナリエの背後についた。

他の乗客に怪しまれないように適度な距離を保つのも忘れていない。

 

(………マキが止まった。 という事は彼女がジームズ殿の妻か。)

 

レマから顔写真を見せられるだけの紹介しかされていなかったが婦人の居場所の把握に成功する。

 

ルミナリエ・ダイフォート

セミロングの艶のある髪と人より高い目鼻立ちが特徴の若々しい女性だ。

 

ルミナリエ婦人、そしてレマ令嬢の周りには様々な乗客が輪を作って彼女たちを囲んでいる。しかしカイ達は既に暗殺に対しては対策を取っていた。

 

(ジームズ殿とその家族には腹と背中に星聖騎士団(クルセイダーズ)から支給された防具を着て貰っている。

尤も、こんな公衆の面前で事を起こす程 連中が愚かとは思えないが…………)

「あのぉ…………」 『!』

 

持ち場に残ったカイとリルアに茶髪にちょび髭を生やした小太りの男性が声を掛けた。

 

「ああ、な なんでしょうか?(この話し方で合っているよな?)」

「いえ、大した用では。

その料理、どこのテーブルにあったんですか?」

「これなら向こうの6番テーブルにありました。」

「そうですか。

ところで、魚人族がこの船に乗っているのは初めて見ましたが、何をなさってるんですか?」『!!』

 

二人は男性の言葉を聞いてはっとした。今のところグランフェリエに発展途上の魚人族や龍人族が乗っているのは見ていない。

 

「いえ、私はしがない冒険者なのですが、この催しの主催者の ジームズ氏とは遠い親戚で、それで是非と誘われたんです。」

「そういう事ですか。

いやぁ私の周りでは魚人族や龍人族は地元愛が強く故郷を出て活動するのは極めて珍しいという良からぬ偏見がありましたので。

ですがここにはそんな目で見るような人間は一人も居ません。お互いに楽しみましょう。」

「そ そう言って頂けて嬉しいです。

それより早く行かないとこの料理、無くなってしまいますよ。」

「あぁ そうでした!

では私はこれで 機会があればまたお会いしましょう。」

 

男性はそう言って足早にカイ達の元を離れた。

それを見届けると緊張が解け二人の口から息が漏れる。

 

『…………フーっ! 危なかったなぁ。もし誰かに私達が護衛で潜入してるって事がバレたら……』

『止めろ! あまり下手な事を言うな!!

賑わっているからと言って誰かに聞かれでもしたら!!

それより問題はあの七人だ。

………今のところ、ただ料理を食べているだけで目立った動きはないな……………

 

にしても、あなたはいつまで食べているんだ!先刻あれほど腹ごしらえをしたというのに!!』

『お前こそ何言ってるんだ。 この場で料理に一切口を付けないなんて怪しまれるに決まってるでは無いか!腹がいっぱいならせめてスープとか飲み物だけでも口にしておけ。』

『…………分かった。』

 

リルアの言い分が間違ってはいないと認めたカイはテーブルに置かれていた魚介出汁のスープを皿によそった。

 

 

 

***

 

 

 

(………なるほど。二人が容疑者を見張り、残りの二人がジームズの家族に危険が無いか警戒する。

一切無駄が無い。 と言いたいところだがそれこそが無駄なんだよ。

ヴェルダーズ陛下はあんな成金の命なんて欲しくもないんだからな。)

 

トレーによそった料理を食べながら乗客の内の()()に扮したガスロドは カイ達の居場所を横目で把握しながら心の中でそうほくそ笑んだ。

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