転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
カイは表面上 『有り得ない』という表現を使ったが、彼は心の中で既に気付いていた。
グランフェリエに出向いた自分達にも既に内通者の手が回っている可能性があるのだ。
「………やはりそのようだ。
この通信妨害魔法の外側に偽の定期通信を寄越す魔法が掛けられている。
だが分からん!奴らはどうやって
「………恐らく、あの時の合同作戦会議の時に奴等の手先が入り込んでいたのだろう。
実は先刻 ルベド殿から連絡があって、本部に潜入された形跡が無いか調べているそうだ。
(これは嘘では無い。まだ内通者が居る事が
「…………!! そうか 分かった。」
リルアも
「つまりルベド殿達は依然として私達が無事にこの船で任務に当たっていると思い込んでいると言う訳だ。」
「くそっ!! なら私がここから飛んで直接ルベドの所に行くしか無いか!!」
「無駄だ。今のリルア殿では彼の本部に行くまで時間が掛かり過ぎる。」
「………! ならお前が行け! お前は魚人族だろう!!」
「それとて同じ事だ。
確かに私は海を早く進む事は出来るが、その速度は陸までは持たん。」
「……………!!
ならこれしか無いか!!!」
「!! リルア殿!!」
リルアは懐からブレイブ・フェデスタルと剣を取り出した。
「《プリキュア・ブレイブハート》!!!!!」
リルアの全身が桃色の光に包まれ、光が晴れるとそこにキュアグラトニーが立っていた。
「リルア殿、まさか!!」
「応ともよ!!! これなら本部までひとっ飛びだ!!!!」
一人の少女が発光し姿を変えた。
その異様な光景に甲板に避難していた乗客達は呆気に取られるが、グラトニーは少しも気に留めない。
「安心しろカイ! すぐに戻ってくる!!!
はあっ!!!!」
グラトニーは床板を傷付けまいと初速は抑えたがそこからは全速力を出してグランフェリエを飛び立った。目指すは
ガンッ!!!! 「ぶへっ!!!!?」 「!!!?」
グラトニーの身体はグランフェリエに張られた魔力に弾かれた。その身体は彼女自身の勢いで船の端に激突する。
「な、何故だ………!!? 何故 出れない……………!!?」
「お、おい……………!!」 「!!?」
カイの声が聞こえる方向に視線を向けたグラトニーは自分の目を疑った。カイの腕がグランフェリエを覆う魔力の
「ど、どういう事だ!!?」
「な、何故 リルア殿が弾かれて私は出る事が出来る…………!!?」
カイはさらに船から身を乗り出した。二人の予想通り カイの身体は何の抵抗も無く船の外へ出ていく。
「! リルア殿!!
ここに魔力で文字が書いてあるぞ!!!
………『リルア・ナヴァストラの出入りを拒み、その代償としてその他全員の出入りを許可する』。」 「な、何だと!!!!?」
かつての魔王であるリルアは 魔法式に魔力で文字を書き込む事である程度の効果を付与出来る事を知っていた。そして強力な効果を付与したければデメリットを課さなければならないという事も。
「ほ、本当にそう書いているのか!?
グッ!!?」
グラトニーは魔力の外に書かれたという文字を見ようとするが、案の定 魔力に阻まれて弾かれ、倒れ込んでしまう。
「しかし分からん!! 連中は何故 私だけを出さないなんて
もしこの船に私以外に空を飛べる人間が居でもしたら…………!!!」
「否、
奴らは知っていたんだ。この船に調べに来る人間の中で空を飛んですぐにルベド殿達の本部に行く事が出来るのは リルア殿、貴女だけだという事を!!!」
「…………!!! くそっ!!!」
グラトニーはリルアの姿に戻り、悔恨の念を床にぶつけた。これで自分達はグランフェリエの中に閉じ込められ、外部に助ける道は完全に封じられてしまったのだ。
「………おいカイ、本当に本部に誰かが潜入していたと思うか?」
「?!! どういう意味だ!?」
「だってそうだろ!!? グランフェリエに行く人選を決めたのはだいぶ後だ!!!
それだけ長い時間潜入者が居て、誰も気付かなかったなんて事があると思うか!!!?」
「!!!」
当時の
彼等の実力を一番良く知っていたのは誰でもないリルア自身だ。