転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
カイはリルアの質問に答える事が出来なかった。ルベドの事はほとんど知らないが、彼の実力は疑いようも無い物だからだ。
「カイさーーん! リルアーーー!」
『!!』
声の方向に振り向くと、ミーアが甲板に上がって駆け寄って来た。その後ろにはジームズとその家族も付いて来ている。
「ミーア! 無事だったか。
聞いてくれ。リルア殿をここから出さないように結界が張られ、外部に連絡を取る事が出来なくなってしまったのだ。」
「な、なんと!!」
カイの告白に反応したのはミーアでは無くジームズだった。カイはジームズの方へ歩き、その両肩を掴む。
「ジームズ殿、貴殿も知っているように今この船は外部からの攻撃を受けて極めて危険な状態だ。だから貴殿達は避難船でここから避難して欲しい!!」
カイの必死さに ジームズは何を言うでもなく首を縦に一回振った。それを見るや否や 通話結構を取り出して乗組員へと繋ぐ。
「おい君、聞こえるか!?
すぐに避難船を一つ用意してくれ!! ジームズ殿とその家族を避難させる!!!」
カイが早口で指示を伝えて数秒後、手早く結晶を懐にしまってジームズ達に向かって口を開く。
「ジームズ殿、たった今避難船の確保に成功した!!
すぐに貴殿達を避難させる!! 港までの護衛は私が受け持つ!!!」
カイの必死さに押され、ジームズ達 全員が一言も発する事無く承諾した。
***
乗組員の連絡では、大人数を乗せられる船は何者かに破壊されておい、残されていたのは数人が乗れるだけの小型の船だけだった。
「ではリルア殿、ミーア、マキ、
ジームズ殿達を送り届けたら直ぐに戻って来る!! だからそれまで持ち堪えてくれ!!!」
持ち前の腕力を以て全力でオールを漕ぐ最中、カイは思考を巡らせていた。
(………ガスロドは大型の船だけを破壊し、小型の船だけを残していた。
つまり、大人数を逃がすのは都合が悪いが奴等の狙いはジームズ殿では無いという事だ、
このまま彼等を避難させ、その足で戻れば何も問題は無い!!!)
***
「………何とか守らなければならんヤツは助けられたな。
あの家族にはすまないが あのまま船に居られたら私達の行動が否が応でも制限されてしまうからな。」
「けどリルア、カイさんが船を出れるならそのままルベドさん達の所までこの事を伝えに行けば良いんじゃないんスか?」
「ダメだ。ここから脚で本部に行くのは遠すぎる。時間がいくらあっても足らない。」
リルアは顔つきを変えてミーアに指示を出す。
カイやルベドが期待していたいざという時の魔王の本領が発揮されているのだ。
「それでリルア、これからどうするの?」
「とりあえず 船内に入る。
とにかく敵はこの中に居る筈だ。一刻も早く見つけださなければ」
『!!!!?』
その瞬間、三人の背筋に寒気が走った。それが何なのかはリルアだけが知っていた。
「な、何すか今の!!!」
「何か、背筋にゾクって走ったけど!!」
「お前達はこれが初めてか。
これが
ヴェルダーズの配下が活動し、チョーマジンが発生した事を知らせる
ミーアとマキがそれを体験したのはこれが初めてだった。
「もう分かってるだろ!?
ガスロドのヤツが乗客を化け物に変えたんだ!!
!!!」
リルアが先陣を切って船内に飛び込むと、そこには大量の人型のチョーマジン そして逃げ惑う乗客達 という光景が広がっていた。
「……………!!!
カイさーーん!!! 戻るっス!!! 敵が、ガスロドが乗客をバケモンに変えちまったんスよーーー!!!!!」
「カイさん………!!!
もう気付かない所まで離れてる…………!!!」
ミーアとマキが船から身を乗り出すと、カイとジームズ達 家族を乗せた船は水平線の彼方まで離れてしまっていた。
当時の二人は知る由も無いが、《
「なんてツイてない!!
カイさん、
「いや、たまたまでは無いのだろう。」
『!!』
二人が振り向くと、リルアが船内から引き返していた。
「リルア、たまたまじゃないってどういう事ッスか?」
「そのままの意味だ。
恐らくガスロドはジームズが、カイがこの船の異変に気付けないくらい遠く離れた時に発動して乗客達をチョーマジンに変える。
そういう手筈だったのだろう。
全く用意周到な男だ…………!!!」
リルアはこの時認めざるを得ないと思っていた。
本来 命に変えても守らなければならないジームズが自分たちの行動を制限する枷になってしまっているという事を。