転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「…………!!」
リズハがカイの背中に抱きつき、二人の身体が淡い光に包まれている。リルアはそれが終わり次第早く船内に戻りたいと思っていた。
作戦を立てている内に時間を浪費してしまっているからだ。
「!」
リズハがカイの背中から離れた。 その表情はさながら『体力の回復に成功した』と言っているようだ。
「リズハ! やったのか!?」
「うん! 想像以上に回復できたよ!!
今なら何体だって眠らせられそうだよ!!」
「そうか 良かった。 で、カイ、お前は?」
「私も問題は無い!確かに多少の疲れはあるが、日々の稽古と比べたら大差は無い。
この程度なら戦える!!!」
リルアはようやく安堵の表情を浮かべた。
カイの表情もまた虚勢を張っているようには見えない。
「よし。これから役割を二つに分ける。
私とリズハ、カイが船内のチョーマジンをどうにかするから ミーアとマキが乗客の中からガスロドを探し出してくれ。」
「「分かった。」心得た!!」
「「ウス!!」了解!!」
「良し、じゃあ行くぞ!!!」
リルアを先頭にして五人は船内に向かって行く。その途中でリルアとミーアは
その後ろ姿を見てカイはリルアがいざという時に活躍してくれる事を心から喜んだ。
***
「うおぉっ…………!!!」
船内に入ったグラトニー達を待ち受けていたのは先程よりも更に破壊された船内、そしてそこで暴れ回る大量のチョーマジンの姿だった。
自分達が甲板でくすぶっていたのは物の数分の筈だが、その時間は船内で暴れるには十分だった。
「リズハ、早速だが行けるか!?」
「待てグラトニー殿!!
ここは私に任せてくれ!! 試したい事がある!!!」
「!!?」
カイがリルアの前に立った。
その手は水で覆われている。《
「何をする気だ お前!!」
「決まっているだろう!! 奴らの足止めをするのだ!!
カァッ!!!!」
水を纏った手を突き出すと船内を暴れ回るチョーマジン達の周囲の空気が震え、次の瞬間 大量の水が現れてチョーマジン達を閉じ込めた。
「!!? これは………!!!」
「この船に行く前に考えた技だ!!
奴らの周囲の酸素と水素を結び付けて水を作った!!この方法なら私の体力を節約できる!!
そしてっ!!!」 「!?」
グラトニーが視線を向けると、チョーマジンは水の塊の中心で首を出してもがいていた。そしてその動きとは逆方向に水が流れている。
「あの水には中に閉じ込めた者の動きと逆方向に流れるように命じてある!! これで奴らが水から出て来る事は無い!!!」
「凄い!! 凄いぞお前!!!
この方法ならわざわざ戦わなくても無力化できる!!!」
「否、まだ安心するのは早い!!
もう一つ試したい事があるのだ!! レオーナ!!この船内に臭いはあるか!? 火薬の臭いだ!!!」
「!? か、火薬!!?
……あ、そういや少し臭うッス!」
獣人族のレオーナの鼻は船内に漏れ出る火薬の臭いを僅かに捉えた。
「………そうか。彼奴、まだ爆弾を仕掛けているのか。数は分かるか!?」
「……いやぁ、数までは分からないッス。
ただ、広い範囲にばら撒かれてるって事だけで…………」
「委細承知!! 広範囲ならこの方法が一番手っ取り早い!!」
『!!?』
カイは両手を合わせて力を溜め込んだ。 すると船内を波のような揺れが襲う。
「な、なんスか これ!!?」
「おいカイ、何をするつもりだ!!?」
「……………………。
ハアッ!!!!!」 『!!!!?』
カイが両手を開くと、船内に大量の水蒸気が流れ込んできた。船内に満たされると壁や床に水滴が付いて湿り気が覆う。
「海水を水蒸気に変えこの船内にぶち込んだ!!
これで奴の姑息な爆弾は封じられた!!
まだまだ体力は残っている!!このまま私が怪物共の相手をする!!!」
(………!!! なんだなんだ!!
想像以上に頼もしいじゃないかこいつ!!!)
「道はできた!!
急ぐが床が滑りやすくなっているなら気を抜くんじゃないぞ!!」
「おう!!」「ウス!!」「了解!!」「分かった!!」
三人がそれぞれの返答をし、船内の奥を目指して歩を進める。
***
逃げ遅れた乗客達に紛れているガスロドは船内で起こった異変の正体がカイの
(…………なるほど。水を水蒸気に変えて船内を湿らせ、私の爆弾を封じたつもりか。
その程度の対策はできているが まぁいい。封じられたフリをしてやろう。それもまたいざという時の布石になるだろう。)
ガスロドを追って船内を駆けるグラトニー達 五人はまだ知る由もなかった。
ガスロドの作戦において最後にやる事が 自分達の前に正体を明かす事だということを。