転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「おいカイ、さっきの水で閉じ込めるやつはあとどれくらい出せる!?」
「あれは周囲の水分を利用するから私の力の消耗は少ない。
少なく見積ってもあと三十はゆうに超える!!」
「そうか。なら出し惜しみしてくれるな。
お前の力を頼りにしてるぞ!!」
「委細承知!!!」
グラトニー達は先頭をカイに譲って船内を走っている。チョーマジンに出くわす度にカイが水で閉じ込めて無力化させる という事を繰り返している。
その最中にもレオーナとマキは逃げ惑う乗客を必死に観察している。ガスロドが最初に注目した七人以外の乗客に成りすましている可能性もあるからだ。
「レオーナ、何か分かった事はありますか!?」
「いや、今のところはこれといって怪しいヤツは居ないっす。」
船内を進む中で既にカウェル、リギム、そしてドクタフとすれ違い、その一瞬の中でレオーナとマキは全神経を集中させて三人を観察した。
もちろん怪しまれないように『ここは危険だから安全そうな場所に避難しろ』と忠告しながらだ。
「!?」
「!? レオーナ、どうかしましたか!?」
「あぁいや、何でもないっス。」
レオーナが一瞬 表情を強ばらせたのは彼女の鼻が今までとは違う異臭を捉えたからだ。
(……今なんか臭い、薬みたいな匂いがしたッスよね?)
「レオーナ!! 前!!!」
「!!?」
異臭の正体を考えているレオーナ達の前に五体のチョーマジンが一斉に襲いかかっていた。
この付近に乗客がいないので自分たちに狙いを定めたのだろう。
「皆は下がっていろ!! こいつらは私が」
「待つッス カイさん!」 「!?」
カイが振り向くと、レオーナが既に五本の矢を弓に構えていた。
「麻酔を塗ったこの矢で奴らの動きを止めるからその時にリズハ、頼めるッスか!?」
「! 分かった!!」
レオーナが矢を放ったのとリズハがグラトニーの背中から飛び出したのはほとんど同時だった。
矢は全てチョーマジン達の胸を捉え、一瞬にして麻酔が回り動きを止める。そして次の瞬間にはリズハの指がその額を捉えて《
「おいリズハ 大丈夫か!?
一気に五体も眠らせたぞ!!」
「…………お姉ちゃん、」 「!」
「全然大丈夫!! むしろ身体が軽いよ!
あのカイの
「お、おう そうか。
眠らせる奴がそれなら心配は無いな。」
グラトニーは元気一杯のリズハを見て『心配して損した』とは思わないでおこうと思った。
「して グラトニー殿、
怪物共は私とリズハでどうにかできるとして、ガスロドの奴は見つかったのか!?」
「いやまだだ。最初にマークしたあの七人以外にも居るかもと考えてはいるんだがてんで手掛かりが掴めない!
何か方法でもあれば━━━━━━
!」
「?! どうした!?」
グラトニーが見つけたのは手掛かりではなく、聞きなれた男の声だった。それを聞くや否や真っ先に先頭を切って走り出す。
「待て! そんなに急いでどこに━━━━━」
「手掛かりには遠いが見つかったぞ!
この戦いをいい方向に運んでくれる
***
「皆さん! 慌てる事はありません!!
落ち着いて、落ち着いて避難して下さい!!」
その声の主はドンガスだった。彼が声を掛けて乗客の避難を促し、そしてその後ろでは同じく魔導師と思われる男数人が障壁を展開してチョーマジンの行く手を阻んでいる。
「ドンガス! やっぱりお前だったか!」
「! おお! リルアか! 無事だったか!!
と、いう事はその後ろにいる三人が」
「おう! こいつらが私の仲間だ!!」
見ず知らずの
「あ! さっきの
ドンガスに気付いたレオーナが間の抜けた声でそう言った。
「お前達にも紹介しておく!
こいつはドンガス。訳あって私達に協力してくれている《魔法警備団》の魔導師だ!!」
『!!!?』
三人はそれぞれに驚きの声を出した。それはグラトニーが協力者を募ったからではなく今の自分達にとって重要な《魔法警備団》という単語が出たからだ。
しかし同時に 三人共リルアが一般人を巻き込み、なおかつ秘密を漏らすようなヘマはしないだろう と判断した。
「俺にも何か出来る事は無いかと思ってな。
知り合いの魔導師達にも事情を説明して乗客達を避難させていたんだ。
リルアはどうしてここに?」
「…私達は今、この船の乗客達を怪物に変えた犯人を追っている。」
「!! そうか……。
いや、皆まで言う事は無い。俺では力不足なんだろ? ならば俺達は乗客の避難に専念する!!」
「助かるよ。 なら甲板に避難させるのが良いぞ。あそこへの道にいた奴らは皆 私達が無力化させた。」
「そうか。なら乗客達は任せてくれ。
その代わり、この船を混乱に陥れた輩の始末は君達に任せるぞ!」
「おう! 私たちは先に行くからな。
ああ それと、」 「?」
「この姿の私の事は《グラトニー》と呼んでくれ。
それが私の