転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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20 手合わせ開始! 戦ウ乙女(プリキュア)vs聖闘士(パラディア)!!

「…君は僕に究極贈物(アルティメットギフト)を含む全てを駆使して戦う。

僕は究極贈物(アルティメットギフト)を使わないで特上贈物(エクストラギフト)以下だけで戦う。

それで君が僕に一瞬でも究極贈物(アルティメットギフト)を使わせたら君の勝ち。

 

ルールはこれでいいかな?」

「はい!」

 

蛍は星聖騎士団(クルセイダーズ)本部の闘技場に来て、ハッシュと対峙している。

蛍が出した条件であるハッシュのスカウトを手合わせで勝ったら飲むと言ったからだ。

 

《プリキュア・ブレイブハート》!!!!!

蛍はフェリオの力を借りて戦ウ乙女(プリキュア)へと変身した。

 

 

「……僕と君が一緒の方向を見るなんて何年ぶりかな……?」

「何年ぶりも何もこれが初めてだろ?」

闘技場の観客席の特等席にルベドとギリスが座っている。ルベドのそばには星聖騎士団(クルセイダーズ)の隊長であるイーラとハニも座っている。

 

「しかし、あの男が蛍に対して本気を出すのか……?

女性に手を上げることを渋ると思うが……。」

「そうとも限らないぞ。」

ギリスの独り言にイーラが口を挟んだ。

 

「あいつは確かにあれでも紳士的で女性への攻撃はやりたがらないが、任務となれば話は別だ。

任務ならば、たとえどんなに美しい女でも私情を挟むことなく粛清し、我々星聖騎士団(クルセイダーズ)に貢献してきた。」

「うん。でも蛍ちゃんはその限りじゃないし、これはあくまでも手合わせ。じゃあハッシュ君の性格上 考えられるのは………」

 

 

「一撃で鎮める。だろ?」

ハニに対しルベドが言った。

「一撃必殺のカウンターで鎮める。

それくらいしか考えられない。

もっとも、ラジェルちゃんが選んだ戦士がそう簡単にやられるとも思えないがね。」

 

観客席にはたくさんの兵士もいたが、場内は静まり返っていた。

これから起きることに対し手に汗を握ることしかできないのである。

 

 

***

 

ブレーブが乙女剣(ディバイスワン)を構えた。

ハッシュは素手だが、ブレーブはこれでフェアだと結論付けた。

なぜならハッシュは自分が仕留めきれなかったチョーマジンを目の前で圧倒し、倒して見せたのだから。

それに自分はつい数日前に戦士になったばかり。対して彼は幾度も実戦を重ねているに違いない。

実力もキャリアも間違いなく彼の方が上。その上究極贈物(アルティメットギフト)抜きというハンデまである。

 

「!?」

ハッシュが動いた。

顔の近くに両手の拳を持ってきて、足を低くして身構えた。

ブレーブはその構えに見覚えがあった。

「……ボクシング………!!?」

 

「……さぁ、来い。」

しかしブレーブは動けなかった。全く隙を感じられない。だが自分は女神が認めた戦士。そして勇者なのだ。怖気付く訳にはいかない。

 

究極贈物(アルティメットギフト) 戦之女神(ヴァルキリー)が発動しました。』

究極贈物(アルティメットギフト) 戦場之姫(ジャンヌダルク)が発動しました。』

ブレーブは腹を括り、ハッシュに急接近した。

「やあぁぁぁ!!!!」

 

ブレーブはハッシュの顔面に剣を突き刺した。しかしハッシュはそれを上半身を仰け反らせて躱す。

 

すかさずハッシュのジャブがブレーブに向かう。

 

チョッ

 

 

という音が鳴った瞬間、

 

ブレーブが膝を着いた。

 

 

「何だ!!!?」

「何が起きたの!!!?」

しっかりと見ていたはずのイーラとハニにも何が起きたか分からなかった。

 

「かすったんだよ。パンチが顎を。」

「あいつ、本当に一撃必殺を狙ってきた……!!!!」

 

 

バッ!!!

ブレーブが跳ね起きた。

顎が少し赤くなってはいるが、脳へのダメージは流せたようである。

 

「今のは軽い小手調べだよ。

わかっただろ?これが僕の特上贈物(エクストラギフト)

胡蝶之舞(フロートライクアバタフライ)》と《蜂之一撃(スティングライクアビー)》だ。

この世界においてこの2つが最も迫撃に向いている贈物(ギフト)とされている。」

 

胡蝶之舞(フロートライクアバタフライ)

特上贈物(エクストラギフト)

反射神経を強化し、あらゆる攻撃を見切る。

 

|蜂之一撃《スティングライクアビー

特上贈物(エクストラギフト)

脱力から筋肉を硬直させる精度を高め、カウンターを撃つ。

 

「まんま ボクシングだね……。

だけどそれなら蹴ることはない……

………なんてことはないよね?」

 

「もちろんだ。僕は究極贈物(アルティメットギフト)は使わないと言ったが、逆に言えばそれ以外は全部使うと言うことだ。

無論 蹴り技もね。」

 

 

「そう。こんな風に!!!!」

ハッシュの飛び後ろ回し蹴りがブレーブを襲う。

しかしブレーブは冷静に強固盾(ガラディーン)を展開し、ハッシュの蹴りを弾き飛ばした。

 

ハッシュはすぐに体勢を整えて着地する。

足へのダメージも受け流されていた。

 

「…カウンターで足を破壊しようとしたようだね。」

「はい。でもま そんな上手くはいきませんね。」

「お互いにね。」

 

話が終わり、ブレーブは剣を構え直した。

 

観客も盛り上がる余裕もなく緊張に包まれる中、この手合わせは新たな局面を迎えようとしている。


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