転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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203 美食のリルア! 凱旋の宴と渦巻く陰謀!!

『━━━ガツガツガツガツガツガツ━━━━』

『━━━ゴキュゴキュゴキュゴキュゴキュ━━━━━』

「ッ ブハーーーッ!!!!

あー 生き返ったぞ!!! ずっと腹が減って減って!!!」

「自分もなんとか解呪(ヒーリング)の分 取り戻せたっス!!! ってか腹持ち良すぎッスよこの料理! どこの薬草使ってるんスか!?」

「それは分からないけどとにかく食べようよ二人共! で、これは━━━━━

北の方の薬草使ってるね!」

『……………………………』

 

ガスロドが退散してから数十分後、リルア、ミーア、そしてリズハは星聖騎士団(クルセイダーズ)の船の一室で彼らが運んできた料理を一心不乱に腹に詰め込んでいた。カイとマキは何処と無く食欲が湧かず、消耗した体力を回復しようと薬草を煎じたスープを喉に流している。

 

「おい 二人共全然食ってないじゃないか!

お前達だって疲れたろ!? いいから食って食って体力回復させろ!!」

「そうッスよ!あんたらだって究極贈物(アルティメットギフト)ドバドバ出してたじゃないっスか!遠慮しないでどんどん食べて良いんスからね!」

「そうそう! あー!

夢魔族()の身体でもご飯が美味しい!!

カイの体力といい勝負だよこれ!!」

『………………………

おいマキ、なんで彼女達は勝ち誇ったような顔で飯が食えるんだ?こっちは通夜のような気分だというのに。』

『……多分私達が落ち込み過ぎなんですよ。

リルア達は乗客全員助けられたから御の字だって思ってるんですよ。』

 

 

三人の異様とも言えるテンションの高さについて行けず、スープすら喉を通らなくなってしまう。カイとマキがここまで食欲が湧かないのは三人と比べて解呪(体力)を消耗していないだけでなく、乗客を助けられこそすれガスロドを取り逃した罪悪感が食べる事を拒絶しているのだ。

 

「……カイさん、取り敢えず何かしらは食べましょう。乗客の人達にも食事は支給されてるみたいですから。」

 

乗客、そして乗組員達は全員の無事が確認されて食事が支給された。急拵えなのでグランフェリエの豪華な料理には遠く及ばなかったが、文句を言う者は一人として居なかった。

 

「…そうだな。腹を拵えたらルベド殿達の所に戻って詳しい事を話すとしよう。」

 

そう言ってカイは栄養価の高そうな鶏肉の蒸し焼き、マキは煮込んだ薄味の野菜を一口かじる。頭の中の暗い気分は晴れそうにないが体力を消耗し尽くした身体に優しい味が染み渡る。

 

 

コンコンっ 『!』

「お食事中の所 失礼致します。リルア・ナヴァストラ様方。星聖騎士団(クルセイダーズ)の者です。

少しお話を伺いたいのですが。」

「おう良いぞ。 入ってくれ。」

 

扉を開けて白い軍服に身を包んだ黒髪の青年が入って来た。

 

「確か君は……」

「はい。星聖騎士団(クルセイダーズ) 4番隊隊長 ガイン・ブラックバスターです。今回の用人警護は我々4番隊が受け持つ事になりました。

本部に戻って総隊長に報告するにあたって、大まかな事情を把握しておきたいのですが、構いませんか?」

『ああ。もちろんだ。』

 

リルアは今までの料理に舌鼓を打つ表情から打って変わって真剣な表情となり、首を縦に振った。

 

 

 

***

 

 

《厄災都市 アヴェルザード》

 

グランフェリエから帰還したガスロドはダルーバに会いに来ていた。

 

「……ダルーバ君、少し表情が冷たくはないか?

折角戻ったんだから『お帰り』の一言くらいあっても良いんじゃないのか?」

「なんでお前にそんな事言わなきゃいけないんだ? ってか随分早かったけど、ちゃんとやる事やって来たの?」

「もちろんだ。少々のハプニングはあったがちゃんと《布石》は打っておいた。後は時が来るのを待つだけさ。

……しかし君、そんな格好で頭に血が登らないのか?」

「ご心配無く。これが一番落ち着くんだよ。

何せコウモリ(吸血鬼)なんだからな。」

 

ダルーバは天井近くの棒に両足を掛けて逆さまにぶら下がっていた。吸血鬼によく見られる習性だ。

 

「……んで、俺に何の用だよ。先にヴェルダーズ様に報告した方が良いんじゃないの?」

「心配は要らない。陛下には後で情報を報告する事になっている。それより君に見せたいものがあってね。」

「?」

 

ガスロドはダルーバに水晶を手渡した。そこに映っていたのは光に包まれるリルアとミーアの姿だ。

 

「これって…………」

「そうさ。戦ウ乙女(プリキュア)が変身する所を捉えた決定的瞬間さ。」

「これがどうしたっての。」

「光に包まれた後 瞬時に変身しているだろ?それを見て私はある仮説を立てた。

戦ウ乙女(プリキュア)が変身する時、その空間内は時間の流れが歪んで引き伸ばされている』とね。」

「だから?それをなんで俺に言うんだよ。」

「ほら、あるじゃないか。私達の中で纏まりつつある()()()()が。

この仮説が正しければ()()()を借りて面白い事が出来ると思ってね。」

 

マスクの内側からガスロドのこもった笑い声が漏れた。

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