転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「……それで ガイン。」
「? なんでしょうか。」
静まり返った重い空気を断ち切るかのように、リルアがガインに口を開いた。
「ジームズの方はどうなってるんだ?
カイの奴が港まで送り届けた筈だが、あの後どうなった?」
「ああ、ジームズ様ならご家族と一緒に本部の方で保護されています。これからそっちへ行きますのでお会いしますか?」
「もちろんだ。あいつらにも色々聞いておきたいしな。」
カイは重役相手に『あいつ』はまずいだろう とか もう素に戻りかけているな とか考えたが口には出さないでおいた。
「はい。ではすぐに手配を━━━━━
! ちょっと失礼。」
ガインは懐から通話結晶を取りだし、カイ達から背を向けた。
「……はい。 こちらガイン。」
『僕だ。 ルベドだ。』
「総隊長! グランフェリエの被害状況は既に把握し終わっています。
犠牲者並びに怪我人はいません。ですが船の損傷は酷く、復旧には一年以上を要するとの見解です。」
『いや、それは後で詳しく聞く。聞きたいのはリルア達の方だ。そこに居るなら代わってくれ。』
「あ、はい。畏まりました。 直ちに、
あの、リルア様。ルベド総隊長がお話したいと仰っているのですが。」
「私に? 分かった。」
ガインがリルアの前に通話結晶を置いた。
『リルア。単刀直入に言うが、君に聞きたいのは一つだ。
この船で起こった
「!!!」
『僕らが今分かっているのは船に偽の定期通信を発する魔法が仕掛けてあって出動が遅れたという事だけだが、
わざわざジームズをパシらなくても 君が飛んでくれば済んだんじゃないのか?
それともそれが出来なかったとか。』
「……ああ。そのそれともだ。
あの時私はあの船から出れなかったんだ。敵はあの船から
『!!!』
ルベドとガインの顔が同時に青ざめた。
『そ、それはつまり…………!!』
「ああ。あいつらは知ってたんだ。
グランフェリエの中で空を飛べるのは私しか居ないって事をな。
つまりだ、この作戦の内容があいつらに漏れてたって事だ!!! あの時の会議の時に
『……! (内通者の事は伝えてないのか………。)
ああ。僕もその可能性を考えて本部を調べているところだ。』
「そうか。言いたい事は山ほどあるがとりあえずそっちに戻るよ。リナの事も気になるしな。」
『リナか。彼女なら無事だ。
それと一つ言っておくと、昨日ギリスから連絡があって、無事に魔法警備団の本部に着いたそうだ。』
「そうか。良かった。
それと私からも一つ言っておかなきゃならない事があってな、
おい! 出てきてくれ!」
「うん!」 『!!!?』
リルアの肩からリズハが姿を現し、そして元の人間の姿になった。それを見たルベドの顔が一気に引き攣る。
「あー! ルベドお兄ちゃんだー!
久しぶりー!!」
『リ、リルア……!!? まさか…………!!!』
「ああそうだ! リズハが転生して、私達の仲間になってくれたんだ!!!」
***
《魔法警備団 本部近くの森》
リルア達とルベドが話している同時刻、ギリスや蛍達がいる魔法警備団本部を近くの森から襲撃しようとしている人影が三つあった。
そしてその一人がヴェルダーズと通話している。
「………はい。もうすぐ本部に着きます。
心配しないで下さいよ。勇者の首を土産に持って帰りますから。」
「……先輩、いよいよこの時が来たんですね。
あの生意気な女勇者の首を取り、マーズさんとギンズさんの仇を打つ時が。」
「にしてもヴェルダーズ様も優しい人だよね。
『キュアブレーブは俺が倒す』ってあんたのわがままを顔色一つ変えずに聞いてくれたんだから。」
「それだけヴェルダーズ様が先輩を信じて下さってるって事だよ。何せ先輩は」
「分かってるよ。巷で噂の《連続勇者殺人犯》なんだから。
………まぁこの世界に勇者なんていないけど。いるのは勇者の面を被ったクズ共だけで。」
「おいおいお前ら。無駄口はその辺にしとけ。
明日
ロノア サリア。俺に着いてこい。」
「分かりました。」 「はーい。」
暗くも元気の良い返事をするロノア、そして対照的に気の抜けた返事をするサリアの二人の前には髑髏の仮面を被り黒いマントに身を包んだ男が居る。
その男こそ
「………にしてもさ、ガミラ
あんたのその格好、《死神》にしか見えないんだけど。」
「…当たり前だろ。俺は
ガミラは仮面の裏から執念に満ちた笑みを零した。