転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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208 イーラの口から語られる事件! 謎の襲撃を受けた国!!

『………それにだ、勇者が早い段階で死んでくれるのは我にとっては願ってもない事だ。』

「左様でございますか。」

『そうだ。いずれ我が目的の為に行動を起こせば人間共は必ずや勇者の存在に縋るだろう。

そいつら一人一人は取るに足らない存在にしても全世界の勇者が一堂に会すれば何が起こるかは我にも予測できん。

それを早い段階で、しかも暗殺同然に始末できるとなればガミラの我儘も聞いて損は無いというものだ。』

「……そんな勇者(ちっぽけな人間)がいくら束になったところで陛下の行動を脅かすとは思えませんが。」

『お前らしくもない的外れな言葉だな。

ならば今我々に敵対している奴等の筆頭は誰だ?《勇者》であろう。』

「!」

 

セーラは『失礼しました』と言わんばかりに頭を下げた。

 

『まぁそれはそれだ。

そんな事よりガスロドは今どうしている?』

「はい。ガスロド様は今 ドルダ・セヴェイルの姿を偽ってグランフェリエへの潜入を試みておられます。」

『そうか。くれぐれも抜かるなとだけ言っておけ。あの作戦にはグランフェリエでの《布石》が必要不可欠だ。この役目はとてもでは無いがシトレーでは務まらない。ガスロドの頭脳を以て初めて成立するくらいの物だからな。』

 

 

 

***

 

 

《勇者連続殺人事件》の話が終わった馬車の中は不気味な程に静かで押し潰されそうな暗い雰囲気に包まれていた。

その静寂をイーラが破る。

 

「あ、そうだ ホタル君。」

「えっ!? こ、今度はなんですか!?」

 

また自分の身が危ないかもしれないと言わんばかりの話題が出るかもしれない と直感した蛍は身構えて応対する。

 

「いや、先程のような暗い話じゃない。

これから行く魔法警備団の事を少し話しておこうと思ってね。」

「あ、そ、そうですか。」

「ああ。実は魔法警備団は歴史自体は古くて長らく我々星聖騎士団(クルセイダーズ)と肩を並べてこの世界の治安を守っていたんだが、二十五年程前にその体制が大きく変わったんだ。」

「二十五年前? 何かあったんですか?」

「そうだ。その時 魔法警備団から少し離れた国が()()()()に滅ぼされたんだ。」

「!!!?」

 

かなり昔の話で、しかも自分に直接関係がある話では無いが蛍の背中に冷たい物が走る。

 

「その国もかなりの規模の王国で、しかも数年前に()()()()()を手に入れて隣国を併合し軌道に乗り始めていたんだ。

その矢先に襲撃を受けた。しかも攻撃は凄まじく、数時間と耐える事も出来ずに貴族達はもちろんその場に居た国民も無差別に殺されてしまった。具体的な犠牲者数は今も分かっていない。」

「その事件ならこの前 新聞に大きく取り上げられていたな。『侵略国家が滅んだ恐怖の一日から今日で丸二十五年』とか銘打ってな。」

「そ、そうなんだ。」

 

ギリスが再び新聞の話題で横から口を挟み、それを驚いた様子で見る蛍を『お前は少し新聞を読め』と視線で諭す。

 

「それで、その滅ぼした勢力って、どこの誰か分かってないんですか?」

「それは何一つとして分かってないんだ。

強いて言うなら辛うじて生き残った兵士や国民達が口を揃えて言う()()()()()()()証言だけだ。」

「? 訳の分からない?」

「ああ。証人達は皆 口を揃えてこう言うんだ。

『何十体もの土色の巨大な人型の怪物が攻め入って来た』とな。」

「…………………!!」

 

イーラの口から出る情報をもとに蛍は頭の中で《ゴーレム》の姿を思い描いた。

 

「つまりだ、他国を簡単に侵略できるような強力な国家を一夜で潰せるような勢力の存在に国々は怯え上がり、国の治安を守る為に魔法警備団はより強固な組織になったという事だ。」

「……なるほど………………。」

「尤も、そんな勢力はそれ以来ずっと現れていないがな。まぁだからこそ捜査がまるで進んでいないとも言えるが。」

「そうなんですね。

(もしかしてその国を倒す事()()が目的だったのかな……………?)」

 

蛍は少しだけ周囲を見回した。先程よりはましになっているが再び重苦しい空気が馬車の中に漂っている。

そしてそばに居るフェリオに小声で話し掛ける。

 

『…………ねぇ、フェリオ。』

『ん? 何ファ?』

『イーラさんがさっき言ってた連続殺人の犯人が私に襲って来たら どうすればいいかな……?』

『何を言ってるファ!

()()()()()なんか屁でも無いくらい蛍は強くなってるファ! もっと自信を持って良いファよ!』

『そ、そうだよね…………………。』

 

フェリオの言葉を聞いても尚、蛍は自分の喉元に刃物を突き付けられているような気分が抜けなかった。

 

 

***

 

 

その蛍の予感は当たっている。

道無き道を物凄い速さで走る馬の速度にガミラは誰にも気付かれずに、そして置いて行かれる事無く木から木へと飛び移っていた。

 

(………もうすぐだぜ……………!!!

もうすぐテメェの首に()()()をぶち込む事ができるぜ!!!

親父に敵対するようなゴミクズは俺が残らず地獄に叩き落としてやる!!!!)

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