転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ギリスやフェリオの励ましを受けても尚 蛍は自分の身に危険が迫っているかもしれないという不安が掻き消せなかった。当然 ヴェルダーズとの戦いに身を投じた時点で身の安全など保証されていないも同然だが、まだ死体を目の当たりにしていない彼女の死への認識は到底 深いとは言えなかった。
それでもなお 自分が今やらなければならないのは何処ぞの殺人鬼に怯える事などではなく新たに仲間になったタロスの為に魔法警備団で尽力する事だと言い聞かせた。そうして己を鼓舞し続けていると馬車での移動時間は残りわずかとなった。
「━━━━━━━タル。
━━━おい ホタル。 こっち向け おい!」
「んあっ!? ああっ、ギリス、 どうかしたの?」
「どうしたも何も もうすぐ着くから声を掛けただけだ。
ほら見ろ、あそこに見える建物が魔法警備団の本部だ。」
「あっ……………!!!」
蛍の目が捉えた魔法警備団の本部は木々の隙間から漏れるほんの一部分に過ぎなかったがそれでもその重厚感は《鉄壁の要塞》という印象を植え付けた。それこそ
「すっ…………………… すっごいねぇ……………!!!」
「そうだろ? さっき話した事件の後に大規模な改装が行われてな、今じゃ悪党共の間では『魔法警備団の近くで活動するのは愚の骨頂だ』って暗黙の了解がある程だからな。」
「………なんでギリスがそんな事知ってるの?」
「下らない詮索はするな。
何年も平民を装って過ごしてるとな、欲しくもない情報も入ってくるんだ。」
「そういうもんなの………?」
「そういうもんだ。」
ギリスは蛍に出会うより遥か前から平民を装って日銭を稼ぎ、地下の一室で隠遁生活をしていた。様々な仕事、それこそ(ギリスの言う)悪党と密接に関わる仕事もあったのだろう。
「で、向こうに着いたらこの馬車はどうするの?」
「本部には牧場擬きの場所があるから、そこに待機させる手筈になっている。馬なんてお前が心配する必要も無い。」
「そんな訳にはいかないでしょ。
もしヴェルダーズ達がこの馬とかをチョーマジンに変えたりしたら……….!!」
「あの連中がそんな
狙うとしたらまず人間だろう。何せ向こうには世界から選りすぐった魔法の使い手がゴロゴロいるんだからな。」
「……………!!!」
蛍は今まで見てきたチョーマジン、そしてそれに変えられて苦しむ
***
『ブルルルルル!!』 という馬の甲高い鳴き声が数十体分 響き渡り、それが魔法警備団の本部に到着した事を知らせる音になった。
『
黒いローブに身を包んだ逞しそうな男達が数十人 蛍達を出迎えた。彼等の一糸乱れない規則的な動きがその厳格さや組織の強大さを物語っている。
「……
本日我々が足を運んだのは他でもなく、何者かがルベド総隊長の名を騙ってあなた方に応援要請を送ったという件についてです。結論から申し上げますが、総隊長は誓ってあなた方にそんな要請は送っていないと仰っていました。
そしてこちらの一員であるタロス氏はあなた方の団長から支持を受けたと言っていました。」
「はい。全てお聞きしております。
ですが間違いなく我らの団長は偽証などしておりません。間違いなく我々はルベド総隊長から要請を受けてタロス隊員を派遣しました。」
蛍やギリス、そして
ヴェルダーズ達の中にルベドを偽って魔法警備団に嘘の応援要請をした人がいる と。
***
ガミラは尾行に気付かれる事を防ぐ為に敢えて馬車を見送ってから移動する方法を選んだ。そして魔法警備団に通じる道に付いた馬の足跡を見つけ、ヴェルダーズに通信を繋ぐ。
「…………親父ィ、見つけました。
へい。間違いありゃあせん。ヤツらの馬です。追いついたら早速あの馬共をチョーマジンに変えちまいましょうか?」
『待てガミラ。事を起こすのはお前が着いて、ロノアとサリアが合流してからだ。そこを一気に叩け。』
「分かりゃした。じゃあやるのは
『そうだ。奴等は世界中から集められた魔法の使い手。もしかしたら
「………そしたら殺れるんですよね。
ダクリュールやオオガイさんに恥をかかせたあの腐れ勇者を……………!!!」
ガミラはこれから待ち受ける蛍との戦いに興奮を抑え切れなかったが、その実 冷静だった。
何故なら彼は勇者の特徴を全て把握しているからだ。