転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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218 勇者の自信を取り戻せ! エミレの練習試合!!

蛍は用意された部屋のベッドに腰を下ろしていた。ギリスの話を聞いた直後よりは落ち着いたがそれでも背筋に走る寒気は拭えなかった。

彼女の呼吸は荒くなり、ベッドの上で何度も頭を抱えて俯く様子を部屋の隅にいるイーラはただ黙って見ている事しか出来なかった。何度も何かしらの言葉をかけようと思ったがもうすぐ来るかもしれない死の恐怖に怯えている少女に軍人である自分がなんと声を掛けていいか分からなかった。

 

『コンコンっ』 「!!!」「誰だ!? ここには今人が━━」

「私ですよ。 イーラ隊長。」

「! き、君は確か………」

「はい。ついこの前 ギリス様方の一員となったエミレ・ラヴアムルです。」

 

扉を叩く音にすら驚いてしまう程思い詰めている蛍を尻目にイーラは来客に応対した。来客はエミレだった。その手には受け皿に乗ったカップが置いてある。中には紅茶が入っていた。

 

「どうしたんだ これは。」

「警備団の人に頼んで淹れて貰ったんです。

味を感じれば少しは気が楽になると思いまして。」

「………だ そうだがホタル君、 どうする?」

「……はい。 いただきます。」

 

蛍はカップを受け取り、半ば機械的に液体を口の中に注いだ。エミレが期待した程の効果は表情からは感じ取れない と、少なくともイーラはそう思った。

 

「…………ホタルさん、そんなに()()ですか?自分が()()()()()()に殺される事が。」

「!?」

「怖いですか と聞いているんです。

はいかいいえで答えて下さい。」

「…………そ、そりゃ怖いに決まってるよ!!

私だってギリスの為に戦うって決めたけど、あんな、あんなに…………………!!!」

「………そうですか。そんなに自分の力に[[rb:自信が持てない>・・・・・・・]]んですか。

ならこうしましょう。ホタルさん、今から私と戦って下さい。戦ウ乙女(プリキュア)の力無しで。」

『!!!?』

 

エミレの予想外の提案に蛍とイーラは今まで自分が持っていた感情など忘れて驚愕した。

 

 

***

 

 

30分後

エミレは警備団に許可を得て試合場を借り、そこに蛍を立たせた。その場にはイーラだけが立ち会っており、ギリス達はこの試合の事を知らされていない。

 

「どういうつもりなの……………!?

私と戦えって……………!!」

「理由は簡単です。ホタルさん、あなたのこれまでの勝利の全てがその戦ウ乙女(プリキュア)によるものであると考えているならそれは見当違いだというのが私の考えです。

私も冒険者を志した者として様々な努力する人間を見てきました。その人達は自分の力に疑問を持ったとしても、それをどうにかしようと手を尽くしていました。ただ怯えているだけの人など一人も居ませんでした!!」

「!!!」

「ですからホタルさん、私はあなたに自信を持って欲しい。変身せずとも戦える位の力を身に付けていると 私との戦いで知って欲しいんです!!!」

「………… エ、エミレ ちゃん………………!!」

 

蛍は素直に心の底からエミレに感謝の念を抱いていた。表情こそあまり変化が無かったがエミレは()()()()()自分の事を思っているとそう実感した。

 

「とはいえこれは練習試合ですから、身体を傷付けるような事があってはいけません。ですからこれを使います。」

「? それは……………」

 

エミレは足元に置いた二枚の木の板を手に取った。その一方を蛍の方に向ける。

 

「今からこの板を私の贈物(ギフト)で改造して木刀にして戦うんです。

ルールは簡単です。急所への攻撃は避け、先に相手から一本を取った方の勝ちです。」

「……分かった。」

「それではいきますよ。

改造(リモルデル)》!!!」

 

エミレがそう言って手に力を込めると木の板が光に包まれ、そして細長く変わって行く。ものの数秒で二枚の木の板は木刀に姿を変えた。武器に詳しいイーラの目から見てもかなりの完成度だと唸らせた。

 

「どうぞ。これを使って自分の強さを確認して下さい。あなたは殺人犯に殺されるような存在では無いと。」

「…………………

わ、分かった!!」

「ではイーラ隊長、一応レフェリーとして試合の運営をお願いします。」

「分かった。

…… これより、ホタル・ユメザキ 対 エミレ・ラヴアムル 練習試合を執り行う!!

試合は一本勝負!! 負傷には十分に注意し、急所への攻撃はいかなる場合も厳禁とする!!

両者、元の位置へ!!!」

 

変身する事無く剣を握るという未経験の行動に蛍は戸惑いながらも、今は殺人犯の事など忘れてエミレが自分の為を思って開いてくれたこの練習試合に心から向き合おうと心に決めた。

 

「それでは両者 構えて、

始め!!!」

 

この瞬間、蛍が今まで経験した事の無い練習試合が幕を開けた。

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