転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

22 / 371
22 決着の時! ブレーブ決死の作戦!!

息を切らしているブレーブに対し、ハッシュは立っている。

 

「…どうする?まだやるの?」

『当然ファ!!私たちには少しでも従属官(フランシオン)が必要だし、それにヴェルダースを倒すためにはこんなところでつまずいてられないんだファ!!!』

「…なるほど。

総隊長のお友達だった女神の意志を君が継いでるというわけか。」

 

ハッシュはそう言っている時も隙を見せない。ブレーブが仕掛けることができないのだ。

 

「だけど僕たち星聖騎士団(クルセイダーズ)もその厄災を倒すために頑張ってるんだ。

君らが僕達を厄災の足がかりにするなら、僕らもそうさせてもらうよ。」

 

ハッシュが遂に身構えた。

ブレーブにも緊張が走る。

 

「終わらせるよ……!!!!」

『「!!!!」』

全ての究極贈物(アルティメットギフト)と両手に乙女剣(ディバイスワン)強固盾(ガラディーン)を展開し、ブレーブは本気を出す決意を固めた。

 

ブレーブが不意をついてハッシュに接近し、剣を振り下ろした。

ハッシュはそれを冷静に受け止める。両手での真剣白刃取りだ。

 

(………強い!!!)

 

ブレーブが思った瞬間、ハッシュの胸が膨らんだ。

次の瞬間、ブレーブの顔面を謎の衝撃が襲う。ブレーブはたまらず体勢を崩した。

一瞬の隙をついてハッシュのプリキュア・ヘラクレスインパクトが再びブレーブの腹に向かう。

 

強固盾(ガラディーン)!!!!』

フェリオがブレーブの腹をバリアでガードした。そしてブレーブも戦之女神(ヴァルキリー)の能力で咄嗟に後ろに飛び、掌底の衝撃を逃がした。

 

『ブレーブ!!大丈夫ファ!!?』

「うん…!!でも今の衝撃は……!!?」

『きっと息ファ!!胸に空気をためて、一気にブレーブの顔に吹き付けたんだファ!!!』

 

ハッ!!!

 

気がつくとハッシュがブレーブの目の前に来ていた。

ハッシュの高速のジャブをブレーブはしゃがんで躱し、蹴り上げの追撃も仰け反って躱す。

「やぁッ!!!」

 

ブレーブはその仰け反った体勢を利用してハッシュの顎を蹴り上げた。

 

「甘いよ!!!」

ハッシュはブレーブの顔面に手のひらを付け、力を込める。

 

 

バチィン!!!!

 

大きな音が響き、ブレーブはさらに吹き飛ばされた。

その後にハッシュもよろけて膝を着いた。

息は切れていないが、脳は揺れているらしい。

 

「ハッシュ君が膝を!!?」

「これほどのものなのか!!?戦ウ乙女(プリキュア)の身体能力は!!!」

「2人とも忘れたのか?ハッシュはいま究極贈物(アルティメットギフト)を使っていなくて、体はただの鍛えられた筋肉(・・・・・・・・・・)なんだぞ。あんなに良い蹴りを貰って倒れないハッシュの方が凄いさ。」

 

 

ブレーブはその場に立ち上がった。吹き飛ばされたからハッシュとの距離はかなり空いている。

 

「……ねぇ フェリオ、私たちの目的はハッシュ君に勝つことじゃなくて究極贈物(アルティメットギフト)を使わせることだよね………?」

『何当たり前のこと言ってるファ!!?』

「……じゃあ、私に作戦があるの……!!!

一か八かだけど……!!! フェリオ、協力してくれない………!!」

 

 

ブレーブがその場で乙女剣(ディバイスワン)を振り上げて構えた。

 

「!? 何だ…!!?」

「あんな距離から何を……!!?」

 

 

「ぃやあああぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」

 

 

ズバァン!!!!!

 

ブレーブが地面に乙女剣(ディバイスワン)を振り下ろし、その場に土煙が舞った。

 

(目くらまし……!?)

 

その瞬間、土煙を割って剣の鋒がハッシュに向かってきた。

特上贈物(エクストラギフト) 胡蝶之舞(フロートライクアバタフライ)を発動し、バク転して飛んでくる剣を躱した。

 

着地したハッシュの視界では既に土煙が晴れていた。

しかし、

 

(!!!? いない!!?)

 

ブレーブが既にその場にいなかった。彼女は乙女剣(ディバイスワン)を投げたはずなのに。

 

気配に気づいてハッシュが見上げると、ブレーブが飛び上がって拳を構えていた。

 

「やあぁぁぁ」

 

ブレーブが全体重を乗せてハッシュに急降下してくる。

 

「でりゃああぁぁぁぁッッッ!!!!!」

 

ブレーブはそのままハッシュに全力で拳を見舞った。

 

ズドォン!!!!!

 

闘技場に激しい土煙が舞い上がり、巨大な音が響いた。

 

「「!!!!!」」

「何だと!!!!?」

「ハッシュ君!!!!!」

 

舞い上がった土煙から飛び出たのは、

 

 

「ああっ!!!!」

 

ブレーブだった。

ブレーブが吹き飛ばされ、闘技場端に激突した。

 

土煙が晴れた場所にはハッシュがたっていた。

腕を交差させてブレーブの拳をガードしたのだろう。

 

「……勝負あり……か……!!?」

「ハッシュ君が勝ったの!!?」

 

イーラとハニが各々の反応を示す中、隣からため息が聞こえた。

 

「総隊長…!?」

イーラが見ると、ルベドの顔が悲しげに曇っていた。

 

ハッシュが交差させた腕をといて観客席に視線を向けた。

 

 

「………負けたよ。」

 

「!!? 何!!!?」

「ハッシュ君 どういうこと!!?」

 

動揺するイーラとハニに対してハッシュは情けないと言わんばかりの表情で呟いた。

 

 

「使っちゃったよ。拳闘之王(ヘラクレス)。」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。