転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「いつまでもいつまでも高ぇとこから人を見下せると思ってんなよ!!!」
「!!」
タロスが翼を羽撃かせると、彼の身体は一瞬の内に地面から離れてロノアと同じ高度まで至った。[[rb:影之龍王>バハムート]]という一人分の戦力を犠牲にする事で得た飛行能力だと ロノアはそう認識した。
(今は他のみんな全員眠っちまってる!! んでもって勇者のヤツは空を飛べねぇ。
つまり今こいつと戦えんのは俺一人って訳だ!!
しかもこいつに下手な小細工は通用しねぇ。
やれるのは今、悠長に弓構えてるこの一瞬しかねぇ!!!!)
「おっりゃあっ!!!!!」
「!!!!」
タロスは影の翼で空気を弾き飛ばし、自身の推進力に変えた。その速度でロノアが構えている弓が機能を失う距離まで詰め寄り、その胸を剣で一太刀にする。
それで森の火事やチョーマジン達がどうにかできる保証までは無いが少なくとも戦況はこちらに有利になる━━━━━━━
「!!!!?」
「そ、そんな!!!」
「隙をつけば一泡吹かせられると考えたのだろうが、生憎私にそんなものは少しも無い。」
タロスが剣を振った次の瞬間、彼の視界に映ったのは
タロスがロノアの胸を切りつけるために彼に詰め寄り刃を振るったのはほんの一瞬であり、ロノアはその一瞬で手に持った弓矢を再び剣に変えてタロスの攻撃を受け止めたのだ。
(嘘だろ!!!?俺の全速力だぞ!!!
いくらなんでも早すぎんだろ!!!)
(伊達に陛下の魔法を破ってはいないようだな。事実距離を詰めるまで一秒もかかっていない。
陛下が何故この男一人の足止めに僕を任命したのか漸く分かった。)
「!!!」 ガキンッ!!!
「!! タ、タロス君!!」
ロノアのもう片方の手に握られていた剣がタロスに襲い掛かった。刃自体は間一髪の所で受け止めたがその衝撃は重く、防御の上から軽々と吹き飛ばした。
「~~~~ッ!!!」
「体勢を立て直す時間は与えてやらん!!お前の首を勇者の隣に並べてやる!!!!」
「させないよっっ!!!!」 「!!!?」
タロスに引導を渡すために強襲をかけるロノアにブレーブが立ちはだかった。空を飛ぶための翼は持っていないが、
「お前……!!」
「あなたみたいな羽は無いけどジャンプなら負けないよ!!!」
「私が驚いているのはお前の愚かさにだ!!!
空も飛べんただの人間なぞ叩き落として終いだ!!!!」
ガキィン!!!! 「!!!!」
ロノアは自分の発言を現実にするかのようにブレーブに向かって強引に剣を振り下ろした。踏ん張る地面のないブレーブの身体は何の抵抗も無く地面に向かって急降下する。
「地に足つけねばろくに戦うこともできない勇者なぞ恐れるに足らん!!」
「…確かに一瞬攻撃するのが精一杯かもね。だけどそれで十分。
そうでしょ⁉ タロス君!!!」
「おう!!!!」
ザシュッ!!!!! 「!!!!!」
タロスの言葉を聞いた瞬間、ロノアの翼に風穴が空いた。タロスの黒い剣が伸びて翼を貫いたのだ。
(ば、馬鹿な……!!!! これも
穴が空いた翼からは空気が抜け、ロノアの身体は強制的に傾き、空中で体勢を保てなくなる。タロスはそれを見逃さずにブレーブに激を飛ばす。
「今ならやれる!!! 行け!!!!」
「うんっ!!!!」
ブレーブは再び脚に筋力を込めて解き放ち、無防備になったロノアに剣先を向けて強襲をかけた。
「(おのれ!! やむを得ない!!!)
狙撃班、撃ち落とせ!!!!」
「!!!? うわっ!!!」
ロノアがそう 声を張り上げた瞬間、森の中から魔力の塊が数発放たれてブレーブに襲いかかった。何とか反応して全弾を弾き飛ばしたがそれによってロノアを攻撃する機会を失う。
「………………!!!」
「な、なんだありゃ………………!!!!」
森の中から姿を現したのは十数人の人型の魔物だった。その全員が身体の周りに紫色の瘴気を纏い、手に杖を握っている。ブレーブが驚いたのは彼等が先程 馬と共に現れたチョーマジンとはまるで違っていたからだ。
(人を基にしたのはさっきも見たけどそれとはまるで違う!! それよりもっと怖くてもっと強そうな……………!!!)
「この手だけは使いたくは無かったが致し方ない。 無知なお前達に教えておいてやる。
チョーマジンには稀に人間を素体にすることで生まれる上位種が存在する。それがこいつらだ。
名前を《