転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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230 混沌の森に差す魔力!! 勇者と魔王を襲う凶刃!!!

大量の影魔人(カゲマジン)が放った火球は言うまでもなく先程ブレーブを一発で吹き飛ばした威力を発揮したものと全く同じである。それが意味する事はブレーブの確実な敗北だ。

つい数時間前まで勇者連続殺人犯に怯えていた彼女だったが凶器と化した火球を前にしたブレーブの心情は意外にを穏やかだった。

 

 

ズバババババババババッ!!!!

「!!!!?」

 

次の瞬間にブレーブの鼓膜を震わせたのは火球が爆発する音ではなくその火球を()()()()音だった。

目を開けると、そこには火球は無く一人の男が立っていた。

 

「……全く。ちょっと惰眠を貪らされた間にこんな事態になっているとはな。

あまつさえこんな()()()()()まで引っ張り出してくるとは。どこまでも救えん連中だ。

で、大丈夫か?」

「……………………!!!!

ギリス!!!!」

 

ヴェルダーズの催眠魔法にかかっていたギリスが遂に目を覚ました。ブレーブにとって彼は全幅の信頼を置く存在であり、彼の復活はもはや立ち込める暗雲を割って差し込む希望の光にすら感じられた。

 

「心配しなくても状況は既に把握している。

敵は少なくとも二人以上。此処の魔導士を大量にチョーマジンに変えた(戦力に引き込んだ)ようだな。」

「二人!!? ホントなの!?」

「あぁ。間違いない。

さっきからオルドーラの奴が魔力をドバドバ垂れ流している。寧ろ気付かなかったのか?」

「そ、そう? ごめん 全然気付かなかった。」

「まぁ無理もないだろ。かなり切迫していたようだしな。」

「そうだ! そうなの!!

ギリス、言っとかなきゃいけない事があって━━━━━━━━」

 

 

 

***

 

 

 

ブレーブは敵の一人がロノアという風妖精(エルフ)の少年である事、彼の贈物(ギフト)の詳細、そして今タロスが交戦中である事を話した。

 

「んで、タロス君も究極贈物(アルティメット)持ってたの。影からドラゴンを作って━━━━━━━━」

「影のドラゴン? という事は《影之龍王(バハムート)》か!」

「えッ!!? なんで分かるの!!?」

「現役だった時に大方の贈物(ギフト)は頭に叩き込んでいる。」

「そ、そうなんだ…………」

 

 

 

 

*

 

 

 

《警備団本部の近くの森 オルドーラが居る地点》

 

『!!!?』

 

オルドーラが魔法を封じられて身一つでチョーマジンを食い止めている最中に、彼とサリアは同時にその強大な魔力を感じ取った。

 

「……今のって………!!」

「ああ。お前が思ってる通りだ。どうやらツキは俺達に向いてるみてぇだ。

魔王サマの復活だ!!!!」

「……………………!!

(こんなに早く催眠を破るなんて! やっぱりヴェルダーズ様が最優先で警戒するだけのことはある!!

…だけどちょっと予定より早いだけでこうなる事は想定済み。ツキならこっちにもある!!)」

 

 

 

*

 

 

 

警備団本部の森の中でもまだ火の手が回っていない程遠くの場所にその人物はいた。

その人物は魔王ギリスの覚醒、即ち自分の出番が来た事を理解した。

 

「…………もう目ぇ覚ましやがったか。予定より五分も早ぇじゃねぇかよ。まぁいいか。俺も行くとするか。

勝てるかもって思った絶好のタイミングで()()()をぶち込んでやるぜ。

ヒヒ。あいつのゲドゲドにビビり散らかした表情(ツラ)」をこの目に拝んでやるぜ!!!」

 

 

 

***

 

 

 

「敵の頭数は少なく見積もっても数十体はいそうだな。とてもじゃないがこいつら全員を解呪(ヒーリング)して回るのは現実的じゃない。

だからこいつらは一旦俺の魔法で拘束する。お前には援護を任せていいか?」

「う、うんっ!」

 

ギリスに言うのは憚られるがとてもこの大量のチョーマジン(と影魔人(カゲマジン))を真っ向から相手する自信は全くと言っていいほどなかった。その意味では拘束という提案は願ってもない申し出だった。

 

「ブレーブ、今から少し気を張るぞ。」

「うんっ!!」

 

ギリスは身体に魔力を込めてその姿を青年に変えた。

全身に巡る魔力を両手に集中させて地面に炸裂させ、チョーマジン全員の足元に魔方陣を展開した。その魔方陣から紫色の鎖が飛び出し、全員を縛り上げて動きを止めた。

 

「……す、すごい…………!!!」

「こいつは俺が生まれて初めて自力で作り出した魔法だ。随分感慨深いな。まさかこんなものがまた日の目を見ることになるとは。

こいつで足止めできるのはもって数十分が限界だ。その間に二人で奴らを退けるぞ!!!」

「分かった!」

 

『いや、すぐに一人だ。』

『!!!!?』

 

後方高くから聞こえた声に視線を送るとそこには宙に飛び上がった人影があった。

炎と月の逆光で顔は分からないが特徴として背中に携えた巨大な刃物が不気味な光を放っていた。

 

「お前の首を貰いに来た!!!! 往生しろや!!!!!」

「!!!!!」

(だ、ダメ!!! まだ体勢が………………………!!!!)

 

その人物は二人に向かって墜落するかのように距離を詰め、手に持った巨大な刃物を振り下ろした。

身の丈もありそうな巨大な凶刃はブレーブの身体を深々と両断する

 

 

ズバッッ!!!!!

「!!!!!」「!!!!!」

 

凶刃はブレーブではなくギリスに襲い掛かった。ギリスが咄嗟にブレーブをかばって攻撃を受け止めたのだ。

ブレーブの目が捉えたのは全幅の信頼を置く魔王から鮮血が噴き出す、夢にも思わなかった光景だった。

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