転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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24 ギスギスした同窓会! 女神と勇者と魔王!!

「……テューポーン?」

「そう。僕やギリスが現役だった頃に猛威を振るった猛獣というべき魔物だ。

ヴェルダース共がそいつに目をつけて、配下に置いたんだよ。」

 

ルベドの表情からもその真剣さがひしひしと伝わる。

 

「ところで蛍君。君はヴェルダースの配下には会っているか?」

「はい。ダクリュールっていう男と会いました。」

「ダクリュール・イルヴァンのことか……。

テューポーンはそいつらのワンランク下と思ってくれればいい。

おそらく奴らは協定を結んだ僕らの実力を推し量るためにヤツを捨て駒としてぶつけてくるだろうからな。」

「そのテューポーンがどこにいるかは分かってるんですか?」

「やつはヴェルダースのそばにはいない。

元々居た場所でヴェルダースの指示に従って動いているんだ。

さっきも言ったが討伐作戦は明後日。詳しいことは明日 団員達を集めて話す。」

 

「では総隊長、今日はこれからどうしたらいいでしょうか?」

話し終わったルベドにハッシュが口を開いた。

「彼女達にはもうゆっくりして貰う。

今日は朝からチョーマジンと交戦して2度も解呪(ヒーリング)を使い、そしてさっきも君と戦わせたんだ。

もう彼女は限界だろう。」

「わかりました。」

 

「夕食の時までゆっくり休んでてくれ。味の方は保証できる。何せ君らの嗜好を知るためにハッシュ君に食事処に潜入させたんだからね。」

 

***

 

その後 蛍はハッシュに促されて用意された部屋に連れられた。

 

「………広ォ………。」

蛍が部屋に入った直後の率直な感想がそれだ。

そこがただ客人を泊まってもらうためだけに作られたということが信じられなくなるくらいに。

 

広さは昨日の宿とは比べ物にならないし、ベッドもとても大きかった。

貴族に対してホテルとして営業すれば成功するのではないかと率直に思った。

 

「僕は隣にいるから、何かあったら遠慮なく呼んで。」

ハッシュは部屋を後にした。

 

蛍はそれから夕食までギリスに星聖騎士団(クルセイダーズ)のことを聞いて時間を潰すことにした。

 

 

***

 

「ふぁーー さっぱりしたーー!」

「気持ちよかったでしょ?ここのお風呂、聖水も入ってるんだよ!」

蛍はハニと一緒に入浴を済ませてきたところだ。

 

その前に彼女は団員たちと会食をし、これから一緒にヴェルダースと立ち向かう彼らと親睦を深めた。

 

「今 夜の9時くらいだけど、もう寝るの?」

「はい。なんかもうヘトヘトで。慣れるまではこんな生活が続きそうです。」

 

蛍はハニと別れ、自分の部屋へと向かった。

 

「……彼女()狙ってるの?」

「ハッシュ君!そんな言い方ないでしょ?

私はただ蛍ちゃんが心配なだけなのに!」

「ただ心配なだけなら安心できるんだけどね。あなたのその性別問わないプレイガールっぷりを見せられちゃそうもいかないよ。」

 

そう。ハニは俗に言うバイ・セクシャルなのだ。それだけでなくとても惚れっぽい性格であり、今までに何人の少年少女に手を出そうとし、星聖騎士団(クルセイダーズ)の手を焼かせてきた。

 

「それとも何?ハッシュ君が蛍ちゃんを狙ってるの?」

「冗談を言うにも選んだ方がいいよ。

僕がそんな下心で組織に入ったって言う気なの?」

「いや。そりゃないね。」

「全く 失礼なことだよ。」

 

ハッシュは足早に蛍のいる部屋に向かった。

 

「入るよ。」

ハッシュが部屋に入ると、

 

ガーッ グーッ

 

蛍は既にベッドの上で熟睡していた。

 

「ハッシュ、何か話しに来たか?蛍ならさっき寝てしまった。」

「そう。」

 

まだ夜の9時だと言うのに。戦ウ乙女(プリキュア)として戦うことはこんなにも体に負担をかけるのか。

 

「なぁハッシュ、ルベドはまだ起きてるか?」

「当たり前でしょ。こんなに夜が早くて一国の王が務まるわけないじゃないか。」

「じゃあルベドの所に行っていいか?

あいつと色々話がしたいんだ。」

「わかった。」

 

ハッシュに連れられてギリスはルベドの事務室に向かった。

 

「三番隊隊長ハッシュ・シルヴァーンです。

客人 ギリスが面会を希望しています。」

『そんな堅苦しい言い方しなくていいんだぞ。』

『これくらいやっておかないと開けてくれないんだよ。』

 

事務室の扉が開いた。

 

「ギリス、どうしたんだ こんな遅くに。」

「お前とこいつ(・・・)とで話がしたかったからな。」

「こいつ?」

 

ギリスの隣にはフェリオがいた。

フェリオが目の前の机に水晶を置いた。

やがて水晶に浮かび上がる。

 

「ギリス、どういうつもりかしら?女の子をこんな遅くに呼び出すなんて。」

「俺じゃない。前を見ろ。」

 

「……前?

ああ!!! ルベド君!!!」

 

やれやれ。何なのだ この温度差は。

ギリスが呆れともとれる感情にある中、女神と勇者は再会を喜びあっていた。

 

「本当にルベドはラジェル様と友達だったんだファね……。」

「そういうことだ。お前達はもう部屋に戻ってくれ。水晶は持って帰るから。」

 

フェリオとハッシュは事務室を後にした。

 

それを確認した後、ギリスはルベドの前に座り、ラジェルが映る水晶を自分たちの間に置いた。

 

「話は聞いてるわ、ルベド君。まずは蛍ちゃんに活動の場をくれた事、そしてギリスと私が仕切っていた魔人族の政治をしてくれた事、本当にありがとう。」

「俺からも礼を言う。」

 

「おいおい 堅苦しいじゃないか。

むしろ感謝したいのは僕らの方だ。正直いって今の僕らじゃヴェルダースを倒すことは叶わなかっただろうからね。

あの戦ウ乙女(プリキュア)と協定関係が結べた事、心からありがたく思ってるよ。」

 

「それで、今 戦ウ乙女(プリキュア)はあの蛍だけなのか?」

「今は1人だが、候補なら1人いる。

お前もよく知ってる、リルアだ。」

「彼女か。確かに仲間になれば百人力だな。だけど居場所はわかってるのか?」

「それはまだ分からない。お前たちの言うテューポーンを討伐してから探すつもりだ。」


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