転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「リア!! リア!!!」
「━━━━━ん、
お、お兄ちゃん? どしたの………………?」
後のガミラ、ギレンは興奮半ばに妹であるリアの病室へと駆け込んだ。彼は早くに両親を亡くしており、唯一の肉親が妹である。
リアは当時 13歳で、全身に大病を患って病院のベッドで寝たきりの生活を強いられている。
「……………そうなんだ。
じゃあお兄ちゃんの
「おう!!」
ギレンはかつて《勇者》というものに憧れの感情を抱き、それになりたいと思っていた。しかし自分は勇者になれないと分かると、代わりに《勇者の役に立てる男になりたい》という夢を持ち、その為に研鑽を重ねていた。
そしてそれが漸く身を結んだ形である。
***
「……………ハァッ ハァッ ハァッ……………!!!
……ど、どうスか……………!!?」
「…………………」
ギレンは仮採用の身としてラシアスのパーティーの依頼に同行し、単独で魔物を倒して見せた。
「…………… も、もしかして、ダメっすか…………!!?」
「あぁいや、驚いてしまっただけだよ。
寧ろ十分過ぎるくらいだ。まさか
「と、という事は………………!!」
「ああ。申し分無く合格だ。
妹が治るまでと言わずに、しばらくの間 一緒に働いて欲しい。
な? 君達もそれで良いだろ?」
ラシアスは後ろに立っている他の仲間達に声を掛けた。彼の仲間は魔法使いの若い男、戦士の巨漢、そして僧侶の女性の三人だ。彼等もギレンの加入を快諾した。
この日をギレンは今までの苦労の全てが報われた最高の日だと
「取り敢えず今日の所は戻って身辺の整理をすると良いよ。用意が出来次第、一緒に働こうじゃないか。」
「………………!!!!
ありがとうございます!!!!!」
ギレンは喜び故に身体の疲労も忘れて駆け出した。妹の命と自分の夢が一遍に実現した事で最高の気分になっていた。
しかし、その状況の中にあってラシアス達の心中は全く違うものであった。
(……………本当に、本当に期待以上のヤツが釣れた。
お望み通り、しっかりと
***
「……………僕は優しいからもう一度だけ言ってやるよ。
君が無事に助かるには僕の言う事に従うしか無いんだ。」
「し、しかし無茶だ!!!
そんな事が許される筈が……………!!!」
時刻は夜。
ギレンが家で働く為の準備を整えている頃、ラシアスは彼から聞き出した病院に押し掛け、そこの院長に詰め寄っていた。そして彼等は命令を出す。
それは『ギレンを手放さない為に妹の病状を悪化も完治もさせない程度の治療をさせる』というものだった。
「…………つまり、僕の言う事が聞けないと言う事だな?」
「━━━そ、そうだ!!! たとえ勇者であろうとも医者のプライドに掛けてもそんな真似は出来ない!!!!」
「ハ?? 医者のプライドに掛けても???」
院長の言葉を聞いた瞬間、ラシアス達は笑い出した。それは勝ち誇っているようでも院長を嘲ているようでもあった。
「………それなら仕方無い。
「!!!! ま、まさか私を拷問でもする気か!!!?
そんな事をすればいくら君達でも━━━━!!!!」
「拷問? そんな真似する筈が無いだろ。
………いや、
おい、あれを。」
「……………?
ッ!!!!!」
ラシアスは仲間に指示を出し、一枚の書類を手に取った。それを見た院長は驚愕し、表情が青ざめていく。
「どうやらこれが何か分かったようだな。
そうだ。君が領主に貢ぐ金を誤魔化しているという証拠だ。逆らうならこれを今すぐにでも公にする。
そんな事になれば君は一巻の終わりだ。下手をすればあの《アルカロック》にぶち込まれるかもしれないな。」
「………………!!!!!」
院長は真っ青になって項垂れた。この時になって漸く先程 何故彼等が『医者のプライド』という言葉を笑ったのかが分かった。
「さ。話す事はこれくらいかな。
纏めると君の運命は二つに一つだ。僕らの言うことを聞いて今の地位を守るか、僕らに逆らって残りの人生を地獄で過ごすか。
どうする?」
「~~~~~~~~!!!!!」
院長は顔を顰めて項垂れていた。それは即ちラシアス達の言う通りにする事を意味していた。
そしてこれが後に起こる