転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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262 明かされる勇者の闇!! 語られる死神誕生秘話!!! (始動編)

「━━━おい君、例のものは用意出来ているだろうな?」

「は、はい。もちろんですよ。

一週間分の水と食料でしたよね? こちらに。」

 

ギレンの口を封じた数日後、ラシアス達は拠点にしている町の店に来ていた。遠征の為の備蓄を用意しに来たのだ。

 

「…………あの、こんなことを言うのはあれですが、お代はちゃんと払って頂けるんですよね?」

「ハ?」

「!!!!!」

 

姿勢を低くして質問をした店主に対し、ラシアスはあまりにも冷ややかな睨みを返した。

 

「言った筈だよな? 依頼を達成したらそれで払うと。それとも、僕が言ってる事が信用出来ないとでも言うのか?」

「い、いえ、そういう訳では………………」

「良いか? 僕達は勇者だ。 この世界の為に必死になって戦ってるんだ。君達はそんな僕達の()()()()()()()んだぞ。

それを感謝しなければならないって事を忘れるな。」

「は、はい。 それはもちろん。」

「なら良いんだ。 これからもよろしく頼むよ。」

 

食料や水を袋に詰めて、ラシアス達は町を後にした。彼らの姿が完全に見えなくなった瞬間、店主は内に秘めた感情を吐露した。

 

「………クソッ!!! あのクソガキ共が………………!!!!」

 

既にラシアス達は何回もの支払いを滞納している。しかし、これから店主にとって良い事と悪い事が同時に起こる事を彼はまだ知らない。

 

 

 

***

 

 

 

「━━━━ふう。 意外と重いな。」

 

人気のない山道に入り、ラシアスは額に汗を滲ませてぼそりと呟いた。

 

「こんな時に()が一人でも居れば楽なんだがな。」

「その事は言わない約束だろ!

しかしまさか看護婦如きに出し抜かれそうになるとはな。」

「全くです。私達に逆らうなどと愚かな人間も居たものです。 始末はつけたのですよね?」

「………いや、その必要は無い。」

 

ラシアスの仲間達がギレンと病院の看護婦について話し始め、ラシアスがそれに割って入った。

 

「その看護婦なら院長が始末をつけたそうだ。

妹の死も偽装してその責任は看護婦に押し付けてしっぽ切り。少なくとも僕達に危険が及ぶ可能性は無いよ。」

 

ラシアスは悪びれもせずに笑いながら口を開いた。彼にとって看護婦の人生など歯牙にもかけない些事なのだ。

 

「だけどあいつを使()()()()()()()()のは運がなかったな。ほとぼりが冷めたらまた募集でもかけるか━━━━━━━━

? おい、どうした?

 

!!!!?」

 

ぱたりと仲間達の声がしなくなった事を不審に思ったラシアスは振り向いた。そして彼の目は信じられない光景を目の当たりにする。

三人の仲間達は首から上が無かった。首の断面から鮮血を吹き出し、そして地面に倒れ伏した。

 

「な、なんだこれは!!!!?」

「━━━━━━━━よう。」

「!!!!!

き、貴様かァ!!!!!」

 

骸と化した仲間達に気を取られたラシアスは後ろから不意に声を掛けられ、反射的に剣を抜いた。

しかし彼の剣が相手に命中する事は無かった。逆に彼の身体は後ろに傾いた。その理由を理解した瞬間、彼の顔は真っ青に染った。

ラシアスの両脚は両断されていた。

 

「ぐ、ぐああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

貴様ぁああああああああああああああああ!!!!!」

「おーおー、痛えか? 痛てぇよな?

そんな脚じゃもう勇者活動なんて出来ねぇわな。」

「な、なんだ貴様はぁ!!!!!

この僕を一体誰だと思ってる!!!!! こんな事をして、ただで済むと思っているのかぁあ!!!!!」

 

ラシアスの頭にあったのは両脚の痛みと目の前の男への激しい怒りだけだった。その男は髑髏の仮面を被り、マントを羽織っていた。

そして手には巨大な鎌が握られていた。その刃には真新しい血が滴っている。仲間達の首を落としたのもラシアスの両脚を切り落したのも全てこの鎌だ。

 

「てめぇが誰かだと?んな事ァ分かりきってんだよ。

なんせ俺ァてめぇと働いてたんだからなぁ!!!!」

「!!!!? ば、馬鹿な!!! 貴様は━━━━━━!!!!」

 

男は徐に仮面を外した。その顔を見てラシアスは驚愕した。肌は緑色に変色して痩せこけているがその顔は間違い無くギレンそのものだった。

 

「━━━そんな筈があるか………………!!!!!

魔物が湧いて出る森に置いたんだぞ…………!!!! 魔物に食い殺されて死ぬのが貴様の義務だ!!!!!」

『其の義務を、我が覆したからだ。』

「ッ!!!!?」

 

不意に背後から聞こえた声にラシアスの背筋は凍り付いた。地の底から響くかのような不気味な声だった。

 

『其の()()で此奴は生き延び、そして貴様はこんな目に遭っている。我等が憎かろう。憎め。存分に憎め。

━━━しかし、()()()()の事は一切許可しない。報復する事も傷を付ける事も叶わず、無念に身を焦がした儘に死ぬが良い。』

「━━━━━貴様は何者だ?」

『? 何者か だと?

『関係性』という意味ならばこう答えよう。

我は我の都合で此奴に貴様等に復讐出来るだけの力を与えた者だ。その反動で此奴の種族は蟲人族に変わってしまったがな。

因みに此奴は最早 ギレンでは無い。ガミラと云うのが今の此奴の名前だ。』

「━━━━━そうか。

つまり貴様が!!!!! この僕を本気で怒らせた度し難い愚か者かァ!!!!!」

『そうだ。だからどうした?』

「ッ!!!!?」

 

怒りに任せて剣を振りながら身体ごと背後を向いたラシアスは再び驚愕した。後ろの声の主は人間では無かった。

辛うじて分かるのはその声の主の色が紫色である事と大きさが巨大である事、そしてその姿が()()()()()()かという事だ。

 

「ド、ドラゴン…………………!!!!?」

『………貴様が()()見えるならば()()なのだろう。しかし貴様の抱く印象など我にとっては問題では無い。』

「!!!! は、離せ!!!!!」

『そうはいかない。此奴との契約によって此奴には我の野望の為に尽力する義務があり、我にも此奴の復讐に手を貸すという義務がある。

故に貴様にあるのは()()()によって切り捨てられる道だけだ。』

「~~~~~~~~!!!!!」

『後、先程の貴様の質問が『我の正体』という意味ならばこう答えるとしよう。

我は厄災《ヴェルダーズ》。貴様等の悲劇()の元凶にして、この世界を否定する者だ。』

「!!!!!」

 

それがラシアスが最後に聞いた言葉になった。ラシアスはガミラの手によって真っ二つに両断された。

後にこの事件は迷宮入り事件の一つとして話題に登る事になる。

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