転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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264 勇者とはなに? 凱旋の夜明けの時!! (前編)

時は深夜、場所は魔法警備団 本部近くの森の中

キュアカーベルとガミラの互いの最後の攻撃がぶつかり合った。

その轟音と風圧は凄まじく、サリアとロノアは瞬時に決着の時が訪れた事を理解した。

 

「ウルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「ハァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

ブレイブの目は今までで一番凄まじい攻防を捉えていた。カーベルの《暴風之神(ルドラ)》とガミラの《冥界之王(ハデス)》の力は互角。勝負を分けるのは二人に残された体力と精神力だ。そしてもう一つ、勝敗を決める要素は《仲間からの援護》だ。

 

(~~~~~~~~~!!!!

う、動かなきゃ!!! カーベルの力にならなきゃ……………!!!!)

 

一撃でもガミラに攻撃を入れる事が出来ればカーベルが全てを終わらせてくれる。この悪夢なような夜を誰も欠けずに乗り越え、朝日を拝む事が出来る。

それが分かっていながらもブレイブは自分の身体を動かせなかった。最早彼女には指一本さえ動かす体力は残っていなかったのだ。

 

しかし、敵はその限りでは無かった。

 

「先輩!!!」 「ガミラ!!!」

「!!!!!」

「!!! テメェ等……………!!!」

 

森の中からロノアとサリアが姿を現した。相手の姿が見えない事から一瞬の隙を突いてこの場に姿を現したのだ。ブレイブの目にはその光景が絶望にも似た最悪に写った。しかしカーベルは一瞬にしてこれを《好機》と解釈した。

 

「態々 網に入ってくれるとは好都合です!!

このまま全員 一網打尽に━━━━━━━━━」

「させっかよォ!!!!!」

「!!!!?」

 

カーベルは暴風を分散させてロノアとサリアも同時に仕留めようとした。しかしそれは悪手だった。カーベルの意識が二人に逸れた瞬間に拮抗は崩れ、ガミラは全ての力をカーベル 一点に集中させた。それは打算無しで二人を()()為だった。

 

「ウラァっ!!!!!」

「!!!!! (しまったッ━━━━━━!!!!!)」

 

ガミラの死力を尽くした攻撃はカーベルの起こした暴風を真っ向から掻き消した。ブレイブの目にはそれが明らかな《敗北》に映った。

彼女の予想の通り、出来事の意味を理解したロノアはサリアに檄を飛ばした。

 

「サ、サリア!!!

即刻 勇者に止めを刺せ!!!! 僕は妖精の方を始末する!!!!」

「わ、分かった!!!」

「~~~~~~!!!

させませんよ!! 《旋風之神(ミカエル)》!!!!」

『!!!!』

 

自分の攻撃を弾かれて尚、カーベルは更なる策を講じた。ブレイブと自分の周囲を防御力を乗せた《旋風之神(ミカエル)》の風で覆い、防御を固めた。旋風による籠城戦を選択した。

 

「悪足掻きをするな キュアカーベル!!! オルドーラ達がここに来るまでにはまだ幾許か余裕がある!!! それにお前に残された体力など高が知れている!!!

そんなそよ風のような防壁などすぐに破ってみせるぞ!!!」

「そうだよ!!! どの道あんた達はここで全滅するの!!!!」

「━━━━いや、これ以上はもう無理だ。」

『!!!?』

 

ロノア達がカーベルが展開した旋風の防壁を強引に突破しようとした瞬間、ガミラは口を開いた。

 

「…………ロノア、サリア、お前らは撤退しろ。

…………俺はここまでみたいだ。

 

ガフッ!!!!!」

『!!!!!』

 

その瞬間、ガミラは口から何リットルとも思える程の血を吐き出した。更に左肩と右腹は裂け、膝から崩れ落ちた。

 

「せ、先輩!!!!!」 「ガミラァ!!!!!」

『━━━━おいお前達、聞こえなかったのか?』

『!!!』

『ガミラは『撤退だ』と言ったのだ。作戦は完了だ。即刻戻って来い。』

『!!!!』

「!!!!?」

「こ、これはまさか━━━━━━━!!!!」

 

その瞬間、ロノアとサリアの背後に魔法陣が浮かび上がり、そこから伸びた巨大な腕が二人を担ぎ上げた。ブレイブとカーベルはその正体を直感で理解した。

 

「お、お待ち下さい陛下!!!!

私達はまだ何も達成出来ていません!!! 勇者も魔王も新参者も未だ存命です!!!!」

「そうですよヴェルダーズ様!!!

まだ負けてませんよ!!! 今なら勇者を倒せます!!! このチャンスを逃す訳には━━━━━━」

『違う。この作戦の目的は誰かの始末では無い。そも勝ち負けも問題では無い。

直ぐに戻って来るのだ。』

『!!!!』

 

ロノアとサリアはその言葉を聞いた瞬間に口を閉じた。ヴェルダーズの言葉の中に《有無を言わさない》という意図を感じたからだ。

 

 

 

***

 

 

(…………あー痛ってぇ。身体中が痛てぇ。

………()()()()もこんな気持ちだったのか。だからなんだって訳でもねぇけどな。

後悔も詫びの気持ちもねぇ。偽物(クズ)共は斬られて当然だ。

 

………ロノアとサリアは、無事に帰れたか。作戦はちゃんと終わった。こんな俺がやってこれなら御の字か。

…………疲れた。そうか。俺ァ疲れたのか。俺の心はあの時死んだんだ。その後でこれなら、まぁ充分か。)

「! てめぇ………………」

「………………………………」

 

地面に倒れているガミラの前にはブレイブが立っていた。カーベルの反対を押し切って風の防壁から出たのだ。

 

「………ねぇガミラ。間違ってたらごめん。

あなた本当は、勇者が()()だったんじゃないの?」

「!!!!!」

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