転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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265 勇者とはなに? 凱旋の夜明けの時!! (後編)

『お前達、もう一度だけ言う。

作戦は完了だ。即刻撤退するのだ。』

『━━━━━━━はい。』

 

腕の正体であるヴェルダーズは二人を魔法陣の中に引きずり込んだ。その行為はヴェルダーズにとっては二人を安全に撤退させる為のものだった。

 

 

***

 

 

「━━━━━━今なんて言った? 俺が 何を好きだって?」

「……違うならそうと言ってくれれば良いよ。

私にだって分かるよ。《好き》と《嫌い》って感情は深く関わってるって。あなたがそんなに勇者を恨むのは、それだけ好きだって気持ちを裏切られたからでしょ!?」

「……………………!!!!

(そうだよ!!! 俺ァ勇者が好きだった!!!!

()()()()()()()()居ない勇者をな!!!)

 

………だったらなんだってんだ? 俺が勇者(クズ)共を好きだったらどうだってんだ。

俺を許してくれんのか?助けてくれんのか?

そんな訳ねぇよな!!! てめぇは俺達みてぇなどうしようもねぇ連中を倒すために動いてる()()だもんなァ!!!!」

「…………確かに、昼間の人達を、ギリスを、あんな目に会わせたあなたを許す事は出来ないし、助ける事も出来ない。」

「やっぱりなァ!!! だったらこんな事やらずに黙って俺が死ぬのを見届けろよ!!!

中途半端に善人ぶってんじゃ━━━━」

「だけど、

あなたの事を()()()事は出来ないけど、あなたの心を()()事は出来る。」

「!!!?」

 

ブレイブは倒れているガミラの目の前に座った。カーベルはその危険な行為を必死に止めるように諭すが、構わずに口を開く。

 

「あなたに何があったのかも分からないし、許す訳にもいかないけど、()()は出来る。

ラジェルさんがくれたこの(刀剣系究極贈物)に掛けて、私はあなたが嫌うような勇者には絶対にならない。この力が身の丈に合わないって言うならそれに見合うだけの勇者になる。あなたみたいな悲しい人が二度と生まれないようにする。それを見ていて欲しいの。」

「…………………………!!!!!」

 

その時ガミラは見た。

敵である筈の目の前の少女が輝いて見えた。そして彼は悟った。

自分が憧れた、()()()()()()()()居なかった勇者はたった今、この世に現れたのだ。

 

「……………うるせぇよ。」

「!?」

「何で俺がてめぇの言う事聞かなきゃなんねぇんだ。てめぇは俺なんか 気に掛けなくなって良いんだよ。

俺ァ何人も殺しちまった血みどろの人間だ。勇者に倒されて当然のクズは、俺の方だったんだよ。」

「ガミラ………………!!!」

 

それがガミラ・クロックテレサの最期の言葉になった。その言葉を吐き出した瞬間、意識は朦朧とした。しかし彼の言葉は心の中で続いていた。

 

 

(…………リア、今になってやっとわかったぜ。

…………………俺が本当に恨んでたのは、本当に許せなかったのは、勇者への憧れを捨てきれずに身の丈に合わねぇ夢にお前を巻き込んじまった、俺自身だったんだ。

 

俺がもっとちゃんとした仕事をやってたら、親父の誘いを断ってたら、こんな事にゃならなかった。)

(━━違うよ お兄ちゃん。)

(!!!)

 

ガミラの目の前にはリアが立っていた。直ぐにそれが幻覚だと理解したが、それを認める事は出来なかった。幻覚だと分かっても妹の言葉に耳を傾ける。

 

(━━━()()()のお兄ちゃんは何も間違って無かったよ。私の為に頑張ってくれて、本当に嬉しかった。だけど()()()は間違えちゃったんだよ。

それに気付いたなら、ちゃんと謝りに行こう。いつか許して貰えたら、その時はまた一緒に暮らそうよ。)

(………………………!!!!!)

 

その時、ガミラは元のギレン・ガミザラスに戻る事が出来た。それが彼の走馬灯だったのかそうでなかったのはかは誰にも知る由は無い。

 

 

***

 

 

 

「……………ガミラ…………………………」

「終わったのですね。漸く……………

しかし、一体何に涙しているのでしょう。この男は。」

「分からないよ。そんな事。」

 

力尽きたガミラは目から一筋の涙を流していた。ブレイブは彼の涙を拭った。彼女は無意識の内にそうしていた。それが()()だと分かっていてもそうする事が自分の義務だと直感していた。

 

 

「ブレイブ!!! ブレイブ!!!!」

『!』

 

森の中からオルドーラとタロスが姿を現した。しかし二人は彼等が遅れた理由を問い詰める事は無かった。一目見てすぐにその理由が分かったからだ。

タロスはオルドーラに肩を貸していた。遅れたのはそれが理由だ。

 

「済まねぇ! 団長が片脚をやられて動くに動けなくて!」

「俺はいい!! それより敵はどうなった

「!!!」」

 

そこまで言って漸く二人は力尽きたガミラを見付け、事の顛末を悟った。

 

「見ての通りです。ガミラは死んで、他の二人は撤退しました。勝ちか負けかで言えば私達は負けてはいません。もう危険はありませんよ。

ですよね。ブレイブ。」

「……そうだね。私達は勝った。

━━━━━━あ!」

 

その場に居た四人は東の方向に光を見た。それは陽の光だった。悪夢のような長い夜は終わり、誰一人として死ぬ事無く陽の光を拝む事が出来た。

 

「…………終わったんだ。やっと終わったんですよ 団長!!」

「…………そうだな。今までで一番キツイ戦いだった。

勇者女、それに妖精女。取り敢えずは帰るとしようや。」

「そうですね。本部に居る人達にもこの事をお伝えしなければ。」

「……………………………」

 

三人は本部を守り通せた事に心の底から喜んだ。しかしブレイブの心は太陽のように晴れ渡ってはいなかった。ブレイブはガミラを見つめ、そして理解していた。

ガミラが憧れたような立派な勇者になり、ガミラのような哀しい人間が二度と現れないようにする。そうして初めて自分の心は晴れ渡る と。

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