転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

268 / 518
268 最強の厄災の配下 現る!! 再起を誓う桃色の悪魔!! (後編)

「………せ、殱國さん……………!!?

今なんて………………!!!」

「言葉の通りだ。お前に《冥界之王(ハデス)》を讓渡する。此は陛下が決定された事だ。」

 

次の瞬間、殱國の手に紫色の光が灯った。ガミラが死んだ事で《冥界之王(ハデス)》の力はヴェルダーズに戻った。そして今、それが殱國の手に握られている。

 

「む、無茶ですよ…………!!!

そんなもの、私なんかに使()()()()()()訳ないじゃないですか!!!」

「其れは私も同じ事だ。冥界之王(ハデス)()()()()を引き出せた者は陛下を除いて誰一人として居ない。

だが、ガミラは力を引き出し、勇者 ()()()()()()()を後一歩の所まで追い詰めて見せた。ならばお前もそうして然るべきだ。

もう一度言う。ガミラの死に報いたいと願うならば戦え。此の《冥界之王(ハデス)》の力を以て勇者の首を取って見せろ!!!!」

「………………………………!!!

はいっ!!!!」

 

その言葉を聞いて、殱國はサリアの手の錠を外した。そして彼女は殱國の手を取った。

こうして再び《冥界之王(ハデス)》の脅威が勇者に向けられる事となったのである。

 

 

 

***

 

 

『陛下。ご報告します。

無事にサリアの説伏に成功。《冥界之王(ハデス)》の讓渡も完了致しました。』

『大儀であった。戻って来い。』

 

殱國との通信を終えたヴェルダーズは心の中で安堵の息をついた。サリアに()()()魔導女神(ペルセポネ)》は対魔法に特化した能力と()()()()()贈物(ギフト)の使い手と戦わせるにあたって《冥界之王(ハデス)》の讓渡は必須事項だった。それが問題無く行われた事に安堵した。

 

((………こんな感情は魔王を乗り越えた時以来だな。尤も、その魔王とこれから戦わねばならん訳だが。))

「陛下、失礼致します。」

『フォラスか。入れ。』

 

ロノアが辞去した後、ヴェルダーズの前に紫色のゲル状の身体を持つ生命体が姿を現した。その身体は眩い程の光沢を放ち、頭部には骸骨が張り付いている。

彼の名は《フォラス=タタルハザード》。

知性を持つスライムにして、ヴェルダーズの配下の一人である。

 

『態々 我の元に来たという事はセーラを通しては話せない事と言う訳だな。』

「左様でございます。ガミラが敗けたと聞きましたが、本当ですか。」

『無論だ。勇者が刀剣系究極贈物(アルティメットギフト)に目覚めた事が誤算だった。

これは誰の想定すらも超えた事だ。ガミラに落ち度は無い。

して、お前は何をしに来た。』

「は。差し出がましい事を承知の上で言わせて頂きます。

次に勇者が動いた時に、拙者を出させて頂く訳には参りませんか。」

『………理由を聞かせろ。判断は其の後だ。』

 

ヴェルダーズに頭を下げ、フォラスは言葉を重ねる。

 

「勇者の女郎は今頃、ガミラを倒した事で天狗になっている筈です。其処を拙者が叩けば、彼奴の心を折る事が出来るものと思っております。」

()()()()? 始末する気は無いという事か。』

「陛下の()()を妨害する気はございません。()()()()も既に仕上げの段階に入っているのでしょう。」

『…………其れだけでは無いだろう。

まだ理由がある筈だ。包み隠さず話せ。』

「はい。彼奴の心を折れば()()()全体に影響を及ぼします。

………それともう一つ、勇者と因縁があるのはガミラだけではありませんので。」

 

フォラスの鋭い視線を見たヴェルダーズは目を閉じてくぐもった笑い声を漏らした。

 

『其の言葉が聞きたかった。お前が()()()()を持ってない筈が無いからな。

良いだろう。出撃を許可する。作戦でも練り固めておけ。』

「感謝致します。」

 

フォラスは下卑た笑みを浮かべながらキュアブレイブをどんな方法で負かしてやろうかと思考を巡らせた。

 

 

 

***

 

 

 

ギリスとの勇者談義を終えた蛍は朝食として出されたバナナヨーグルトを口にしながら彼との話を続ける。

 

「………ギリス、具体的にこれからどうするかは決まってるの?」

「暫くしたら他の奴らとも通信が繋がる。心配しなくても全員無事だ。他の死者も出ていないそうだ。」

「そうなんだ。良かった………。」

 

戦闘を続けて栄養を使い果たした身体が満たされていくにつれ蛍の思考も鮮明になり、落ち着いた会話が出来るようになった。

 

「話が終わり次第 此処を出る。とは言っても安全を考慮して一度 《魔王城(ヴァヌドパレス)》に集まる。

忘れるな。戦いはまだ終わった訳じゃない。寧ろ仲間が死んだ事で奴等は目の色を変えてくる。少しでも気を抜けば直ぐに命を落とす結果になるぞ。お前も、そして俺もな。」

「………うん。分かってる。」

 

この夜の戦いはカーベルや刀剣系などの奇跡的な巡り合わせが無ければ勝つ事は出来なかった。それが分かっているからこそ蛍は勝ちを喜ぶ事は無かった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。