転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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27 テューポーンとの対決! 瘴気の立ち込める湖!!

「ハッシュとハニはそれぞれ俺の肩を掴み、蛍君も2人の肩を掴んで進むんだ。

はぐれたら二度と戻れないと思うこと。ここの洞窟はそれくらい危険な場所なんだ。」

 

イーラが2人の隊長と蛍に警告をする。

星聖騎士団(クルセイダーズ)のキャリアが1番長い彼の言うことに首を横に振るものはいなかった。

 

「それから蛍君はその変身を解いておく方がいい。君に任せたいのはテューポーンの討伐だけだからな。それ以外は俺たちがやる。」

「わかりました。」

 

蛍は力を抜いてキュアブレーブの状態から戻った。自分がいた世界ではエアコンはすぐつけるならつけっぱなしにしておいた方がいいと聞いたが、戦ウ乙女(プリキュア)の場合はどうなのだろう。

そんなことを思いながら蛍は2人の肩をしっかり掴んで洞窟の奥へと足を進めた。

 

ギリスから聞いた情報によると、この洞窟の奥を進むと瘴気が立ち込める湖に出るらしい。テューポーンはそこに巣食っているのだと言う。

 

「誰だッッ!!!?」

 

突然 イーラが怒鳴り上げた。

蛍がビクッとするのを抑えてイーラが見る方を見ると、岩場の所に4人ほどの男がいた。全員ナイフや杖などで武装している。

年齢は自分より上、高校生くらいだろうか。

 

「お前たち、そこで何をやっている!!?」

「なんだよアンタ!!

こいつは俺たちの仕事(クエスト)だぜ!!」

 

4人の中で1番顔つきのいい男がイーラに言い返した。おそらくこの4人のリーダーというところだろう。

 

「我々はこういう者だ!!」

 

そう言ってイーラは振り返り、背中の七つ星を彼らに見せた。

それだけで星聖騎士団(クルセイダーズ)である証明になった。

 

星聖騎士団(クルセイダーズ)!!!?」

「あの 有名な!!?」

「嘘だろ!!?」

 

男たちはざわつき始める。星聖騎士団(クルセイダーズ)はそれほど有名な集団なのだ。

 

「…俺たちはただクエストに来たんですよ!ほら、この鉱石採集のね!」

 

リーダーと思われる男がイーラにクエストの依頼書を見せた。

 

中級鉱石 3kg以上採取

報酬 20デベル 達成度に応じて任意で上昇

適正ランク F

 

ちゃんと正当なクエストだった。

 

「お前たち、どこのギルドでこの依頼を受けた?」

男が答えたのはかなり田舎の町のギフトだった。

 

「なるほどな……道理で知らないわけだ。

このことは知られていないからな。」

「あの、どういうことです?」

「実はこの奥に凶悪な魔物がいて、我々星聖騎士団(クルセイダーズ)がそれを討伐することになった。」

「本当ですか!!?」

「本当だ。だからここは危険だ。お前たちは早くここを離れた方がいい。」

 

イーラが話し終わった後、4人は奥で話し合い、その後洞窟の出口の方に歩いて行った。

 

 

***

 

 

「ここも危なくなるくらい強いんですか?

テューポーンって?」

「分からんが、危険から離しておくに越したことはない。

万が一彼らがテューポーンと鉢合わせることになれば、間違いなく彼らは死ぬことになった。」

「……!!!」

「おそらく、彼らのギルドランクはFかEというところだろう。

それに目を見れば分かる。彼らはきっとまだ魔物と戦った経験はない。」

「じゃあ、私は?」

「もちろん、ルベド総隊長が言っていた戦士の目をしている。」

 

そんな会話を交わしながら洞窟を進み続けていると、奥に光が見えた。

 

「見えたぞ。あそこにテューポーンがいる筈だ。蛍君、君が頼りだ。気を引き締めてくれ。」

 

蛍は頷いた。いよいよ厄災【ヴェルダース】の手先と戦うのだ。

 

 

 

「ここが………!!!?」

蛍が洞窟を抜けた所は、吐き気がするほどの瘴気が立ち込める湖だ。

その水はどす黒さを持つ紫に染まり、辺りに生える植物もまるで今すぐにでも襲いかかって来そうな殺気に満ちていた。

 

「蛍、君は下がっていた方がいい。テューポーンとは僕達が戦うから、隙を見て君がヤツを叩くんだ。」

蛍の前にいたハッシュが蛍に言った。

 

「いや、私もやるよ!!戦ウ乙女(プリキュア)ならこれくらい出来ないと!!」

「……そう。じゃあ絶対無茶はしないって約束してね?」

 

ハッシュは蛍を気遣ってそう言った。彼は星聖騎士団(クルセイダーズ)隊長の誇りは少しも捨ててはいないが、ギルド【勇気デ戦ウ乙女達(ブレーブソウルプリキュア)】の一員だという自覚も持っている。

 

《プリキュア・ブレーブハート》!!!!!

 

蛍はブレイブ・フェデスタルに剣を差し込み、キュアブレーブに変身した。

 

「ブレーブ、僕にまた解呪(ヒーリング)を!ここにもチョーマジンはいるはずだから!!」

「わかった!!」

 

ブレーブはハッシュの両手に少しだけ解呪(ヒーリング)のエネルギーを注いだ。

 

 

ザパッ!!!

 

その瞬間、紫色の水をはね上げて、巨大な魚がブレーブ達に強襲した。

腹に魔法陣がある。魚のチョーマジンだ。

ブレーブは一瞬で理解した。

 

その魚達の腹に衝撃が走る。ハッシュが腹に一瞬で詰め寄り、プリキュア・ヘラクレスインパクトを見舞ったのだ。

 

そのチョーマジンは着地も許されずただの魚に戻り、地面で跳ねるだけになった。

 

ハッシュがその魚を掴み湖に投げ込んだ後、イーラが湖に怒鳴った。

「邪龍テューポーン!これでわかっただろ!!チョーマジンくらいじゃ我々との決着はつかない!!!

自分が出てくるしかないぞ!!!!」

 

 

馬鹿言え………

 

「!!!?」

湖から声が聞こえた。まるで心の奥に響くようなドスの効いた声だ。これがテューポーンなのか。

 

その言葉の後、湖の水面が激しく揺れた。

 

「何!!?」

「まさか………!!!!!」

 

ハッシュの予感は当たっていた。

湖から無数のチョーマジンが飛び出し、ブレーブ達に襲いかかった。


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