転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
273 いざツーベルクへ! 勇者の旅行が始まる!
「……………着いた。ここが……………!」
魔法警備団での一戦から早数日。
蛍は列車を降り、駅を出ると視界には建物と自然の調和が取れた長閑な風景が広がっていた。
ここは《ツーベルク》という、辺境にある知る人ぞ知る観光地である。そんな場所に蛍はフェリオ、リナ、ヴェルドと共に来た。その理由は、ギリスの提案故である。
***
《チーム分け完了から数時間後》
「ギリス、話って?」
「おう。まぁ座れ。」
蛍はギリスに呼ばれ、彼に宛てがわれている部屋に入った。依然として身体を包帯で巻き、椅子に座っている。
「単刀直入に言うぞ。
お前、旅行に興味は無いか?」
「えっ!?
そ、そりゃ行けるなら行きたいけど、なんでそんな事……!?」
「理由ならある。お前の為だ。」
「私のため?!」
「そうだ。一度
「休む? 何で?」
蛍の質問に、ギリスは目を閉じて一呼吸を起き、口を開いた。
「隠す必要は無い。
お前、この戦いの事をまだ受け止めきれずにいるんじゃないのか。」
「!!!」
ギリスの言葉に蛍は額から一筋の汗を流した。
ガミラという男の死は彼女の心に重くのしかかっている。
「休むのはお前だけじゃない。
俺も他の奴らも一つの戦いを終えて疲弊し切っている筈だ。だから数日の間 活動を控えて万全な状態にする必要がある。
それにとてもじゃないが俺もこの様では碌に戦えそうも無いからな。」
「……そのケガはいつ治るの?」
「フゥとかいう奴が魔力を送り続けるなら、二三日で治ると思うが。」
「そうなんだ。
………じゃあお言葉に甘えて少しだけ遊ぼうかな。」
「それが良い。誰と何処に行くかは既に決めてある。」
ギリスが提案した場所こそが《ツーベルク》、そして四人で行くことを提案したのも彼だ。
「フェリオ、リナ、ヴェルドの四人で行く。それだけ居れば不測の事態が起こっても対処は出来るだろう。」
「いざとなっても変身出来るって訳だね。
それで、どんな所に行くの?」
「それも既に決めてある。ちゃんと人目につかない場所をな。
此処だ。」
「………《ツーベルク》………………?」
それがギリスが見せた本の項に書いてあった文字だ。
*
ツーベルク
それは、魔法警備団の本部から少し離れた返金にある観光地である。中央に建っている巨大な教会とそれを囲うように建っている様々な飲食店が見所の場所だ。
*
「リナちゃん! 見てよ!
すっごい綺麗な場所だよ!!」
「バカみてぇに騒いでんじゃねぇよ。俺ァ来たくなかったってのによ。」
「そんなこと言っちゃダメだよ。折角ギリスがくれた旅行なのに!」
蛍から一足遅れてリナが駅から姿を現した。しかしその顔は穏やかでは無かった。その理由は大きく分けて二つ。
まだマーズ達の死を受け止めきれていない事。そして旅行なんてしてる場合じゃないと思っている事が主な理由だ。
「そもそも旅行っつったってよ、
「んー 確かにそうだけどさ、いつもと違う事したいって事なら、こうゆうのも良いんじゃない?」
「………ってかお前、あんま無理すんなよ?」
「? 何が?」
リナはまるで乗り気の無い表情で蛍に言葉を連ねる。
「分からねぇとでも思ったのかよ。
お前が面の皮引き攣らせてんのは分かってんだよ。
「!!」
「確かガミラっつったっけな? その事件なら俺の里にも情報くらいなら入ってきたぜ。
そいつをやったヤツが死んだんだろ? お前の目の前でよ。」
「………………!!」
今日でガミラ達との戦いから数日が経つが、彼の死は依然として蛍の心に暗い影を落としている。それが敵に抱く感情として不適切である事は分かっているが、蛍はそれを本能として禁じ得ない。
「………確かに、私はガミラを助ける事は出来なかった。だけど、ガミラの心に報いる事は出来ると思ってる。」
「あ? 何が言いてぇんだ?」
「ガミラは、勇者をめちゃくちゃに恨んでた。それは勇者が好きで、悪い勇者に騙されたからだと思うの。
だから私はそんな勇者にならないようにしたいと思ってる。ルベドさんみたいな立派な勇者になる。私にはそうするしかないと思うの。」
「………………………!」
リナは後にその時の蛍の表情を、『ここまで笑顔と困り顔が混ざりあった表情を初めて見た』と語っている。
***
《アヴェルザード》
フォラスは自分の部屋で
「フフフフフフフ。
《ツーベルク》か。人目に付かん辺境に身を隠して骨を休めようとは小癪な真似をしよるわ。
そして武闘家の女郎と二人旅か。殺める事も出来るが其れでは興が冷める。ここは精神に来る灸を据えてやろうとするか。
フフフフフフフフフフフフフ。
ハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」
フォラスは勝ち誇ったように天井を仰いで高笑いを発した。