転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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274 勇者と武闘家の憩い! ツーベルクの一日! (昼餉)

「お待たせ致しました。

オムライス、チーズドリア、ガーリックチキン、シーザーサラダでございます。ごゆっくりどうぞ。」

「はい! ありがとうございました!」

「………………!」

 

ツーベルクに着いた蛍達はまず、空腹を解消する為に店に入った。蛍は出てきた料理の匂いや艶に目を輝かせ、リナは驚いたように目を見張っている。

 

「……こいつが海外()料理()か………………!」

「そうだよリナちゃん。まずは食べようよ。」

「お、おう。」

 

蛍に連られるようにリナはスプーンを手に取り、焼き目の付いたチーズの膜を崩した。そして火が通った黄色い米を掬い、吐息で熱を逃がしてから口へと運ぶ。

加熱された米が舌に乗り味蕾を刺激すると、リナは目を見開いて顔を上げた。

 

「美味ぇ…………! こいつが海外()の飯か…………!」

「美味しいでしょ?

というか、里から出て時間が経ってるんだからご飯くらい食べてるんじゃないの?」

「んな余裕あるかよ。里から出りゃ直ぐに監獄行って、その後ァずっと騎士団の本部に居たんだからよ。」

「じゃあ、その時に食べたのは?」

「あのルベドって総隊長さんが気ぃ使ってくれてよ、飯ァ里で食ったのと遜色ねぇモンを用意してくれたんだ。

……尤も、あん時ァ飯も碌に喉を通らなかったけどな。」

「!!

………分かるよ。私もそうだったもん。」

 

蛍は記憶に新しいガミラとの戦いの次の朝の事を思い起こしていた。あの時も身体は栄養を欲していたが、精神面では何も喉を通らない気がしていた。

倒すべき敵とはいえ人間の死を目の当たりにした二人の思う所は同じである。

 

「なぁ、お前が頼んだこの鳥の焼いたやつは二人で分けんだよな? ってかこんなに頼んで大丈夫なのか?

食えんのかとか金は大丈夫なのかとかよ。」

「そうだね。まぁ予算(お金)の事は気にしなくていいよ。ホテルの分さえ取っておけば後は自由に使って良いって言われてるし。」

「そうかよ。」

 

蛍は全員分の旅行資金としてギリスから600デベル(=六万円)を受け取っている。そして蛍達が泊まる予定の宿の一泊の宿泊料は100デベルであるため、400デベル(=四万円)を自由に使っていい計算である。

ギリス曰く、600デベルは蛍がギルドの依頼をこなしたりギリスの為に奮闘してくれたそのお礼との事だ。

 

「まぁなんにせよ、このご飯も旅行も全部私達が頑張ったご褒美みたいなもんなんだから、めいいっぱい楽しもうよ。

ね、フェリオ!」

「そうしようファ!」

 

蛍の肩からフェリオが、リナの肩からヴェルドが姿を現した。人目につかない位置に腰を下ろし、蛍が出した鶏肉が乗った皿を受け取った。

 

「私とリナちゃんが三分の一でフェリオとヴェルドが六分の一。二人はそれで十分だよね?」

「ファ!」 「まぁな。」

 

フェリオとヴェルドは子供用のフォークで切り分けられた鶏肉を口に運んだ。小型の妖精の状態ならその分量で十分だという算段だ。

その一方で二人が食べる様子を見た蛍は頭に一つの疑問を持った。

 

「………ねぇフェリオ、ヴェルド、」

「何ファ?」

「二人ってさ、妖精の姿と人間の姿って()()()()()()姿()なの?」

「!

……………いや、()()()()私達の姿ファ。」

「そうだな。俺らは()()()()()を併せ持った存在だからな。ま、()()()()なのは人間の姿だけどな。」

「そうなんだ。そんな生き物がいるんだ…………」

 

改めてフェリオやヴェルドが他の生物とは異なる不可思議な存在であり、彼女達を産み出したラジェルはギリスと同じくらい凄い人間なのだと蛍は再確認した。

 

 

***

 

 

《ツーベルク中央の教会》

 

「………おや、この辺りでは見ない顔ですな。観光客ですかな?」

「はい。この教会はこの町一番の観光地と聞いたので、一度訪れておきたいと思っていたんです。」

「分かりました。

では、貴方の旅路に神の御加護がありますように…………………」

 

(━━━━フフフ。神の御加護か。

そんなものがあるなら俺は()()()()なんか思い付かなかっただろうよ。)

 

蛍達がツーベルクの料理に舌鼓を打っている頃、町の中央にある教会の主である老齢の神父の前に眼鏡をかけた一人の男が姿を現した。

しかし神父も教会に居る者達もその男の心中を、そして彼の持つ鞄の中に彼の望みを叶える道具がある事を知らない。この平穏なツーベルクという街に未曾有の危機が迫る事をこの時はまだ知らない。

 

更に、この男もこの時はまだ知る由もない。

これから自分のやろうとしている事が思いもよらない横槍によって失敗に終わる事を。その横槍の手によって他でもない自分の命が危険に晒されるという事を。

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