転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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276 勇者と武闘家の憩い! ツーベルクの一日! (信仰)

「━━━す、凄い……………!!!」

「そうでしょう。これこそが観光客に人気の理由です。尤も、それ目当てではありませんがね。」

 

蛍達はジェームズに連れられて教会に入り、その壁の光景に目を奪われていた。

その壁には色の付いた硝子を敷き詰めて女性を描いた芸術品が飾られていた。外から入ってくる太陽光を反射して鮮やかに輝いている。蛍はその芸術品の名前を知っていた。

 

「これってもしかして、ステンドグラスですか………!?」

「そういう呼び方もあります。これには教会内を太陽で照らし、窓を飾る目的があります。

そして、この作品もまた偶像崇拝の一環なのです。」

「偶像崇拝? 神様の姿を作品にして祈るっていう、あれですか?」

「その通りです。あの作品に描かれている方こそが、このツーベルクを護っていただいている、《太陽の神様》なのです。」

「太陽? って事ァこの町には太陽信仰が伝わってんのか?」

「そうです。このツーベルクにはこんな話があるのです。」

 

 

*

 

 

遥か昔、ツーベルクという町は太陽の光が滅多に差さず、毎年のように作物が育たず、飢え死にする物が後を絶たなかった。

そんな彼等がある日、町の中心に教会を建てて祈りを捧げると、雲が晴れ、町に陽の光が差した。それをきっかけとして町に光が戻り、町の人間は救われたのである。

 

 

*

 

 

「これがこのツーベルクに伝わる神話でございます。」

「……なるほどな。

って事ァつまりあのガラスに描いてある女の人はその町を助けてくれた太陽の光を見えるようにした結果って訳か。」

「その通りです。今のツーベルクがあるのも偏に太陽(神様)のご加護があるからだと、少なくとも私達はそう信じております。」

 

ジェームズを話を聞き終えたリナは再び硝子で描かれた《太陽の神》を見、心の中でツーベルクに伝わる信仰への思いを述べた。

 

(………太陽の神サマを信じる か。それも結構だな。

太陽の光にあやかってんのは俺らの里も同じだしな。もっかいジジィに会ったら、龍神様の事を聞いてみっか。)

「━━━おや ジェームズさん。そちらの方々は?」

『!』

 

蛍達の前に、ジェームズより一回り歳を重ねたように見える老人が姿を現した。

 

「神父様。こちらの方々も観光客でございます。この教会に関心があったようでしたので、私がご案内致しました。」

「そうだったのですね。

初めまして。私、この教会の司教をさせて頂いている、《ウィンディージ》と申します。全く今日は良い日ですね。観光客の方が三人も来ていただいた上に、竜人族の方まで訪れていただけるとは。」

『!』

 

ウィンディージと名乗った神父の言葉に思う所があったのか、リナの眉が動いた。

 

「? 如何されましたか?」

「……いや。ちょっとムッと来ただけだ。

あんたの目にゃ俺の事は《竜人族》って括りでしか見えてねぇのかと思ってよ。」

「ち、ちょっとリナちゃん!」

 

ヴィンディージに対して斜に構えた態度を取ったリナを蛍が制した。

 

「いえいえ、それは誤解ですよ。

私達 ()()がそうであるように、貴女達も《種族》ではなく《個人》で見る事が大切だと分かっていますから。」

()()ねぇ。竜人族(俺達)もちゃんと人間やらせて貰ってるつもりなんスけどねぇ。」

「ちょっとリナちゃん いい加減にしてよ!

何をそんなに気分悪くしてるの!?」

「別に。ただ監獄といい教会(ここ)といい、ずっと世間離れした所に行かされてると思ってよ。」

「!!!」

 

リナの返答に蛍は顔を青くさせた。彼女の言葉の中に失言と言える要素を見出したからだ。

 

「!? 監獄!?

どういう事ですかな!?」

「ち、違うんです!!

監獄っていうのは、そう呼ばれてる場所があるってだけで、本当の監獄に行ってる訳じゃ無いんですよ!!

それと、ここにトイレってあります!? あるなら行っておきたいなーって━━!!」

「御手洗なら、奥にございますが。」

「そ、そうですか! 良かったー!

リナちゃん、一緒に行こう!! ね!!?」

 

リナの返答も聞かずに蛍は彼女の手を引いてウィンディージが指差した奥の方へと駆け出した。神父達に質問する間を与えない為だ。

 

 

***

 

 

 

「━━━フゥフゥ!!

ここまで来れば━━━━!!

!!」

「ってぇな!! 離せよテメェ!!

何だってんだよ 急に血相変えたりしてよ!」

「何だじゃないでしょ!! なんて事言ってるの!!」

「あ? 何が?」

「だから監獄に行ったなんて言ったらダメに決まってるでしょ!!? 普通の人はそんな所に行ったりしないって分かるでしょ!!?」

「……………………………………

あー!! そういう事かよ!」

「そういう事だよ。分かってくれた?」

 

自分の間違いを理解したリナは蛍の手を振り解く程の不機嫌さから一変して落ち着きを取り戻した。

 

「ま、それくらいどうって事ないけどね。

だけどもうこの町の人に不機嫌な態度取らないで。それで許してあげるから。」

「…………………………

おう。」

 

口での勝ち目が無いと悟ったリナは蛍に頭を下げた。

 

 

***

 

 

(━━━━━フッフッフッフッフ。

呑気に駄弁り合っておるわ。)

 

蛍やリナ達がツーベルクの教会にいる頃、その様子を教会の窓から覗いている者が居た。フォラスが細胞を分裂させて作った分身体だ。

 

(さぁて。この小生意気な小娘共の心をどのようにしてへし折ってやろうか。

━━━━ム? この匂いは━━━━!!

 

…………フフフ。そういう事か。それならいずれここで()()が起こるな。

ならば…………………

フッフッフッフッフ。

ハッハッハッハッハッハーー!!!)

 

これから教会で起こる事を推理したフォラスは心の中で高笑いを上げた。

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