転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「なぁ、俺達の部屋ってどこだ?」
「二階の三号室だよ。結構広いとこを取ってあるから。」
ツーベルクの教会を一通り見て回り、時間は数時間程経過している。時間帯は宿に入る(≒チェックイン)事のできる頃となった為、蛍達は宿に向かった。
現在は鍵を受け取り自分達の部屋に向かっている。
「ほら、ここだよ。早く入ろう!」
蛍達が宛てがわれた三号室の扉は木でできた濃い茶色の扉に赤銅色の鍵穴が付いていた。受付に貰った鍵を鍵穴に差し込んで回すと『カチャリ』という音と共に解錠した。
「おー!! 結構いい部屋じゃん!」
扉を開けて部屋の中を見た蛍は明るい声を上げた。部屋は八畳程の広さがあり、窓からはツーベルクの景色が良く見渡せる。しかしリナは声までは上げなかった。その部屋に一つだけ喜べない点を見つけたからだ。
「? リナちゃんどうしたの?」
「…………いや、ただ
龍の里にはベッドというものは存在せず、その為リナは里外にあるベッドという物を《箱布団》と呼んでいる。そしてこの部屋にあるベッドはダブルサイズであった。
「なに? ダブル嫌だった?」
「嫌っつーかお前、これって二人で一緒に寝るって事だろ?」
「なんで? 一緒に寝たくないの?」
「お前は嫌じゃねぇのかよ。好きでも無いヤツと一緒に寝るなんてよ。」
「好きでも無い? 私はリナちゃんの事好きだよ?」
「!!?」
「だって私達もうお友達でしょ? そもそも里にいた時も一緒に寝てたじゃん。」
「…………!!」
蛍の無邪気な発言にリナはバツが悪くなったように顔を背けた。
「バカが。別々の布団で寝るのとこいつとじゃまるで訳が違ぇだろ。」
「え?」
「そいつァ別に良いんだよ。だけどもう無闇矢鱈に人に好きって言うんじゃねぇぞ。」
「え? なんで?
好きな人に好きって言って悪い事があるの?」
「~~~~~!!
もういい。これ以上話してっと俺が
頭を掻きむしりたくなるような感覚に襲われたリナは部屋の中に入っていった。その時、彼女の顔が赤くなっていた事は彼女以外知る由もない。
***
《アヴェルザード》
場所は誰も居ない一室。
そこに居たフォラスは分身体から見える視覚情報から作戦を立てていた。
「……………フフフ。面白くなってきたわ。
フッフッフッフッフ。
ハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」
「おい、五月蝿いぞフォラス。」
「! 若。」
フォラスの後ろには殲國が立っていた。
「随分莫迦笑いを発していたが、何か見つけたのか。」
「実はその通りなのです。面白い催しを思い付いたものですからな。」
「催しだと?」
「ええ。実は━━━━━」
*
フォラスは分身体が嗅いだ
「………それは間違いないのか。」
「恐らくは。彼の匂いは間違い御座いません。仮にその推理が外れていたとしても作戦にはなんの支障もありませぬ。」
「随分な自信だな。しかしその者はよくよく運の無い奴だな。お前の趣味に理不尽に巻き込まれるとはな。」
「憐れむ必要など無いでしょう。彼のような人間如き儂の遊戯に使われて初めて存在価値があるというものでしょう。
そも、儂が
「…………お前はガミラと同じだな。
お前の感情は誰にも御し切れない。」
「其れは褒め言葉として受け取っておくとしましょう。
━━━━ところで、」
「!」
フォラスはそれまでの下卑た笑みから一転、表情を強ばらせた。
「
「………言った筈だぞ。
「左様でございますか。」
「それでも疑うというのなら揺さぶりでも掛けてみればいい。尤も、無駄だとは思うがな。
今までの言動から推し量っても
「………それはそうでしょうな。」
フォラスは話が終わったと言わんばかりに
「自分の足で向かうつもりか。陛下は《
「それは有難い話ですが、旅路も楽しみたいのです。それに、その過程で戦力も集めておきたいのでね。」
「…………………」
殲國の横を通り、フォラスは『ドロドロ』と音を立てながら歩を進める。フォラス=タタルハザードという脅威が迫っている事を、ツーベルクに居る者は誰一人として知らない。