転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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28 現れたもう1人の戦ウ乙女(プリキュア)! 戦士と軍人!!

バシャバシャバシャッッ!!!

 

紫色の湖から無数の魚が飛び出し、ブレーブ達に襲いかかる。

 

鉄壁要塞(ファランクス)!!!」

 

先頭に立っていたイーラがバリアを展開し、その魚の群れを迎撃した。

魚たちは気を失ってどんどん湖に沈んでいくが、肝心のテューポーンは一向にその姿を見せようとしない。

 

すぐに次の魚の群れが襲いかかる。

 

「………これしかないか………。」

 

蛍のそばにいたハッシュが飛びかかり、

 

 

シュパシュパッ!!!!

 

『「!!!!」』

 

その両手の手刀で魚のチョーマジン達を両断した。案の定 魚は元のサイズに戻る。真っ二つにされたまま。

 

「ち、ちょっとハッシュ君!!?

チョーマジンは解呪(ヒーリング)しなきゃ!!!」

「それこそやつの思うつぼだよ。

きっとこの池の生き物を全部 チョーマジンに変えて君の体力を奪うつもりなんだ。

池の生き物(ストック)が全部無くなるまで絶対に出てこないと思うよ。」

 

話している間にもチョーマジンがハッシュに迫る。

その顎をハッシュは蹴りで砕いた。

魚は吹き飛び湖に落とされる。

 

「……ハッシュ君……!!!」

「蛍君、俺はハッシュが間違っているとは思わない。

我々の目的はテューポーンの討伐であり、君の戦ウ乙女(プリキュア)の力はテューポーンを討伐するためにある。

君があの魚たちを助けたいという気持ちを否定する気は無いが、それでも目的を見失う訳にはいかない。」

「じゃあテューポーンを解呪(ヒーリング)せずに退治するわけには行かないんですか!!?」

「それもだめだ。仮にテューポーンが死んだとしても、その中の厄災のエネルギーは生き延びるかもしれない。

そもそもこの作戦の肝はテューポーンじゃなく、それを操っている厄災のエネルギーなんだ。

君は知らないかもしれないが、我々、そしてルベド総隊長もずっと作戦を立ててきた。」

「……!!!!」

 

ブレーブは返す言葉を失った。

誰も殺さずに浄化したいなんて言うのは単なる自分の我儘だ。

彼らはきっと今日までヴェルダーズの手先であるこのテューポーンを討伐するためにこの作戦をねってきたのだろう。

 

自分とは違い厄災討伐、そして世界のために毎日頑張っている。

それが軍隊 星聖騎士団(クルセイダーズ)なのだ。

 

「わかっていると思うが、俺たちもできるならこの魚たちを殺したくはない。

ただ、それだけの力が無いだけだ。

ここにもう1人戦ウ乙女(プリキュア)がいるなら話は別だろうがな。」

「そう……ですか…。」

 

聞いた所で無駄な話だ。ここにはキュアブレーブ以外の戦ウ乙女(プリキュア)はいないのだから。

この作戦の後に1人 スカウトするつもりではいたが、この作戦の後にしたのは紛れもなく自分の意思だ。

 

 

ズザッ!!

 

 

ブレーブのそばにハッシュが着地してきた。

 

「…ヤツら、あの後まるっきり攻撃してこなくなった。きっとテューポーンのやつが待機するよう言ったんだよ。」

「えっ?じゃあ退治したのって……」

「うん。 まだ最初の2匹だけだよ。蹴り飛ばしたやつはダメージが浅かった。」

 

よかったと、ブレーブは心のどこかでそう安堵した。

きっと自分が話している間にもハッシュの手によって何匹もの魚が死んだと思ったからだ。しかしすぐに何も解決していないと確信する。

このままテューポーンが湖に籠城したとしても、また魚たちを送り込んだとしても、魚たちも殺したくないブレーブにとってはいずれにしても良くない事態だ。

 

仮にテューポーンがいるとわかっている湖に解呪(ヒーリング)を打ち込んだとしても、チョーマジン達にガードされて、テューポーンには傷1つつかないのがオチだ。

 

己の無力故の大量駆除を甘んじて受け入れなければならないのか とブレーブが諦めかけた時、頭の中にこれが聞こえた。

 

『何言ってるファ ブレーブ!

戦ウ乙女(プリキュア)ならここにもう1人いる(・・・・・・)ファよ!』

「フェリオ!!!?」

 

そう言ってブレーブの目の前にフェリオが現れた。

蛍がキュアブレーブの時はこのフェリオはブレーブの心の中にいるはずなのに。

 

「フェリオ、今のどういうこと!!?」

「そのままファ。私の中の解呪(ヒーリング)の力を使えばいいんだファ!

上手くいくかは分からないファけど………」

 

 

その言葉の後、ブレーブの目の前にいたフェリオの体が光輝いた。

 

光が止んだ後、信じられない光景がブレーブに飛び込んできた。

 

「…………フェリオ…………!!!!?」

 

 

そこに居たのは、金髪ショートの自分と同じくらいの背格好をした少女だった。

 

「やったーー!!! 上手くいったファーーー!!!!!」

「待って どういうこと!!!? 説明してよ!!!」

「私たち 戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー)はブレーブ達 戦ウ乙女(プリキュア)の力を借りて、戦ウ乙女(プリキュア)と同じ力を持った人間に変身できるんだファ!!」

 

フェリオ 本名 フェリオ・アルデナ・ペイジは、女神ラジェルの力と勇者の力を混ぜ合わせて生まれた存在である。その体には戦ウ乙女(プリキュア)の力を借りて自らも戦ウ乙女(プリキュア)になるという能力が備わっているのだ。

 

「えっ!? それじゃあ……!!!」

「そういうことファ!! 私の力で魚たちを解呪(ヒーリング)するんだファ!!

ハッシュ、ちょっと通してファ。」

 

ほとりに近ずいたフェリオはその水面を思いっきり叩き、水面を震わせた。

突入してきたと思ったチョーマジン達は一斉に湖から飛び出し、フェリオに襲いかかった。

 

解呪(ヒーリング)!!!!!」

フェリオの両手にピンク色の光が集まる。

 

 

《プリキュア・ブレーブカリバー》!!!!!

 

フェリオの両手から放たれた光は魚の群れを包み込み、光が晴れた後にいたのは湖に落ちていく魚の群れだけだった。

 

それを見届けたフェリオは振り返って得意げな顔を見せた。

 

「どうファ? イーラ隊長、

これなら文句ないファでしょ?」


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