転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
蛍達は朝食を終え、このツーベルクの旅行の最後の自由時間を迎えた。
「っはーー! サンドイッチ美味しかったね リナちゃん!」
「おう。握り飯と一日置きなら全然食ってもいいな。」
「ようし! じゃあ教会に行こう!」
「おいおい待てよホタルよ。」
「?」
朝食を終え、声高らかに教会へ向かおうとする蛍をリナが止めた。
「どしたのリナちゃん。」
「どしたのじゃねぇだろ。そもそも俺らが入れんのかよ。
礼拝っつったらすっげー
「その心配はありませんよ。」
『!』
話し込む蛍とリナ達に一人の宿の従業員らしき女性が声を掛けた。
「礼拝はここ数年で観光客の皆様にも一般公開されています。それにここにいらして頂いた皆様は余所者などではありませんよ。」
「だってさリナちゃん! 早く教会に行こ!」
「お、おう。」
蛍が《礼拝》の何に惹かれているのかは分からないが、リナは手を引かれるままに教会に行く事にした。
「にしてもこの町って本当に和な所ですよね。
きっとこんな町には事件なんて起こったりしないんだろうね。」
「それにゃ俺も同感だな。俺の里も記憶の中じゃ数える位しか聞いた事ねぇし。
きっとこーゆー閉鎖的な街の方が事件は少ねぇんだろうよ。人と人との繋がりってやつが深ぇからよ。」
「間違いないね!」
蛍とリナは根拠も無くそう言ったが、彼女達は知らない。このツーベルクにて知られざる事件が起こった事を。その事件から連鎖した新たな事件が今現在起こっている事を。そしてその事件を食い物にしている怪物が居る事を。
***
《ツーベルク 中央の教会》
巨大になったフォラスはそのゲル状の身体を駆使してニトルの身体に馬乗りになり、その自由を完全に封じた。
「くそぉおおおおおおおおおお!!!!!
離せ!!!!! 離せ!!!!! 離せ!!!!! 離せぇ!!!!!」
「ハッハッハッハ!!! 離せと言われて素直に離す阿呆が居るものか!! 儂の目に止まった時点で貴様の計画は頓挫しておったのじゃよ!!!」
「ふざけんじゃねぇ!!!! なんでだ!!!!
俺がお前に何をした!!!? そんなに俺が憎いのか!!!!?」
「憎い じゃと?? 何度も言わせるでないわ戯けが!!
貴様に憎しみなどあるものか!! 寧ろ憎しみは
「何だと……………!!!!!」
「そうそうその面じゃよォ!!! 儂はその面が何よりも好きなんじゃ!!! 儂を憎むその面がなぁ!!!」
「~~~~~~!!!!!」
自分の計画を尽く打ち砕き、その上でこれ以上無い程の嘲笑を上げるフォラスをニトルは皺だらけの憎悪の表情で睨み付けた。
「して、貴様は『儂を許さん』と同時にこうも考えておる。
『何故 後ろにおる此奴等は助けようとせんのか』とな。訳を教えてやろうか。
此奴等は
貴様を助けたとて何にもならんし、儂と戦って勝てる道理もない!! 当然じゃろうな!!! 此奴等は魔力を持っておるだけで平気で迫害するような気が触れた者共なのじゃからなぁ!!!!」
『!!!!!』
後ろに居る教会の人間達、特に司教は『違う』と声に出して言いたかったが、恐怖がそれを禁じていた。目の前の怪物に逆らうだけで簡単に命を奪われそうな予感がしたからだ。
そんな人間達は気にも留めず、フォラスはニトルの耳元で言葉を重ねる。
「…………!!?」
『それと、貴様にだけは教えておいてやろう。儂が貴様に目を付けた本当の理由をな。
儂がここに来たのは
「!!!?」
『即ち、儂の本当の目的は貴様では無かった。貴様の計画を潰してやろうと思ったのは単に儂の欲を満たす為じゃ。先も言ったがそれ以上の理由など無いわ。』
「…………………!!!!
じゃあなんだ………!!? 俺はそいつらがこの町に来たせいで計画を台無しにされたって、そう言いたいのか………!!!?
原因はてめぇにはねぇって言いたいのか…………!!!!!」
『そうは言っとらんよ。貴様が貴様の計画が頓挫した原因をなんとするかは貴様の自由じゃ。儂とするのも、儂が探っておった者達とするのかもな。』
「………………………!!!!!」
様々な事実を告げられ、驚愕に顔を震わせるニトルをフォラスは冷ややかな目で見下ろし、独り言を口にした。
「………さてさて、我儘も大概にせんと陛下にどやされてしまうか。第一段階は終わりじゃ。
これより作戦を第二段階に移すとしよう。」
フォラスはそう言って
***
「━━━教会に行ってやるのは良いけどよ、そもそもなんの為に行くんだよ?」
「そんなの決まってるでしょ。今もケガを治そうと頑張ってるギリスへのお土産話にするんだよ━━━━
「!!!!!」」
教会へ行く途中、談笑している蛍とリナの背筋に凍り付くような何かが走った。
「お、おいホタル!! こいつァ━━━━!!!」
「ま、間違いないよ!!! チョーマジンが!! チョーマジンが出たんだよ!!!」