転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
スライム
それは本来、森の中ならばどこにでも発生する魔物で、一部の例外を除いて基本的に無害な存在である。
唯一警戒するべきはその身体から分泌される消化液だが、それも当たり所さえ悪くなければ軽い火傷程度の軽傷にしかならない(そもそも当たり所が悪かったとしてもたいていの場合は魔法で治療できる)。
しかし、今回 ツーベルク中央の教会に突如として現れたスライムはその例外の範疇に居る存在だった。
フォラスの分類は
***
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「ハ―――ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!
苦しいか!!? 存分に悶えよ!!!
そして精々 儂の舌と心を楽しませるがよいわ!!!!」
フォラスは身体から強酸性の消化液を分泌し、ニトルの服と筋肉を溶かし始めた。繊維は一瞬で溶け、皮膚も溶け始める。
あと数分もすればニトルは消化液によって致命傷を負い、その後には彼の身体は完全にフォラスの栄養となる。そんな状況に追い込まれてようやく行動を起こす者が居た。
司教のウィンディージだ。
「ま、待ってくれ!!!
彼をこれ以上痛めつけるのは止めてくれ!!! 彼が
やるならこの私を」
「きゃあッ!!!」
「!!!?」
ウィンディージがフォラスへの説得の言葉を言い終わる前に、彼の後ろに居た女性が短い悲鳴を上げた。
振り向くと女性が肩を抑えていた。
「無駄に喚くでない。袖が溶けただけじゃ。
…………じゃが、次は無いぞ。儂の消化液はその気になれば人間如きズグズグの流動食に変える事如き造作もない。
貴様等にできる事は儂の朝餉が終わるのを見届ける事のみじゃ。
(尤も、このまま悠長に愉しめるなどと思っておらんがな。奴等を放った以上、敵が何時違和に気付いて此処に来るやも分からん。
其れ迄の愉悦の時といこうかの。フフフフフフ…………。)」
フォラスは心の中で笑いながらも、自分が戦う時が着実に近づいている事を肌で感じていた。
***
「オラァッ!!! ウラァッ!!!」
「ヤッ!!! ハァッ!!!」
フォースは四足歩行の魔物のチョーマジンを拳で迎え撃ち、ブレイブは空から飛んでくる鳥のチョーマジンの攻撃を剣で弾いた。
しかしブレイブが持っている剣は刀剣系
その理由は刀剣系の力に彼女の身体が付いて行けていない事と、その切れ味が良すぎる事が大きい。
「ダークソ!! こいつら数ばっか多いくせにちょこまか動きやがてよ!!!
おいブレイブ!! とっとと
「だめだよフォース!
ちゃんと攻撃して、確実に
そう言ったブレイブの脳内には最初の戦闘の光景が浮かんでいた。
胸の魔方陣を攻撃してようやく
「んな事言ってもよォ、こんな事やってても埒が明かねぇぞ!!
せめて何かこう、場をひっくり返すドデカい一手ってやつがねぇとなんとも」
「うん!! それは私も分かってるんだけど━━━━━━━」
「ブレイブ! おかしいファよこれ!」
『!!?』
膠着した戦況の打開策を模索しているブレイブとフォースにフェリオが横から言葉を挟んだ。
「フェリオ! おかしいって何が!?」
「だって、こんなにチョーマジンが居るのに、召喚したヤツが全く現れないファよ!!
……もしかしたら、チョーマジンは囮で、敵は別の場所に居るのかも…………」
『!!!!』
その瞬間、ブレイブとフォースの頭は全く同じ光景を予測した。この襲撃を仕掛けた敵ががら空きになったツーベルクを襲っている光景だ。
実際にブレイブ達は『チョーマジンが発生した場所には間違いなく敵も居る』と根拠も無く決めつけ、それ以外の可能性を度外視してチョーマジンの発生場所に向かってしまった。その思い込みに付け入る隙は十分にあると言える。
「おいブレイブ!!!
ぼさっとしてねぇでさっさとツーベルクに行ってこい!!!!
こいつらァ俺等が引き付けとくからよ!!!」
「う、うん!!!」
「けどこのフェリオの奴の見当外れだったら絶対に戻ってきてくれ!!!
俺等だけじゃ限界があるかもだからよ!!」
「うん!! 分かった!!!」
フェリオは妖精の姿に戻ってブレイブの肩に乗り、ブレイブは戦場を離れ、ツーベルクに向けて地面を蹴り飛ばした。
それを見届けたフォースは再びチョーマジン達に向き直り、ヴェルドと共に敵全員の相手をする決意を固める。
「……ヴェルド、こいつらの数ってやつァ分かるか?」
「ざっと数えても十四。下手すりゃそれ以上は居るな。」
「そうか。じゃあ一人七体以上