転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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292 ツーベルクを襲う混沌の一撃!! フォラスの究極魔法!!! (後編)

魔法とは本来、《魔力》、《魔法陣》、《詠唱》の三つの要素が合わさる事で効力を発揮するものである。

しかし、詠唱の時間が邪魔をする事で初期の魔法は戦闘において日の目を見ることは無かった。

 

そして数十年が経過した後、学者達は途方もない努力の果てに詠唱無しで魔法を発動する技術を生み出した。代償として本来の威力を損なったが、発動時間の短縮という新たな要素は戦闘の場において重要視され、威力の低下は問題視されなかった。

その後は無詠唱で放つ魔法のみが重要視され、無詠唱を習得する事が魔法を扱う事においての基本になった。

 

しかし、この瞬間においてフォラスは自身の得意魔法である酸属性の究極魔法を完全に詠唱した上で放った。

今回の場合、詠唱を唱え終わるまでには最低でも十数秒掛かる。戦闘の場においてその十数秒は命取りとなる。しかし、その危険を冒して成功させた完全詠唱の効果も大きい。

フォラスがこの時放った魔法の威力は無詠唱の時の倍以上の威力になった。

 

 

***

 

 

酸究極魔法

酸之終焉(アシッド・デリート)》!!!!!

『!!!!!』

 

フォラスが展開した魔法陣から大量の紫色の液体が噴き出した。ブレイブとフェリオはそれが瞬時にそれが"酸"である事を理解する。

その量は自分達も町全体も覆いつくし、何もかもを溶かして無に帰してしまう威力があると直感した。

 

(フッフッフッフッフ。 どうする?

其の酸は儂の胃液と同じ成分で出来ておる。触れれば遍く物をたちどころに溶かして無に帰す。

儂が贈物(ギフト)しか使えんと高を括った貴様等の痛手という訳じゃよ!!)

 

フォラスはヴェルダーズに与えられた贈物(ギフト)、《怨念之神(タタリガミ)》だけでなく、極めて高度な魔法の技術を持つ戦闘員である。

そしてそれは詠唱を完全に成功させた場合、戦ウ乙女(プリキュア)であるブレイブ達にも通用する威力を誇る。そしてブレイブは、この絶望的状況に対する策を瞬時に弾き出した。

 

「サ、堅牢之神(サンダルフォン)!!!!!」

「!!!」

 

ブレイブは酸の塊が降ってくるまでの僅かな時間で光の格子を展開した。しかし、それはそれまでの《盾》から《檻》へと形を変えた。

光の格子は形をすり鉢のように変え、フォラスの酸を残らず捉えた。そして両手を握る所作で形を更に変える。

光の格子は球状に変わって酸を覆いつくし、格子と格子の間の隙間は完全に埋まり、酸が町に攻撃を加える事を完全に阻止した。

 

(や、やった……………!!!!)

「ブレイブ!!! 下ファ!!!!」

「!!!?」

 

フェリオ『下だ』という声が聞こえた瞬間、ブレイブは咄嗟にニトルの影魔人(カゲマジン)が息を吹き返したのだと直感したが、事実は異なった。

ブレイブが視線を下に向けると、そこには小型の紫色のスライムが居た。スライムには小さな白い骸骨の仮面が張り付いている。

その要素からブレイブは直感的にそれがフォラスの分身体であると理解した。

 

(漸く気付きおったか。貴様への本命は其の攻撃じゃよ。

防具である《堅牢之神(サンダルフォン)》を既に使った貴様に此れを防ぐ手立ては無い。)

 

『プッ!!!!』

「!!!!」 「ブレイブ!!!!」

 

フォラスの分身体は即座に攻撃に出た。骸骨の口(に相当する部分)からブレイブに向けて(紫色の液体)の塊を吐き出す。

その酸がブレイブの顔面に直撃し、彼女の生き根を断つ

 

というフォラスの目論見は完全に外れた。

 

 

「オルァッ!!!!」

「!!! フォース!!!」

(!!! キュアフォース!!!)

 

酸がブレイブに直撃する瞬間、どこからともなく現れたフォースが彼女を抱えて移動する事でブレイブを危機から救った。

 

「フォース! あのチョーマジンはどうにかなったの!?」

「いや! 解呪(ヒーリング)がどうやっても足りねぇから一旦動きだけ止めてこっちに来た!

ってかどういう状況なんだよ! 来てみたら空にバカでかい球はあるはお前は変なモンぶっかけられそうになってるはでよォ!!」

「ごめんフォース。説明してる時間は無いよ!

今のところ攻めてきてる敵は一人。教会に居た男の人が一人、影魔人(カゲマジン)に変えられちゃって!!」

「!!! 影魔人(カゲマジン)だと……………!!!?」

「そう。儂じゃよ。」

『!!!!』

 

ブレイブとフォースの二人が話している所にフォラスが入り込んできた。

身体を伸ばして顔(に相当する部分)が二人の眼前に迫る。膨張率も重力も、物理法則を完全に無視した動きだ。

 

「尤も、貴様等全員此処で死ぬ運命じゃがな!!!!」

「!!!! ガ、《巨象之神(ガネーシャ)》!!!!!」

「!!!? うわぁっ!!!」

 

その瞬間、ブレイブを抱えるフォースの身体は急降下してフォラスの攻撃を躱した。そのまま轟音を立てながら地面に着地する。

 

「や、ヤバかったな………………!!! あのジジ臭いスライム野郎が敵か………!!!」

「いやいやそれよりも今の何フォース!!!

何か一気に重くなったけど!!!?」

「ああ。お前にゃまだ言ってなかったな。

これァ俺自身や物を重くしたり軽くしたりできる贈物(ギフト)なんだ!! ついさっき使えるようになってよ!!」

「そ、そうなんだ…………!」

 

切迫した戦場の中で、フォースの表情は自慢げに輝いていた。

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