転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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309 刀剣系の使い手の真価!! ブレイブに宿る猫の力!! (後編)

肉球之神(バステト)》の発現はフォラスにとっては異常事態以外の何物でもなかった。特に肉球が持つ《弾く性質》が驚異的だった。フォースに発現した《龍神之棍(リャン・ロウ・ゴン)》に次ぐ新たな消化液への対抗策が発現したのだ。

しかし、フォラスの心には幾許かの余裕があった。《龍神之棍(リャン・ロウ・ゴン)》の打撃が、《肉球之神(バステト)》の弾く力が自分の消化液に対抗できる事は動かし難い事実だが、フォラスは頭の中でその対抗策を講じていた。

 

(あの奇怪な肉球もフォースが持つ棒切れも確かに儂の攻撃を弾く(防ぐ)能力があるが、明確な弱点は存在する。其れは、防御の範囲が極端に狭いという事じゃ!!!)

 

フォースの《龍神之棍(リャン・ロウ・ゴン)》もブレイブの《肉球之神(バステト)》もフォラスの消化液を弾く能力を持っている。しかし、フォースは棍が届く範囲でぴたりと攻撃を合わせる事が求められ、ブレイブは手による防御でしか防ぐ事は出来ない。

即ち、フォラスが弾き出した突破口は狭い防御範囲を如何にして潜り抜けるかという事だ。

 

(あの奇怪な肉球、儂の消化液を受けて傷一つ付かんのは驚異的と言う他ない。

じゃが、その範囲はあの掌に浮かぶ物体の中に限られておる。引き合いに出すのは不毛かもしれんが、少なくとも《堅牢之神(サンダルフォン)》より防御能力が低い事は確かじゃ。

ならばどうするか。決まっておる!!!!)

「!!!」

 

ブレイブは走りながらも《肉球之神(バステト)》を解除する事は無く、そしてフォラスからなるべく身体を見せない状態を保ち続けていた。それはブレイブにとって諸刃の剣と言える策だった。《堅牢之神(サンダルフォン)》と《肉球之神(バステト)》という二つの究極贈物(アルティメットギフト)をとめどなく発動し続ける事すら彼女の体力を大幅に削る。加えて全身の筋肉は悲鳴を上げていた。人間の身体は重力に逆らって壁に立ち、剰え走る為の機能は備わっていないのだ。

 

「!!?」

(フッフッフ。今更気付きおったか。じゃがもう手遅れよ!!!

今の貴様に此の技を防ぐ術はありはしない!!!)

 

その瞬間、ブレイブの目は奇妙な光景を捉えた。

フォラスの口の下が大きく膨らんでいる。まるで何かを溜めているかのようだった。そしてブレイブは瞬時にその()()の正体を理解した。

 

(ま、まさか!! 消化液を圧縮してあの、鉄を切るやつみたいに飛ばしてくる!!?)

(理解したところでどうにもならんわ!!!!)

「食らえぃ!!!!」

「!!!!」

 

フォラスの(上顎と下顎の隙間)から消化液が紫色の線と化してブレイブへ襲い掛かった。

ブレイブはかつて見た情報から、圧縮され噴き出す水は時に金属すらも切断たらしめる事を理解していた。無論、この消化液もその例から漏れない事は言うまでもない。

堅牢之神(サンダルフォン)》以外の部分に当たれば重傷を負う事は確実だ。加えて消化液という性質上、当たった部分から立ちどころに溶ける可能性すらある。

そこまで考えた結果ブレイブが取った選択は《肉球之神(バステト)》による防御だった。消化液の槍には驚異的な威力があるがそれが()()()()()ものである以上、弾く事による防御は可能である。

故にブレイブはこの選択が最適解であるという結論を下した。しかし、フォラスはその選択を読み切っていた。

 

(貴様は莫迦の一つ覚えの如くに其れをやると思っておったわ。

じゃがな、貴様等には見せておらん能力が儂にはある!!!)

「!!!?」

 

消化液の光線はブレイブに到達しなかった。しかし、それは《肉球之神(バステト)》に弾かれたからではなかった。光線の軌道は()()()()のだ。

フォラスが隠していた能力とは、吐き出した消化液を後から操作できる事だ。フォラスが最初からそれをやらなかった理由は、それを出来ないと思わせ、敵の虚を突く為だ。

消化液の光線は軌道を変え、弧を描くような軌道で再度ブレイブの心臓目掛けて迫る。

その現象が起こるまでに掛かった時間は約一秒未満。ブレイブにとっても短すぎる時間だ。

 

「うわっ!!!?」

 

ブレイブは辛うじて横から向かって来る消化液の光線を身を引いて躱した。

無論重力に逆らった状態で攻撃を躱す事は筋肉を酷使するが、ブレイブには最早身体の疲労を考慮している余裕は無かった。

しかし、フォラスはそれすらも予測していた。

 

「!!!!!」

(これこそが貴様の弱点よ!!!!)

 

その瞬間、ブレイブが見たものは紫色の波だった。それがフォラスの消化液が大量に襲い掛かったものである事を瞬時に理解した。

フォラスが見つけ出した《肉球之神(バステト)》の防御に対する有効策は、広範囲の同時攻撃だったのだ。

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