転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「ちょっとイーラさん どうなってんの!!?
蛍ちゃん 全然上がって来ないじゃん あの水 何か毒でも入ってんじゃないの!!?」
半ば八つ当たり気味にハニが言った。
湖に投げ込まれたブレーブが一向に上がってこないのだ。
「いや 毒が入ってる筈はないぞ!
この湖はテューポーンの瘴気があるだけで普通の魚も生活できるほどには清潔なんだ!!」
「じゃあどうして上がって来ないんですか!!?」
「そんなこと俺が知るか!!」
水掛け論をしている2人を気にもとめず、ハッシュは向かってくる攻撃を捌いていた。
もちろん イーラとハニもテューポーンの攻撃を受けている。ブレーブがいない今、彼らには時間を稼ぐことくらいしかできることがないのだ。
「ハッハッハ
頼みの綱の
3人に攻撃を加えながらテューポーンは得意げに笑った。
しかし、ハッシュは全く反応しない。言葉に反応するだけ無駄だとわかっているからだ。
そして彼はブレーブを信頼している。それが
「虫けら共、もう十分だろ
終わらせるぞ」
その言葉の後、テューポーンの口に禍々しい色の光が集まり、攻撃を食わせるために大きく仰け反った。
その時、2つの大きな音が響いた。
ひとつは湖を大きく揺らがせる水音、
もうひとつは刃物が
「な……………に………………!!!!?」
テューポーンの腹に1本の剣が突き刺さっていた。それは
それを2人の少女が握っていた。
その2人はキュアブレーブと、人間に姿を変えたフェリオだ。
「フェリオ、やるよ!!!!」
「わかったファ!!!!」
2人が剣に力を込めた━━━━━━━
***
遡ること数分前、ブレーブとフェリオは湖の中にいた。
(
(そう。多分今の私じゃテューポーンをちゃんと倒せるか分からない。だから、前にハッシュ君がやったみたいに
だからフェリオ、私に力をかしてくれる?)
(もちろんファ!)
湖の中でブレーブとフェリオは
(チャンスはテューポーンがお腹を見せた時。そこに一気に撃ち込むよ!!!)
***
「
貴様…………!!!!!」
「「
ブレーブとフェリオが渾身の力で叫び、剣にありったけの
《《プリキュア・ブレーブインジェクション》》!!!!!
ブレーブとフェリオの叫びによって放たれたその光はテューポーンの身体を貫通し、さらに全身を駆け巡った。
「ブレーブ、もっと流し込むファ!!!!」
「うんッッ!!!!」
絶叫するテューポーンにさらにダメ押しをかけんと全力で
最早2人の頭には
「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」
一体、どれくらい力んでいただろう。
いつの間にか
視線の先にはあの禍々しい龍もいない。そもそも自分は今地面に寝そべっている。
「よし!起きた!」
ハッシュのその一言でブレーブは完全に目が覚めた。
「ハッシュ君!テューポーンは!!?」
「落ち着いて。テューポーンならちゃんと
辺りを見回すと、そこにはもう瘴気は無かった。ヴェルダースの手先にされたテューポーンが発生させていたのだ。
「そうだ!フェリオは!!?」
「フェリオなら今 イーラさんとハニさんが介抱してる。怪我はないけど疲れきってるみたいなんだ。」
「そう。よかった………」
安心し 緊張が解けた蛍はよろけそうになり、ハッシュに抱えられた。
「イーラさん、蛍君 目を覚ましたよ。
これから どうするの?」
「もう少し休ませて歩けるようになったら本部に戻り、作戦成功を総隊長に伝える。」
「うん。 わかった。」
蛍の耳に入ったのはそこまでだった。
***
「ほう、プリキュア・ブレーブインジェクションか………
そいつはいいな。」
「えへへ。ぶっつけ本番で上手くいくかはわかんなかったけど、これで私もちゃんと戦えるよ!」
蛍は今
ハッシュから聞いた話によると、あの後一向に目を覚まさなかったので、イーラに抱えられて本部に連れ帰られたのだという。
「蛍、ギリス、入るよ。」
扉を開けてハッシュが入ってきた。この部屋は
「総隊長から もうすぐ呼ぶから準備してくれって。」
「そう。わかった!!」