転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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310 わずか0.4の奇跡!! ブレイブ十文字閃!!!

肉球之神(バステト)》を発現させたブレイブには最早、下手な方法では自分の消化液を見舞わせる事は出来ない。故にフォラスはこの方法を取った。

消化液を操作する追尾弾は謂わば囮であり、本命は広範囲の攻撃だった。仮に《肉球之神(バステト)》の防御が間に合ってもこの広範囲を防ぐ事は出来ない。確実にこの一撃で決着がつく。

 

ブレイブの命も、そしてこのツーベルクもだ。

 

*

 

ブレイブが一面の紫色を目にした瞬間、彼女の思考は如何にして自分(ツーベルク)の命を守るかという事に集中した。そして瞬時に最適解を弾き出した。

彼女には(サンダルフォン)肉球(バステト)と同様に消化液に対する有効打を持ち合わせている。

 

(《女神之剣(ディバイン・スワン)》!!!!!(《解呪(ヒーリング)》!!!!!))

「!!!」

 

ブレイブは脳内で()()贈物(ギフト)の名前を同時に叫んだ。

瞬間、彼女の手には()()解呪(ヒーリング)の光を纏った刀剣系究極贈物(アルティメットギフト)、《女神之剣(ディバイン・スワン)》が顕現する。この状況では、女神之剣(ディバイン・スワン)を発動させてから解呪(ヒーリング)を込めるという悠長なやり方では到底間に合わない。

女神之剣(ディバイン・スワン)の発現と解呪(ヒーリング)の発動という二段階の行動を同時に実行し、一つに纏める。ここまで時間にして約0.4秒。刀剣系に目覚めた彼女だからこそ可能となった早業だ。

その早業の成功を理解した瞬間、ブレイブは次の行動を実行した。

 

「《プリキュア・ブレイブカリバー》!!!!!」

「!!!!」

「やぁっ!!!!」

 

消化液が身体に襲い掛かる瞬間、ブレイブは《女神之剣(ディバイン・スワン)》の刃を振るった。彼女が握る剣の能力はあらゆるものを両断する能力。そしてそれはフォラスの消化液であっても例外ではない。

フォラスが吐き出した消化液に一本の線が入り、二つに分かれた。

 

「はあっ!!!!!」

「!!!」

 

ブレイブは一発目の剣を下から上に斜めに振るっていた。更に彼女は体勢を翻し、一発目と重なるような軌道で上から斜めに刃を振るう。消化液の塊には十字の亀裂が走り、四つに分かれた。

そしてブレイブの消化液への攻撃はこれだけに留まらない。《女神之剣(ディバイン・スワン)》の刃に纏っていた解呪(ヒーリング)は切り口から消化液へと入り込んだ。

消化液はまるで急激に高温に晒されたように蒸発して霧散した。

 

「……………………!!!」

「………………………………ッ

ぐふっ!!!」

 

辛うじて消化液による窮地は脱した。しかし、一瞬とはいえ四つの[[rb:贈物>ギフト]]を同時に使用した代償は大きかった。体力は一気に削られ、《肉球之神(バステト)》の解除、即ち体勢による有利を捨てるという苦渋の決断を強いられた。

地面に着地する事には成功したが、地面に膝をついてしまった。

 

「~~~~~~~!!!」

「はっは!! 一難去ってなんとやら、じゃのぉ。其処迄しても《堅牢之神(サンダルフォン)》を解除せんとは大した執念よ。この町の為に貴様が身を削る理由があるのか。

たった一日過ごしただけで其処迄の情念が移ったというのか。」

「そ、その通りだよ!! このツーベルクはご飯が美味しくて! 立派な教会があって! 景色もきれいで空気も美味しくて!!

こんなにいい町をあなたなんかに消される訳にはいかないよ!!!!」

「そうかそうか。大した蛮勇よ。

じゃがな、この町に魔の手を伸ばしたのが()()()じゃと思い込まれるのは不本意じゃのぉ。其れにじゃ、儂が此の町を狙った理由が、()()()()()()としたらどうじゃ?」

「!!?」

「ああ、言い忘れておったが、あの球の中の酸が[[rb:解呪>ヒーリング]]でどうにかできるとは考えん方が良いぞ。

あれは儂の()()で拵えた酸で、貴様がたった今斬った消化液とは根本から訳が違う。残り少ない解呪(ヒーリング)の力を無駄にしたくなくば、余計な真似はせん事じゃ。或いは、もうそんな事をするだけの体力すら残っておらんのか!!? えぇ!!?」

「!!!」

 

フォラスの推測は的外れではなかった。

寧ろ、彼女の中に《堅牢之神(サンダルフォン)》の中の酸を残りの解呪(ヒーリング)で排除出来るかどうかという分の悪い賭けに出る必要が無くなった事を喜んでいる部分すらあった。

 

「ッ!!

バ、《肉球之神(バステト)》!!!」

 

フォラスに図星を突かれても尚、ブレイブの闘志は尽きてはいなかった。

最早、壁に直立する事は困難と判断し、両手にのみ肉球を出現させる手段を取った。

 

「フッフッフッフ。

其の奇怪な肉球には散々苦渋を飲まされたが、結局は同じ事よ。勇者がスライムの餌となるという笑い話が現実となる結果に揺るぎは無い!!!」

「そんな事、そんな訳ない!!!

フォースもフェリオもヴェルドも必死に戦ってる!!! 私だけ倒れる訳にはいかないよ!!!」

「ハッ!!!!

悪足搔きの末の援軍だよりという訳か!!! 大莫迦者が!!!!

貴様の命運を他人に賭ける其の温過ぎる根性こそが貴様等の弱点じゃと何度言わせれば分かる!!!!!」

「!!!!」

 

手に剣ではなく肉球を携えるブレイブに対し、フォラスはその身一つで襲い掛かった。

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