転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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319 ツーベルクの戦いの新たな局面!! 強酸攻略大作戦!!(瀑布編)

ブレイブは確かに『酸を水槽に移す』と言った。その言葉の意味するところを質問したのは牧師ジェームズだった。

 

「酸って、あの空に浮かんでいる球体に入っている酸をですか!!?

まさか、空から酸を落とし注ぐおつもりですか!!? それは危険すぎます!!!

一滴でも零れたりすればこのツーベルクに甚大な被害が━━━━━━━━!!!」

「いや、もっと確実に移すんです。それで、お願いしたい事が………………!!

誰か、水の魔法であの水槽をいっぱいにして下さい…………………!!!」

「!! わ、分かりました!! お、おい君!!」

 

ジェームズは後方に居た一人の男に声を掛け、男は頷いて水槽に梯子をかけて水槽の上に上がった。そして手に青色の魔法陣を浮かべ、魔力を込める。

男の魔力は魔法陣を通して水流に変わり、透明な液体が水槽を埋め尽くす。水流は更に勢いを増し、数分後には水槽は水で満たされた。

 

「か、完了しました!」

「しかし、これで一体何を………………」

「は、はい……………………!!

ねぇ、ニトルさん、さっき言ったお願い、今から言うね………………!!」

「!!?」

「ニトルさんがさっき使った贈物(ギフト)を使って、私の盾と水槽の中身を入れ替えて欲しいの………………………!!!」

「!!!?」

 

ブレイブの賭けとはニトルの《転換之王(ベリアル)》を利用したものだった。しかしニトルにとってそれは極めて荒唐無稽な内容だった。

 

「ハ、ハァッ!!!? なにムチャクチャ言ってんだ!!!

俺にそんな力がある訳ねぇだろ!!! あっても使い方なんか分かんねぇよ!!!

第一なんだってそんな事しなくちゃなんねぇんだ!!! そいつァつまりこの町を助けるって事だろうが!!!! ()()()()がこの町の奴等のせいでどれだけ苦しんだと思ってる!!!! 俺の父さんと母さんがどれだけ苦労して死んだと思ってる!!!!!」

「!!!!!」

 

ニトルの言葉に顔を歪ませたのはヴィンディージだった。浅ましい保身に走り、その結果一人の罪のない男の心に深い傷を残してしまった罪悪感がそうさせた。

 

「そ、それなら私も聞いたよ。私も宗教の恐ろしさは知ってる。それこそたくさんの人が傷つく結果になるかもしれないって。

だけど、だけどさ、()()()()()()()()はこの町には一人もいないでしょ!!? それに、このままじゃ、もうすぐこの町の人達はみんな死ぬ。

 

()()()()()()()()()()…………………!!!!」

「!!!!!」

 

ニトルの表情が変化した瞬間、ブレイブは自分の賭けが有利に働いた事を直感した。教会の状況から推察し、ブレイブはニトルがフォラスにいたぶられていたという仮説を立て、それにツーベルクの運命を賭けた。

そしてブレイブの目算通り、ニトルは()()()()()()()()()にツーベルクが消滅する事を良しとしなかった。ツーベルク(の過激派)と同様に自分の計画を徒に破綻させたフォラスもまたニトルの憎悪の対象なのだ。

 

 

「………………最初に言っとくが成功する確率は五分もねぇぞ。」

「!」

「だがな、成功したならそん時は俺の言う事一つ聞いてもらうぜ。」

「……あなたのやった事、帳消しにしろ、とか?」

「今更んな図々しい事ぁ言わねぇ。ただな、絶対にあのクソッたれのスライム野郎をぶち殺せ!!!!

破ったら俺がお前らに酸をぶっかけてやる!!!」

「………………!!

「もちろん!!!」だ!!!」

 

遂に見えた突破口に、ブレイブもフォースも目を輝かせてそう言った。

 

*

 

「………………!!!」

「どうだ? ここまで上がれば()()見えるんじゃねぇのか?」

 

ニトルの協力の承諾を得て、ブレイブは自分の作戦を最終段階に移した。《堅牢之神(サンダルフォン)》の球を出来る限り降下させ、上部に小さな穴を開けた。

そしてヴェルドは近辺で一番高い木にニトルを担いで登った。ニトルの視界には《堅牢之神(サンダルフォン)》の球に入った酸と水槽に入った水が同時に映っている。《転換之王(ベリアル)》の発動条件は整った。

 

「もう一回言うが成功する確率は五分もねぇぞ。お前以外の連れがドロッドロになっても俺じゃなくてあのクソッたれのスライム野郎を恨めよ!!」

「くどい事言うな!! お前は黙って贈物(ギフト)の発動に集中してりゃいいんだよ!!

後な、贈物(ギフト)を使うなんてなァほとんど勘頼りだ!! 俺も初めて使った感覚しか頼れねぇんだからよ!!」

「………………何言ってんのかさっぱり分かんねぇけどよ、とにかくやるぞ!!!」

「ああ!! 思いっ切りぶちかましてくれ!!!」

 

ヴェルドの助言通り、ニトルは自分とジェームズを入れ替えた瞬間の状況を思い起こし、それを水と酸に当てはめた。彼の心にあったのは唯一つ、フォラスの思い通りに事を運びたくないという思考だけだ。

 

 

『!!!!』

 

その瞬間、水槽の中の液体が紫色の液体に変わった。魔力で保護したガラスはフォラスの究極魔法によって創生された強酸にも耐えた。この瞬間、ツーベルクの破滅という最悪の可能性は完全に潰えた。

 

「や、やった………!!!

やったんだ……………………!!!!」

「あ!! おいバカ今解除したら━━━━━━━━!!!!」

「えっ!?

あっ━━━━━━━━」

 

酸が自分の《堅牢之神(サンダルフォン)》の球から水槽に移った事を認識した瞬間、ブレイブは緊張の糸が途切れたかのように《[[rb:堅牢之神>サンダルフォン]]》を解除した。しかし、()()()()で解除をすればどのような結末が待っているかは火を見るよりも明らかだ。

 

『バッシャーーーン!!!!!』

『!!!!!』

 

そして、その場に居たヴェルドとニトル以外の全員が水を被った。

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