転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ブレイブは確かに『酸を水槽に移す』と言った。その言葉の意味するところを質問したのは牧師ジェームズだった。
「酸って、あの空に浮かんでいる球体に入っている酸をですか!!?
まさか、空から酸を落とし注ぐおつもりですか!!? それは危険すぎます!!!
一滴でも零れたりすればこのツーベルクに甚大な被害が━━━━━━━━!!!」
「いや、もっと確実に移すんです。それで、お願いしたい事が………………!!
誰か、水の魔法であの水槽をいっぱいにして下さい…………………!!!」
「!! わ、分かりました!! お、おい君!!」
ジェームズは後方に居た一人の男に声を掛け、男は頷いて水槽に梯子をかけて水槽の上に上がった。そして手に青色の魔法陣を浮かべ、魔力を込める。
男の魔力は魔法陣を通して水流に変わり、透明な液体が水槽を埋め尽くす。水流は更に勢いを増し、数分後には水槽は水で満たされた。
「か、完了しました!」
「しかし、これで一体何を………………」
「は、はい……………………!!
ねぇ、ニトルさん、さっき言ったお願い、今から言うね………………!!」
「!!?」
「ニトルさんがさっき使った
「!!!?」
ブレイブの賭けとはニトルの《
「ハ、ハァッ!!!? なにムチャクチャ言ってんだ!!!
俺にそんな力がある訳ねぇだろ!!! あっても使い方なんか分かんねぇよ!!!
第一なんだってそんな事しなくちゃなんねぇんだ!!! そいつァつまりこの町を助けるって事だろうが!!!!
「!!!!!」
ニトルの言葉に顔を歪ませたのはヴィンディージだった。浅ましい保身に走り、その結果一人の罪のない男の心に深い傷を残してしまった罪悪感がそうさせた。
「そ、それなら私も聞いたよ。私も宗教の恐ろしさは知ってる。それこそたくさんの人が傷つく結果になるかもしれないって。
だけど、だけどさ、
「!!!!!」
ニトルの表情が変化した瞬間、ブレイブは自分の賭けが有利に働いた事を直感した。教会の状況から推察し、ブレイブはニトルがフォラスにいたぶられていたという仮説を立て、それにツーベルクの運命を賭けた。
そしてブレイブの目算通り、ニトルは
「………………最初に言っとくが成功する確率は五分もねぇぞ。」
「!」
「だがな、成功したならそん時は俺の言う事一つ聞いてもらうぜ。」
「……あなたのやった事、帳消しにしろ、とか?」
「今更んな図々しい事ぁ言わねぇ。ただな、絶対にあのクソッたれのスライム野郎をぶち殺せ!!!!
破ったら俺がお前らに酸をぶっかけてやる!!!」
「………………!!
「もちろん!!!」だ!!!」
遂に見えた突破口に、ブレイブもフォースも目を輝かせてそう言った。
*
「………………!!!」
「どうだ? ここまで上がれば
ニトルの協力の承諾を得て、ブレイブは自分の作戦を最終段階に移した。《
そしてヴェルドは近辺で一番高い木にニトルを担いで登った。ニトルの視界には《
「もう一回言うが成功する確率は五分もねぇぞ。お前以外の連れがドロッドロになっても俺じゃなくてあのクソッたれのスライム野郎を恨めよ!!」
「くどい事言うな!! お前は黙って
後な、
「………………何言ってんのかさっぱり分かんねぇけどよ、とにかくやるぞ!!!」
「ああ!! 思いっ切りぶちかましてくれ!!!」
ヴェルドの助言通り、ニトルは自分とジェームズを入れ替えた瞬間の状況を思い起こし、それを水と酸に当てはめた。彼の心にあったのは唯一つ、フォラスの思い通りに事を運びたくないという思考だけだ。
『!!!!』
その瞬間、水槽の中の液体が紫色の液体に変わった。魔力で保護したガラスはフォラスの究極魔法によって創生された強酸にも耐えた。この瞬間、ツーベルクの破滅という最悪の可能性は完全に潰えた。
「や、やった………!!!
やったんだ……………………!!!!」
「あ!! おいバカ今解除したら━━━━━━━━!!!!」
「えっ!?
あっ━━━━━━━━」
酸が自分の《
『バッシャーーーン!!!!!』
『!!!!!』
そして、その場に居たヴェルドとニトル以外の全員が水を被った。