転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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320 戦いの後に残った物 司教ウィンディージの懺悔!

爆弾魔と喋るスライムによるツーベルクの教会の襲撃事件。そしてその後に教会の司教 ウィンディージが自ら壇上に立ち、演説を行った。

 

以下はその演説を拝聴した飲食店勤務の男 《ショー・ブルレ (33)》の証言である。

 

*

 

「………………ええ。あの場には礼拝をしに朝からずっと居ました。そうです。教会をあの男が占拠した時も私はその場に居合わせて、はい、巻き込まれる形になりました。

ところがです、奇妙なスライムが現れたんですよ。奇妙と言うのはね、得体が知れないという意味だけじゃないんですよ。そのスライムの姿も行動も、全てが奇妙でした。まず、あのスライムは喋ったんですよ。かなり老人めいた口調でした。でね、行動も奇妙というしかないんですよ。

まず、あのスライムは口から爆弾を吐きました。そうです。教会を占拠したあの男の爆弾です。ですからね、事実だけを言うと私達はあのスライムに助けられたんですよ。事実上と言ったのはね、とてもじゃないけどあのスライムには何故か私達を助けようと言った感情が見て取れなかったんですよ。そもそもスライムに感情を求めるのがおかしな話なんですけどね。

もちろん男は怒り狂ってスライムと交戦になりました。火の魔法です。ですがあのスライムは全て飲み込んだんですよ。それどころか、逆に襲い掛かってその手足を溶かしたんです。そりゃ恐ろしかったですよ。人間が食われそうになっている訳ですから。

事件はここからです。突然、変な格好をした女の子が窓を割って飛び込んで来たんですよ。それで妙なのはね、そのスライムが突然興味をその女の子に変えたんですよ。まるで初めからその女の子が目当てというような感じでした。

その後、スライムは不気味な魔法陣を男に貼り付けました。するとです、男の姿が禍々しい人型の化け物に変わったんですよ。そりゃ死を覚悟しましたよ。これから何が起こるんだってね。でもそうはなりませんでした。全員教会を飛び出したんですよ。

それから一時間後くらいに司教様が戻ってきました。それでなぜか司教様や付いて来た人たちが皆 ずぶ濡れだったんですよ。

付いて来た人たちですか? ジェームズ牧師と教会を襲った男と、女の子が二人です。驚いたのはその一人が龍人族だったんですよ。だってそうでしょう? 龍人族は専ら生まれた里から出ないって言うじゃないですか。

 

前置きが長くなりましたが、ここからが司教様の演説です。………いや、演説というよりは懺悔に近いものだったでしょうか。それ程までに驚くべき内容でした。

まず、司教様は教会を襲ったあの男を知っていると言いました。その男の名前は《ニトル・フリーマ》といって二十年前までこの町に住んでいたと言ってました。その事を知っていたかですって?生憎ですが、私は十年程前に他の所から移住してきた身ですので。

問題なのはその後です。司教様はそのニトルという男が何故町から出たのか、その経緯を話しました。なんでもその男はさっきも言ったように火の魔法を使えるんですが、その才能を『太陽神様への冒涜だ』とか言って酷い差別をした連中がいたそうなんです。え? いやいや私もこの町の宗教は勉強しましたけど、そんな事実はありませんでしたよ。その連中に問題があったんだと思います。司教様の話ではその連中はとっくの昔に捕まって、どこかに入れられているとの事でした。それで、懺悔はここからです。

おかしいと思ったんですよ。他所から住みに来た私ならともかく、司教様の話を聞いた地元の人達も皆 ざわつき始めたんです。それってその事件を知らないって事ですからね。だけど知らないのは当然でした。司教様は騒ぎになる事を恐れて事件を公にはしなかったんです。詰まる所、保身ってやつです。司教様はその事を私達に懺悔しました。そうです。保身に走って事件をひた隠しにしてしまった過去の自分と、それが原因で私達を危険な目に合わせてしまった事に対してね。そりゃ驚きましたよ。だってその時、司教様は私達に向かって頭を地面につけたんです。

 

だけど一番驚いたのはその後です。司教様は私達に、『この男、ニトルの罪は過去のツーベルクと私が犯した罪によって生まれたものである。故に私はニトルを罪に問う事はしない。ニトル・フリーマの罪は私の罪である。ニトルを罪に問うならば、私も共に罪を償う』と言いました。あの人はニトルを庇ったんです。

そこまで言われたら私達も何も言えませんよ。彼は放免となりました。私に話せる事はこれで以上です。」

 

 

***

 

 

時は司教ウィンディージの演説(懺悔)が終わり、同席していた蛍達が教会から出た直後に遡る。

蛍は屈託のない笑みを浮かべてニトルの肩を叩いた。

 

「良かったですねニトルさん! 司教さんから許してもらえて!」

「………………何が良いもんかよ! 良き恥晒されたようなもんじゃねぇか!!

息巻いて出てきて、それなのに何も出来なくて、挙句 お咎めなしで宙ぶらりんだ。これからどうすりゃいいんだろうな!」

 

無罪放免になったとは思えない程ふてぶてしいニトルの物言いにリナやヴェルドは顔をしかめたが、蛍はこの男に何をするべきかを理解していた。

 

「………………どうすりゃいいんだ か。なら私が居場所をあげる。

ねぇニトルさん、私達の仲間にならない?」

『!!!!?』

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